主夫になろうよ!

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著者 : 佐川光晴
  • 左右社 (2015年2月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865281187

主夫になろうよ!の感想・レビュー・書評

  • 家庭での仕事は、どちらかが負うのではなく、
    両方ができたほうがいい。
    掃除、洗濯、料理は、
    家族の健康、家族のシアワセにダイレクトに繋がる仕事。
    やるほどに頭も使い、感性も鋭くなり、技術も上がる。
    「自分が作ったもので、子供が大きくなる」
    これほどのやりがいはない。
    男性側の視線で主婦(主夫)の仕事を見直されると、
    ないがしろにされている、当たり前だと思われている家での仕事の多くが
    それこそ自分にしかできない、意味のある仕事なのだと分かる。
    「作家という職業だからできるんでしょ」と関係ないものと思わず
    自分だったらどう対応するか、と考えるところからはじまる。
    なんにしてもゴハンひとつも作れない人に、
    仕事がちゃんとできるとか思わないんだけどなー。

  • 佐川光晴さんは、大学生の頃志木駅の旭屋書店でバイトしてるときに知りました。確か、一度お店に来たときにお見かけしたこともあった気がする。
    「生活の設計」「縮んだ愛」とか好きだった。
    最近は全然読んでいなかったのだが、先々週の新聞書評欄で朱川湊人さんの「主夫トモロー」で触れたのでした。
    そこで初めて主夫であることも知りました。
    きっとバイトしてた頃、佐川さんも兼業主夫を始めたんだろうな。と思うと、ちょっと嬉しい。

    一番好きなエッセイは、次男くんが先祖について勉強してきて、興奮気味に「お父さんやお母さんがいるからぼくがいるんだね」と話してくれたのに対し、「君がいるからお父さんやお母さんもいるんだよ」と諭すお話。もちろん、小学2年生の次男くんにはすぐ理解できなかったけど、新たな真理を自分の力で理解した、というエピソードはどれだけ佐川が1人の人間としてお子さんと向き合っているのかよく分かる。

    大事にされた子どもは人にも優しくできる。私もそんな人間になりたい。

  • 理屈でなく現実に、子供を育て、掃除洗濯をし、料理をつくりながら、小説家として主夫を実践している佐川氏の、屈託なく、前向きで、すがすがしい実践を基にしたエッセイ。
    半面、主夫の生き方に感心するということは、女性で同じことを実践している人(主婦で仕事を持っている人)が現実には多いかもしれない現実を思うと、男性という性はまだまだなんだと実感する面もある。

  • 小説家でもあり、主夫でもある、兼業主夫を営む著者。

    ここ最近、女性の活躍に関する話題や育児世代を対象としたキュレーションサイトの増加から、「主夫」に関する記事や記述も多くみられるようになり、「主夫」本も多く発行されるようになっています。

    この著者もずいぶん前から「主夫」だったと思うのですが、たぶん、以前から主夫という存在もまた社会のマイノリティとして影を潜めていて、ようやく少しずつ表舞台に出られるようになってきた(需要が高まってきた)ということなのかもしれません。


    長年、主夫を営んでいるだけあって、佐川さんの言葉はどれも説得力のあるものになっています。
    主夫のお悩み相談室と題した最初のQ&A集は、これから主夫になる人、なりたての人にとって、とても心強いものになります。

    また、主夫コラムとして連載されていた「主夫のつぶやき」もまた、謙虚な語り口ながら、家庭のことをとても大切に思う気持ちが込められ、主夫としての「仕事」の面白さ・大切さを伝えています。

    日本のフェミニズムの大家、上野千鶴子氏は女性の家事労働の社会的評価の低さに対し、「人を生み、育て、そして老いたときに看取る」という最も尊ぶべき行為がなぜ、社会の最下層のものとして置かれなければならないのか、と問題提起をしています。

    「主夫」である自分を、周りの人や社会がどう評価するかは分かりません。
    でも、それはとても尊い仕事であり、自信をもって行ってよいものだと思います。

    それは、主夫であっても主婦であっても関係ないですね。

    家事や育児をこなし、日々の生活を営んでいるすべての人にお勧めしたい一冊です

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/article/416375024.html
    何冊もの本を出している作家だが、妻・息子二人の家庭の主夫でもある。
    炊事、洗濯、掃除のいっさいをひきうけ、小学校教諭の妻をサポートし、二人の息子の成長をみることを最大のよろこびとする。
    ひたすら自然体。このかたちが自分たち家族にとって、自然で、快適で、幸せだからそうしている。
    気負いも、てらいも、なんにもない。
    すがすがしいエッセイ。

  • これは楽しい!「牛を屠る」が面白かったので、タイトルにもひかれて読む気になった。肩肘張らない書き方で、すんなり読んでいける。「おれのおばさん」シリーズ作者による「主夫生活のすすめ」はとても具体的で、実践の中から出てくる言葉がしみじみあたたかい。

    小学校の先生である妻と二人の息子、四人家族の家事をほとんどすべてやってきたのだそうだ。時には同じ敷地内に住む奥さんのご両親にもごはんを持っていくという。その姿は、ほんとにありふれたごく普通の「主婦」と同じ。そこがいいなあと思う。

    「男のナントカ」的にあれこれ能書きを垂れるのでなく、家事を煩わしいものとして「合理化」のワザを語るのでもなく、「丁寧でエコな暮らし」を提案するのでもない。家族が機嫌良く暮らしていくために、必要なこととして家事をする。考え方として、また行動として、このシンプルさが基本にあるところが実に良いのだ。

    そしてまた、子育てについても、なるほどなあと思うことがいろいろ書かれている。世のフツーのおとうさん方と違って、子供に関わる時間が圧倒的に多い(PTAも長期休みの相手も担当)著者が、どういう思いで子育てをしてきたかが随所で出てくる。わたしが一番「そうだよね~~~」と思ったのは、「主夫のお悩み相談室」の次のところ。

    Q 子どもがぐうたらしてばかりで将来が不安です。どう言えばやる気を出すでしょう?
    A 可愛い子にはぐうたらさせよ! 嫌でもがんばらなくてはならないときは来ます。小学3、4年生ぐらいまでは、圧倒的にのんびりした時間を過ごさせよう。( 中略 )子どもの頃にたっぷり休み、学生のころは好きなことをしてさんざん親に心配かけた経験が、大人になって効いてきます。自分が親になったときに、「今度は自分が子どもの世話をする番だ」と受け入れることができる。

    いやほんと、わたしなんかまさにこれだなあ。何をするでもなくのんきに過ごしていた子どもの頃や、いっぱしにものを考えてるつもりで好き勝手してた学生時代。ああ恥ずかしいと思ってきたけれど、あれがあってこその今なのだと、なんだかとても胸に落ちるものがあったのでした。別のところの次のくだりにも深ーく共感した。

    「大人になってからつくづくおもうのは、子どものころは実にのん気にしていたということで、息子たちにもその気分を味わわせてやりたくて、わたしは日夜家事と仕事に奮闘しているのである」

    サラリと語られる経歴からも、真面目だけれど妙なこだわりのない著者の人となりが伝わってくる。この本のもとは北海道新聞での連載で、東京生まれの著者と北海道を固く結びつけたのが、北大恵迪尞での「組んずほぐれつの生活」らしい。恵迪尞を舞台にした小説もあるようなので、読んでみたい。

  • エッセイ。家族。主夫。北海道大学。牛屠。

  • 主夫になるには!主夫歴数十年の佐川氏によるハウツウ主夫。
    こんなふうに、さらり(見てくれや、自分の立ち位置にウロウロしない)とやっていける人でなければ、主夫は難しい。
    社会の制度だけでなく、本人や周りの意識改革のほうが必須なんだろうなあ。

  • 著者は「おれのおばさん」で坪田譲治文学賞を受賞した作家の佐川光晴さん。彼は小説家になるずっと前から主夫として家事や子育てをしており、本書は自身の主夫生活をエッセイです。

    「主夫のお悩み相談」が個人的には面白かったです。主夫がまだまだ珍しい日本での男性ながらの視点、子育てや家事に取り組む一人の親としての視点のどちらもあり。家庭生活を営んでいる人は誰が読んでも面白いのではないでしょうか。

    とても興味深い本でしたが、こういう話を本にできること自体が日本はまだまだ「夫は外で働き、妻は家で家事をする」(最近は夫婦どっちもが外で働き家事もするお家も増えていますが)がスタンダードだと思われているんだろうなと感じました。「珍しい」、「新しい」と思う人がいるから本になっているわけで。「昔の日本では主夫は世間から変な目で見られてたんだよ。ありえなくない?」と笑い話として語られらる日がいつか来るんですかね。

  • 奥さんが学校の先生で日々忙しくされてる。
    そして著者は、もちろん作家。そして主夫。
    こういう作家さんもいらっしゃるんだな~
    出来る方がやればいいのです。そしてそれを自然に出来るって凄い事。
    羨ましい夫婦です。
    面白くてサクサク読めました。

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