幻滅 〔外国人社会学者が見た戦後日本70年〕

  • 藤原書店
3.09
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865780000

作品紹介・あらすじ

右傾化を憂う「知日家」社会学者が見た日本。
戦後まもなく来日し、「知日家」社会学者として邦訳された著書も多い著者が、戦後七十年を経た今の日本をどう見るか。依然としてどこよりも暮らしやすい国、しかし中国、韓国ほかの近隣諸国と軋轢を増す現在の政治、政策には違和感しか感じない国、日本。一外国人だからこそ言える、これからの日本人への痛烈なメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 「え?そこに幻滅したの?」ぐらい、なにかサプライズポイントがあるかと思いきや、意外と感じてるポイントは大衆と同じ。しかしこの著者は大事なことを分かっていない。ナショナリズムとポピュリズムは紙一重であるということを。アメリカ型だとか、傾倒しているとか、いくら言われようとも、国民のために、国家存続のために、必要とあらば批判を承知で政策を断行する。それが政治家のあるべき姿。どんなに優秀な官僚であろうとも、腐敗すれば性根を叩き直す。当たり前の処置。著者は日本的目線で見ることは出来ても、日本人的目線で見ることはできなかったようだ。EU離脱を国民投票に委ねた英国の在り方を逆の立場で見れば、この意味がよく理解できるはず。

  • 多くの人々が今日感じている日本の社会・政治にに対する懸念を、著者が長年日本研究の知見・経験を活かして改めて明解に指摘してくれた。

  • ふむ

  • 歴史

  • 日本の今を憂い。
    どうなるかを見守ってきた著者の長年の視点。

  • 題名が「幻滅」とあるだけに、随所に皮肉が込められていました。”序にかえて”にあるように著者が日本に幻滅した要因は、政治経済についての常識の変化、共生・妥協・和を是とする社会から利益追求の競争社会への移行、平和主義から自国存在感の主張、それと文学の世界としています。私が興味をもったのは、1960年から富裕層の息子や官庁、大企業の新人たちがアメリカへMBAや経済学・政治学の修士・博士号を取得し、彼らが80年代に課長・局長レベルになり、日本社会のアメリカ化に貢献したということでした。正しく日米同盟の深化です。

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著者プロフィール

ロナルド・フィリップ・ドーア(Ronald Philip Dore)
1925年2月1日 - 2018年11月13日
イングランド南部ボーンマス生まれ、イギリスの社会学者。ロンドン大学名誉教授。専攻は日本の経済および社会構造、資本主義の比較研究で、日本の労使研究で著名な研究者。
1947年、ロンドン大学を卒業。現代日本語を専攻していた。1950年に東京大学に留学。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院卒業後、サセックス大学、MITなどを歴任した。
主な代表作に、『働くということ』『金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱』『誰のための会社にするか』『学歴社会』『幻滅』『日本型資本主義と市場主義の衝突』など。

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