天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック

著者 :
制作 : 佐藤文香 
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本棚登録 : 151
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865281804

作品紹介・あらすじ

1968年以降に生まれた、いま最もイケてる作家による現代俳句アンソロジー!

自身も気鋭の若手俳人である佐藤文香が撰者となり、【おもしろい】【かっこいい】【かわいい】の章ごとに18人ずつ計54人の作品から選句。頼れる俳句の先輩・上田信治、小川軽舟、山田耕司と対談した「読み解き実況」も掲載しています。

季語があって5・7・5なのに、なんでこんなに自由なの? 季語がなくて5・7・5じゃないのに、こんなになんで俳句なの?

すごい、これが今の俳句か!

若々しく伸びやかで、花鳥諷詠にとどまらない題材のバリエーションをもち、切なかったり笑えたり、俳句に詳しくない人でも楽しめる新しい俳句を、結社の枠をこえて集めてみました。初めて俳句に触れる人も、すでに俳句に親しんでいる人も、ぜひ、本書のなかから好きな作品を探してみてください。

(掲載作家)

【おもしろい】
福田若之/生駒大祐/北大路翼/阪西敦子/鴇田智哉/高山れおな/小津夜景/相沢文子/宮本佳世乃/小川春休/西山ゆりこ/トオイダイスケ/小川楓子/野口る理/中山奈々/村越敦/黒岩徳将/宮﨑莉々香

【かっこいい】
堀下翔/藤田哲史/藤井あかり/髙柳克弘/村上鞆彦/榮猿丸/五島高資/九堂夜想/田中亜美/中村安伸/曾根毅/堀本裕樹/岡田一実/十亀わら/鎌田俊/矢口晃/三村凌霄/大塚凱

【かわいい】
小野あらた/外山一機/西村麒麟/田島健一/関悦史/津川絵理子/日隈恵里/長嶋有/矢野玲奈/髙勢祥子/津久井健之/澤田和弥/南十二国/佐藤智子/神野紗希/越智友亮/今泉礼奈/山岸冬草

感想・レビュー・書評

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  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000247820

  • たまに読んではしまって、また読みたくなって読んではしまって。私にとってこの本はそういう本です。
    現代を生きる俳人の代表句が載っています。
    こういう俳句もいいんだ!と新しい発見をさせられる楽しさがあります!

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB24455731

  • 誰かの句集を読んでみたいなと思ったときにまず手に取った本。
    推し俳句作家さんを見つけました。

  • 単純に掲載句の文字が小さくて読みにくいので-1
    現代俳句が概観できるのは素晴らしい

  • 現代俳句アンソロジー。銀色のカバーが美しく本棚の見えるところに置いておきたくなる本。

    言葉は無意味な形や音として組み合わせることもできる。しかしそこにぎりぎり意味を見出せてしまう。
    日々の無意味な出来事も俳句の形式では芸術にしていい。写真家でいえば川内倫子や梅佳代を思い出す句や『反逆する風景』的なはっとする瞬間をとらえた句が好みだな。

    俳句も写真も生活全てをネタにできる良い趣味だ

    形式といえば、スーザン・ソンタグの『反解釈』(ちくま学芸文庫)の話を思い出す。芸術の内容やテーマではなく形式についての批評が大切という話だったと記憶している。ユーミンとミーシャ、ミスチルとスピッツの違いは内容というより形式の違いでみんなそれを無意識にわかっている。形式があるから型破りもある。形式を発明してしまえば第一人者だ。

    俳句は十七文字で表現しようというのだから、かなりストイックな形式を持っている。最小限だからこそ刺さる。写真と同じように。


    以下、気に入った俳句を作家1人一句ずつ。

    ヒヤシンスしあわせがどうしても要る 福田若之

    天の川星踏み鳴らしつつ渡る 生駒大祐

    簡単に口説ける共同募金の子 北大路翼

    枝分けて来たる光は秋の海 阪西敦子

    鳥が目をひらき桜を食べてゐる 鴇田智哉

    手のばせば腋かがやきぬ鳥の恋 高山れおな

    ともだちの流れてこないプールかな 宮本佳世乃

    サングラス取り糠床へ膝まづく 西山ゆりこ

    夏めくやバンド名バスドラムに書く トオイダイスケ

    跳びあがることなくスケート終へてお茶 野口る理

    ピザカッター皿をはみ出し春の野へ 村越敦

    きつつきや缶のかたちのコンビーフ 藤田哲史

    剥製のにほふ一間や滝の音 高柳克弘

    鶺鴒がとぶぱつと白ぱつと白 村上鞆彦

    ガーベラ挿すコロナビールの空壜に 榮猿丸

    死がふたつ稲穂は光りあうてゐる 十亀わら

    春の昼パスタ一口貰ひけり 小野あらた

    うれしい脱走柿の切株から見てゐる 外山一機

    セクシーに投票箱は冷えてゐる 関悦史

    くちばしの一撃ふかき熟柿かな 津川絵理子

    「ちょうど良い木の棒」と思う冬の棒 長嶋有

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著者プロフィール

一九八五年兵庫県生まれ。俳人。句集に『海藻標本』、『君に目があり見開かれ』、『菊は雪』、『こゑは消えるのに』。詩集に『渡す手』。編著に『俳句を遊べ!』、『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』など。恋愛掌編集『そんなことよりキスだった』。書店イベントや書籍の企画協力など、日本語詩に関する活動を幅広く行っている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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