時代区分は本当に必要か? 〔連続性と不連続性を再考する〕

  • 33人登録
  • 3.75評価
    • (0)
    • (3)
    • (1)
    • (0)
    • (0)
  • 1レビュー
制作 : Jacques Le Goff  菅沼 潤 
  • 藤原書店 (2016年7月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865780796

時代区分は本当に必要か? 〔連続性と不連続性を再考する〕の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 時代区分は本当に必要か

    西洋中世史の大家である、ジャック・ル・ゴフの作品である。歴史を語る上で、時代区分というものはやはり、便宜的なものにすぎない。そういった意味で、現在の時代区分というものには、十分に疑問の余地がある。筆者が主に疑問を提示するのは、中世と近代の間、いわゆるルネサンスの革新性である。たしかに、ルネサンス期は一つの転換期とみなすことが出来るが、12世紀ルネサンスや商業革命の起こりと比較した際に、そこまで大きな転換とは言えないのではないか。それに、領邦国家化が進んでいくのも13世紀頃であり、ルネサンスを新時代への幕開けとした時代区分には、やはりルネサンス期に人々の政治的な思惑(中世をさげすむことで、自分の時代を上位とみなす)があると考えうる。そもそも、当時の人に時代の解釈としては、末法思想のように、キリストから遠ざかるにつれて、闇の時代に入っていくというものであった。それを、いわゆる進歩主義的な、上向きのベクトルに転換させたのは18世紀あたりの新旧論争であり、人々の心性から見ても、ルネサンス期に大きな転換は見られない。上記のことを踏まえ、筆者は、産業革命期までの間を「長い中世」として提示し、時代区分に対してあらたな見方を提供する。
    全体として、とても面白い本であった。ル・ゴフの作品はまた読みたい。

全1件中 1 - 1件を表示

ジャックル=ゴフの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アンソニー・B・...
トマ・ピケティ
ミシェル ウエル...
有効な右矢印 無効な右矢印

時代区分は本当に必要か? 〔連続性と不連続性を再考する〕を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

時代区分は本当に必要か? 〔連続性と不連続性を再考する〕を本棚に「積読」で登録しているひと

時代区分は本当に必要か? 〔連続性と不連続性を再考する〕の作品紹介

人間の歴史認識において「時代区分」はいかなる意味を持つのか?
我々の歴史認識を強く束縛する「時代」という枠組みは、いかなる前提を潜ませているのか。
アナール派中世史の泰斗が、「闇の時代=中世」から「光の時代=ルネッサンス」へ、という史観の発生を跡付け、「過去からの進歩」「過去からの断絶」を過剰に背負わされた「時代」概念の再検討を迫る。
-----

はじめに
序 論
古い時代区分
中世の出現
歴史、教育、時代
ルネッサンスの誕生
今日から見たルネッサンス
中世は「闇の時代」か
長い中世
おわりに

  謝辞
  参考文献一覧
  訳者あとがき
  人名索引

時代区分は本当に必要か? 〔連続性と不連続性を再考する〕はこんな本です

ツイートする