〆切本

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  • 左右社 (2016年8月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865281538

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〆切本の感想・レビュー・書評

  • 私は〆切に興味があった。なぜならば、常に〆切に苦しめられているし、一方では大量の文章を日々生産しているからである。

    もちろん私は作家ではない。しがない普通のブロガーに過ぎない。それでも、この12年間、だいたい800字から1600字ぐらいまでの駄文(原稿用紙2-4枚)を書き続けて、ネタが尽きた事がない。ブログ記入率はこの8年間75%で一定しているから、一週間に6ー5日は書いている事になる。そんな文章家ならば、この本の中の郷土大作家・内田百間の様に、〆切すぎて書けないで年越しをするようなことがなかったかというと、ほぼ毎月その苦しみを味わっていると告白する私がいる。

    私は素人ながら、地域サークルの会報を二ヶ月に一度つくり、地域労組機関紙の映画欄に連載を持っている。この二つが、常に〆切ギリギリか、〆切を越さないと完成しないのである。

    あの木下順二が、仕事にかかる前になんと「馬書」を読み込み、情報カードを生産し、それがおそらく万の数ほどつくっているというのを読んで、「あゝ同類がいる」と安心する。

    神様の手塚治虫の様子は、とても参考にはならないけれども、「遅筆堂」というあだ名を敬意を持って私も拝借している井上ひさし名人のエピソードは、私にはとっても癒しになる。今回のエピソードは、今まで読んだことのないものだった。少しメモする。

    ◯缶詰病の潜伏期間は次の等式で表される。(原稿用紙枚数の二乗×締切日までの残り日数×作物に対する患者の意気込み×原稿料或いは報酬)÷編集者の原稿取立ての巧拙。
    ◯発病症状は初期が躁状態。中期は、睡眠を貪る。その次は、放浪癖。◯◯の目を盗んで盛り場をうろつく、要らないものを買う、映画を観て回る。最終局面、自信喪失の極に達し「次号回しにしてください」「殺してください」という。この場合、編集者はその願いを聞き入れてはならない。なぜならば、この病は「とにかく書かなければ治らない」から。
    ◯井上名人は、末期症状の患者を缶詰状態にすると、奇妙なことに「ほとんどの患者が自力で立ち直る」と書いている。しかし、これは症状がまだ慢性化していなかった頃の文章だと思われる。患者(井上ひさし)はその後、大穴を何度も開けるからである。

    川本三郎が天使のような編集者のことを書いていれば、元編集者の高田宏が編集者泣かせのクズ作家について書いている。

    私には潜伏期間はない。私に編集者はいない代わりに報酬もゼロなので、ゼロ×全ての数字でゼロなのである。そして、なんの因果か、年に7回くらいは「完徹」をしても出来ないで〆切という「デッドライン」をやすやすと超えるのだ。

    2017年6月5日読了

  • 十人十色の言い訳集。装幀と、何よりテーマが今までになく独特で目を引きます。
    あの文豪もこの著者も、書けないと嘆き、投げやりになり、文学的な言い訳(!)をこぼしながら机に向かっていたんですね。そんな作家の先生方を相手に編集者側も、どうにか原稿を書いてもらうために時折嘆いているあたりが第三者的には笑ってしまいます(渦中には居たくない)。

    人間くさい、光るエピソードで溢れています。
    普段は見ることのできない舞台裏を覗かせてもらった気分。不思議と元気がもらえます。

  • 古今東西の文筆家たちが、エッセイや手紙その他で触れた、〆切にまつわるいろんなことをまとめた本。

    〆切に追われる苦しみ、書けないもどかしさ、自省、謝罪、ウソ、言い訳、開き直り、やけっぱち、ちょっとした快感、誇り…。
    さすが文章づくりのプロたちの記述ゆえ、赤裸々に面白くつづられています。くすっと笑ってしまうものも結構ありました。

    私たちがさらっと読み流してしまう小説や連載エッセイでも、裏側ではこんなことになっているのねと、少しホッとしたり、親近感を覚えたり。種類もレベルも違うけど、ちょっとした『〆切』に追われ、筆が進まない!と悩んだ日々を送ったことがある身には、こんな大作家がこんなことになるんだから、超凡人が苦しむのはしゃぁないわ、ちっぽけなもんや!と、妙な納得。

    興味深かったのは、そもそもゲイジツなのに、締切があることや、作家が頻繁(というより、ほとんどの場合)締切を守らないこと、編集者も締切が守られないのが前提になってきることについて、たいていの作家が『こんなのはおかしいんだ!』と思いながら、苦しんでいる様子が伺えること。

    書きたいから、表現したいから作家になったのに、〆切があるから無理やりひねり出さねばと苦悶
    →あるある。趣味で始めてるはずのアレ、練習が辛くて何度やめようと思うことか…練習日の前日くらいから鬱々してるし、本末顛倒じゃないかしらと、私も日頃、趣味の世界で苦悶中。

    売れない辛い時代に縁を切ろうと頑張った結果、ありがたくも売れっ子になり編集担当に追いかけられる身になって、極貧だったけれど自分のペースで書いていた、もはや戻れない下積み時代を懐かしがる
    →あるある。新しい職場に配属になり右も左もわからないとき、何をどうしていいかわからず妙にヒマで、『干されてるんちゃうか』『(ちょっとは使える人材ちゃうかと思っていたのに)実は私は役立たずでお荷物なんじゃないか』と不安にかられ、でもなんだか仕事がわんさか湧いて出てきたときは、あぁぁ〜何も分からずボーッとするしかなかったあの日々に戻りたいと思う…

    つまり、どんな業界でも(天才作家でも)、働くって、お給金を貰うって、大変なんだ、と、励ましてもらった次第。

  • 装幀で一目惚れし、名だたる文士、文豪に惹かれました。

    内容は一目惚れ以上に惚れ惚れするもの。
    〆切に対する言い訳、恨み節が、素晴らしい表現で
    美しい文章なんです!
    教科書に出てくる人たちが、課題提出期日に悩んでる
    学生以上に悩んで、悪あがきしてたんだと知ると
    親しみを感じます。

    そして〆切側の編集者も負けていません。
    作者と編集者の強い絆、お互い尊敬がなければ
    成り立たない世界なのだと思いました。

    急に出てくる論文には、あまりの唐突さと毛色の違いに
    思わず吹いてしまいました。
    とても素晴らしい内容で、学生時代に知っていれば、
    この論文を使って宿題提出しない言い訳ができたかもしれない。

    本が好きな人に、是非お勧めしたい一冊です。

  • 表紙から、発想にやられた!と思った。
    そして、読みたい欲に駆られる。

    作家のラインナップもさることながら、
    冒頭、白川静からか!ああ、もう負けました。

    「締め切り」というたった一日の約束事が、こんなにも多くのドラマを生み出すことの面白さ。
    ある者は高揚感に満ち溢れ、ある者はどこともなく徘徊を始め、ある者は哲学に入り始める。
    けれどまた、ああ、この作家は確かにこんな風に考えてそうだなぁという性格も垣間見えるから面白い。

    村上春樹が締め切りは(編集者の家族のためにも)守るという話にはなんだか大きく頷ける。
    反対に、川端康成が締め切り間際に半ばやけくそで書いた「禽獣」を、自身の代表作のように言われるのに不快を示すのは意外だった。

    作家を目指す者でなくとも、各々の持つ仕事には大体「締め切り」があると思う。
    冒頭では小学生の夏休みを例に挙げているけれど、まさに小学生からその魔の一日に抗いきれない生活をしている。

    「締め切り」が刻一刻と近づいてきた時の焦燥感と、それを過ぎたからってまぁ一日二日くらいはという我儘と、そんなものに私は縛られたくない!という開き直り。
    こうしたことの共感が切実に感じられ、癒される。
    そして、今日も締め切りを守ろうと心の中で呟ける一冊だった。

  • 古今の作家の〆切にまつわる文章を集めた本。
    笑って読むつもりだったのだけど、読んでいるとこちらもなにやら〆切に追われているような気分になってきて、無駄に部屋を片付けたり別の本を読んだりしながら読み終えた。
    ちなみに夏休みの宿題は、夏休み前に手を付けるけど「これでもう〇日分余裕出来た!」と思って遊びはじめ、気付くと8月が終わる、というパターンでした。
    いやしかし〆切がないとなんにもできない、というのは全くその通りだなあ、と思ったり。

  •  後世に名を残す作家先生方も、人間だったんだなあ。
     あらゆる作家の「締切」に関するエッセイをまとめた一冊です。書けない苦悩。編集者との決死の攻防。子供みたいな言い訳。あんな名作の裏には、こんなことがあったのか!と頬が緩みます。

     もしもわたしが作家ならと夢想する。仕事の依頼を受けてから、「まだ大丈夫」と思う。そして、近づく締切に恐れ、「もうこれ以上伸ばしたらまずい」というところまで来て初めて取り掛かる。締切日を原動力にする。こうしてなんとか書き上げるも、出来に納得できず、編集者に「一寸待ってくれまいか」と相談するんだろうねえ。締切の伸縮性に味をしめたら、きっと締切を伸ばすことが常態化するんだろうねえ。挙句、「小説や随筆の執筆依頼を引受けた時、私はこれまで締切り日を守らなかったことは一度もない。」と断言している吉村昭氏なんかを人非人扱いするんだろうなあ。そういうことをする作家がいるから締切が…云々かんぬん。ああ最低。今までの生き方から容易に想像できる。でも大丈夫。私は作家ではない。
     夏休みの宿題を最初の5日で仕上げてしまう吉村昭、原稿が遅れる作家に憤り、ペナルティを課すべきだと主張する森博嗣(そんなんゆうてもたら金輪際遅れられへんで?)のような人種に憧れる。なりたいと願ってなれるなら、いくらでも願う。小指くらいなら差し出してもいい。

  •  夏目漱石や横光利一、坂口安吾、谷崎潤一郎、志賀直哉などの戦前・戦後作家から内田康夫、吉本ばなな、村上春樹という現代で活躍する作家まで、〆切破りそうだごめんねなどの〆切にまつわる随想を収録していて、好きな作家のパートは面白く読んだ。
     現代作家で、まったく名前も聞いたことのない作家で、内容が単純に〆切前の生活記録みたいになっているやつは退屈に感じた。しかし、名前も知らない作家でもばりばり前向きに〆切に格闘していたり、あるいは現実逃避を決め込んでいたりでそれぞれに面白いものもあるので、人による。
     最後はやっぱり、作家の〆切に間に合わないどうしようという赤裸々な叫びが心に刺さった。

  • (2016/12/1取りやめ)
    西加奈子さんが入っていたので借りた本。
    夏目漱石や島崎藤村も収録されて、年代の幅がかなりある。旧仮名文字も使われて、言いまわしもその当時のままで、序盤を読んで私にはちょっと無理と感じたので、気になる作家さんのだけ読んで、やめました。
    文学が好きな人(読書がではなく)にはたまらないんだろうなぁ。
    ちなみに、私が読んだのは、
    序盤の、白川静、田山花袋、夏目漱石、島崎藤村、泉鏡花…ここで挫折
    ここからは、気になる作家さんで、
    江戸川乱歩、藤子不二雄A(漫画)、浅田次郎、泉麻人、吉本ばなな、西加奈子、手塚治虫、村上春樹


    (内容)
    作家としめきり、悶絶と歓喜の94篇!

  • 『一番面白いのは表紙』

    〆切本、私の好きな作家が一同に会していたので、珍しく単行本を購入。期待はずれと言うほどでもないけれど、アンソロジーにありがちの物足りなさというか、コレジャナイ感が否めない。とまぁ、ここで感想を終わりにしたらなんとなく私の理解が足りないだけではないか(実際8割は私の理解は足りてないのだけど)と思われそうなので、少しだけこの本がもっと面白くなる読み方を提案しておく。

    まず、このエッセイは〆切本とあるが、表紙や裏表紙にあるような〆切に切羽詰まって死にそうな作家の話ばかりではないと言うことを事前に知っておく。そして、前後のないエッセイの総まとめなので、起こっていることよりも作者が感じていることに着目して読む。そして、最後に一番大事なことは一気に読み進めないこと。

    一気に読み進めると、薄いカルピスを大量に飲まされているような気になってくる。人の全く異なった主観を大量に同時にインプットすると、一体誰がなにを考えて、どうなったのか全く理解できなくなってくる。で、結果なにが面白いのかわからなくなる。

    とここでふとこの本の編集者はいいなぁと思った。なんせ、オール引用本(私の認識が正しければ)だから、〆切を破った作家がいない。

    最後に個人的に思ったのは〆切はどこか美学の匂いがする。

  • 古今東西、さまざまな人気作家たちの〆切にまつわるエッセイをまとめたもの。
    さすがに最近は余り見なくなったが、学校の試験の前日なのに勉強が全く準備できておらず、絶望的な気分になるという夢を以前は(大学を卒業してからも)頻繁に見た。
    さてじゃあ実際はどうだったのかというと、準備していたときもあれば、ほとんどぶっつけ本番だったときもある。
    この本にも〆切に対する作家のさまざまなスタンスが書かれていて、村上春樹や森博嗣のように律儀に〆切を守る作家もいれば、〆切なんて破ってナンボと思っている人間も、そして〆切に間に合わず嘘をついたりなんだりと様々な策を弄するものたちの話が書かれている。
    仮に自分が作家になったとしたらどうなるだろうか。小心者の自分だから、律儀に守る気もするけれど、どうしても書けず嘘をついている自分の姿も目に浮かぶ。そんな妄想の捗る本だった。

  • 作家さんの〆切りは、サラリーマンやセールスマンの期限、納期に該当するかな、で、誰にでも身に覚えがあるもの。
    間に合わない、出来ないといった苦しみや言い訳なんかを
    文章にして残せるのは、作家さんならでは。

    『〆切本』は笑ったり、身につまされたり、共感したりできる楽しい本です。久しぶりに本を一気に読みましたよ。
    でも、本や文章は時とともに埋もれてしまいがち、よくこれだけバラエティに掘り出してきてくれたもの。
    胡桃沢耕史さんや車谷長吉さんの文章は、この本で出会わなければ、ずっと、読んでみることはなかったかも。今、車谷さんの本が読みたいなぁって思ってます。

    私のこの一篇をあげると、高田宏さんの「喧嘩 雑誌編集者の立場」です。ぜひ、読んでみて欲しいです。ちょっと背筋が伸びる思いがしました。
    この本をどう面白く読めるかは、読み手の抽斗の中味しだいです。本好きと自負する人にオススメします。

  • 「〆切本」 http://sayusha.com/catalog/books/p9784865281538c0095 … 読んだ。面白かったー。大文豪、売れっ子、漫画家、詩人、みんな期限に間に合わない。〆切に遅れるのが大家の証明らしいし、遅れれば遅れるほど、その原稿の価値は上がるらしい。かつ、BPOの概念がない。出版界終わってるなー(つづく

    遅れる作家と駆け引きしたい編集者。〆切に間に合わせる正当な行為は評価も感謝もされないなら、誰も〆切なんて守らないよなあ。本の作りが全体的にギャグになっていて楽しい。ページの最後の最後まで読んでびっくり笑。センスあるなあ。〆切とヤル気と出来に関する研究論文が一番面白かった(おわり

  • これはもう、デザインですよ。表紙・裏表紙等々、そこに並んだ魅惑的な言葉の数々。

    数多の文豪・作家たちとの〆切との闘い、編集者のジレンマ。

  • 大作家も締め切りに悩まされ言い訳したり苦しんだりしていたと思うと、身近に感じるし励まされる。逆に、きっちり締め切りを守る作家がたまに挟まってくるのも面白かった。守る派だと、村上春樹は作品からすると意外なほど堅実で、森博嗣はいかにもな合理的思考で出版業界を批判。自分の苦しみに寄り添うイーヨーの優しさを語る小川洋子さんのエッセイも素敵。もっとこういうアンソロジーを読みたい、と思うけれど、締切と同じくらい作家のドラマを生むテーマを考えるのはなかなか難しい。文学賞にまつわるあれこれを集めた「受賞本」とかどうでしょう。

  • 締め切りについては誰もがエピソードを持っている。なぜ締め切りがあるのか,それに関連する人物事を想像することが大切なんだなぁ。締め切りを守る事で自分を守る。外山滋比古氏の文章は自分の身につまされる。

  • たかが〆切、されど〆切。
    それは今も昔も老いも若きも、もれなく苦しめ翻弄する魔法の言葉。

    明治から現在に至る「書き手」達の〆切に纏わるエッセイ、手紙の数々。
    時に季節のせいにし時に生まれ月のせいにしながら、人や物に当たり散らし不毛な嘘をつかせ、原因不明の頭痛腹痛発熱をもたらす。
    あの著名な作家も「堪忍してくれ給へ、どうしても書けないんだ」と編集者にご丁寧な手紙を書く。
    そんな時間があれば原稿を書け!と軽くツッコミたいところだ。
    著名な文豪達が〆切に追われ七転八倒している様子は読んでいて微笑ましい。
    あの名作もこの名作も苦労に苦労を重ねて生まれたものなのだ!

    今日は奇しくもうちの娘達の夏休み最終日=夏休みの宿題の〆切日。
    今年も何とか乗り切った、と安堵しながら今晩眠りにつきたいものである。

  • 子供の頃、漫画雑誌を読んでいると時々「作者急病の為、○○は
    休載しました」なんて書いてあるページがあった。好きな漫画家
    だと作品の続きが読みたいばかりに、作者の病気快癒を願った。

    長じてそれは急病でもなんでもなく、原稿が締め切りに間に合わない
    時の決まり文句だと知った。

    そして、なんだかんだがあって編集者になった。そうしたら、自分が
    締め切りに追われる身になった。

    文芸誌や作家担当の編集者ではなかったので、相手の原稿の上がり
    をじりじりして待つ体験はないのだが、原稿を書いている背後で印刷
    所の担当者が待っているとの状況は多々体験した。

    本書は締め切りと格闘(?)する、明治から現代までの作者の日記
    やエッセイ、手紙などをまとめた作品だ。時代や執筆方法が変わろう
    とも、締め切りに苦しめられる状況には変化がないんだねぇ。

    いや、勿論、きちんと締め切りを守る作者の作品もあるんだ。森博嗣氏
    の「締切に間に合ったら、一割多く原稿料を払う、遅れたら、原稿料を
    減額する、という契約にしたらどうですか?」との提案は最もなんだ。

    森氏も書いているのだが、編集者は楽して取った原稿より、苦労して
    得た原稿の方を有難がるんだよね。これ、出版業界の病理だと思うわ。

    収録作品のなかにはいくつか「え、締め切りテーマでこの作品?」と感じ
    たところもあるが、全体としてはそこそこに面白かった。

    でもね、途中で紙質が変わっていると読みにくいの。特に同じ作者の
    作品のなかで変わってしまうと、文字を追うのに戸惑うの。これは読ん
    でいる私が老眼のせいもあるんだけどね。

    遠くに聞こえていたと思っていた足音が、急に背後で聞こえるようになる。
    そして、気がつくと背後にピタッと張り付いている。奴の名は「〆切」。
    編集者家業が開店休業なので、今は追いかけられることも、張り付かれ
    ることもなくなったけど。いなきゃいないで、ちょっと寂しいかも。

  • アメトーークで見て気になってたもの。〆切について様々な視点からのエッセイ・手紙等アンソロジー。元気が出る。
    付属のしおりもイカす。

  • 〆切があり、そこにそれぞれのドラマ(?)があったからこそ作品が生まれたのだなあと思うと、〆切はなければならないものなんだなと再認識。

    笑えるものから身につまされるものまであるが、開き直った言い訳などは笑いながらも編集者は大変だな…と妙に同情してしまった。

  • 小説家も普通の人間なんだな、とつくづく思う。
    〆切がなかったら名作はもっと少なかったかも?

  • あの人も、この人も。有名なお名前ズラリ。
    ”作家”があぶりだされていく・・・〆切りによって。
    そのひとの生活や書く意義や生き方までも。人生も。
    千差万別、色とりどりだ。
    途中でさしはさまれる色付きページはなんだろう。
    味わいかな。
    表紙や見開きに配置された文章を読んでいるだけでもおかしみがわいてくる。
    第4章だったかの、論文がとっても面白かった。
    遠い未来へのモチベーションと楽観的な考え方。
    参考文献もぜひ読んでみたい。
    また新しい扉が開けそうだ。

  • 作家・漫画家90人による〆切にまつわる話。書けなくて弁解ばかりしてるのかといえばそうでもなくて、各々の〆切考や〆切論など、エッセイや書簡など。第5章の小川洋子氏や米原万里氏のエッセイは大好きだなぁ。通常なら最後にある「発刊のことば」も谷崎のお詫びでシャレが利いてる

  • スイッチがすぐに入る人となかなか入らない人がいる。すぐに入ったからといってそれが素晴らしいものになるかはわからない。子どもの頃の夏休みの宿題をしているように感じる。
    編集者の苦労、書くほうの苦労。どちらも大変。

  • 各作家の〆切にまつわる文章や漫画が、ひたすら並べられている。最後に作家の簡単な紹介などがまとめて載っているが、各文章の近くにそれぞれ配置してほしかった。

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