ラインズ 線の文化史

  • 左右社
3.54
  • (9)
  • (14)
  • (18)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 501
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865281019

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「メイキング」がそこそこ面白かったのでこの本も手に取ってみた。
    実は3年ほど前に購入して途中で断念。3年ぶりに再開してみたが、やはり挫折してしまった一冊である。
    「ライン」をお題にしたうえで、発話と歌の違いとは?記述物と楽譜の違いとは?といった著者の問いかけは非常に興味深いものの、その答えに至る著者の考察、論理がとてつもなく難解且つ遠回りであり、途中で読むのをやめてしまった。(約半分を読了)

  • 訳者自身があとあきで「要約できないし、要約すべきでない」と書いているが、線形(Liner)に喩えられるものをいろんな角度、視点の高さから捉えて語っているので、まとめようとしても「ラインズ(Lines)」としか言いようのない本だった。

    刺繍の糸、時間、散歩、旅、書道、絵画、建築等々……議論を積み上げて大きな命題を証明するというシロモノではなく、個別のディテールを言語化して編むということそのものに力点がある。

    文化人類学って、ざっくりそういうものなのか。

    売れ線の「一点突破の結論キャッチコピー」をタイトルに据えた啓発本とは対極に位置する本。一本筋は通っているが、対象はあっちこっちに飛ぶので読みにくいのは読みにくいけれど、読書体験としては豊かな感じがしないでもない。

    個人的には「樹形図またキタ!」って思った。あとは王羲之が雁の首をしなやかさに霊感を得て、筆の運びに取り入れたとか……あとはブルース・チャトウィンのソングラインとか。

    マスな社会的インパクトという視点を除けば、語るに足る対象や切り口は、いまだ溢れているなと再確認。

著者プロフィール

1948年イギリス・バークシャー州レディング生まれの人類学者。1976年にケンブリッジ大学で博士号を取得。1973年からヘルシンキ大学、マンチェスター大学を経て、1999年からアバディーン大学で教えている。
『ラインズ──線の文化史』(2014年、左右社)、『メイキング──人類学・考古学・芸術・建築』(2017年、左右社)、『ライフ・オブ・ラインズ──線の生態人類学』(2018年、フィルムアート社)、『人類学とは何か』(2020年、亜紀書房)、『生きていること』(2021年、左右社)などがある。

「2023年 『応答、しつづけよ。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ティム・インゴルドの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×