- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865281019
感想・レビュー・書評
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「メイキング」がそこそこ面白かったのでこの本も手に取ってみた。
実は3年ほど前に購入して途中で断念。3年ぶりに再開してみたが、やはり挫折してしまった一冊である。
「ライン」をお題にしたうえで、発話と歌の違いとは?記述物と楽譜の違いとは?といった著者の問いかけは非常に興味深いものの、その答えに至る著者の考察、論理がとてつもなく難解且つ遠回りであり、途中で読むのをやめてしまった。(約半分を読了)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
訳者自身があとあきで「要約できないし、要約すべきでない」と書いているが、線形(Liner)に喩えられるものをいろんな角度、視点の高さから捉えて語っているので、まとめようとしても「ラインズ(Lines)」としか言いようのない本だった。
刺繍の糸、時間、散歩、旅、書道、絵画、建築等々……議論を積み上げて大きな命題を証明するというシロモノではなく、個別のディテールを言語化して編むということそのものに力点がある。
文化人類学って、ざっくりそういうものなのか。
売れ線の「一点突破の結論キャッチコピー」をタイトルに据えた啓発本とは対極に位置する本。一本筋は通っているが、対象はあっちこっちに飛ぶので読みにくいのは読みにくいけれど、読書体験としては豊かな感じがしないでもない。
個人的には「樹形図またキタ!」って思った。あとは王羲之が雁の首をしなやかさに霊感を得て、筆の運びに取り入れたとか……あとはブルース・チャトウィンのソングラインとか。
マスな社会的インパクトという視点を除けば、語るに足る対象や切り口は、いまだ溢れているなと再確認。