くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし

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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866420028

作品紹介・あらすじ

女の子になりたいとずっと悩んでいたテディベアのトーマス。
それを打ち明けたら、大好きなエロールはもう友だちじゃなくなってしまうだろうか…。
本当の自分を打ち明ける勇気を持ったテディベアと、
そしてそれを知らされた親友のエロールの返事は……。

「大事なのはきみがぼくの友だちだってことさ」

ジェンダーと友情についてのやさしいお話。

作者のジェシカ・ウォルトンの父は男性から女性に性別移行したトランスジェンダーだった。ジェシカは、自分の息子エロールに読んで聞かせるトランスジェンダーをテーマにした絵本を作りたいと思ったことがきっかけで、自分でこの絵本を制作した。

本文は、すべてひらがなとカタカナ。幼い読者がひとりでも読める絵本です。

感想・レビュー・書評

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  • 『くまのトーマスはおんなのこ 
         ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし』

    タイトルがすべて。
    ジェンダーの話って、小学校低学年にはわかりにくいかもしれない。
    でももしかしたら、幼いうちから自分は他人と違うと悩んでいる子もいるのかもしれない。
    じゃあどうやって伝えたらいいのかな?

    その答えが、この本には詰まっているのだと思いました。


    くまのトーマスはエロールの親友。
    ある日、エロールとトーマスが遊んでいると、どうもトーマスの元気がない。
    話を聞くと、トーマスは「話すとエロールは自分を嫌いになってしまうかもしれない」と言います。
    トーマスが言うには、トーマスは実は男の子ではなく女の子のクマで、名前も女の子のものに変えたいのだそう。
    そんなトーマスにエロールは、「なんだそんなこと。きみが男の子か女の子かなんて大した問題じゃない。大切なのは、きみがぼくの友だちだってことさ」と答えます。
    そしてトーマスは名前をティリーに変え、他の友だちも招いてみんなで遊ぶことにします。


    ジェンダーやLGBTって難しい問題だけれど(その認識が既に違うのかもしれないけれど…)、結局は個性の問題なのだと思う。個性を認めることができる世の中ならば、ジェンダーの問題やLGBTについて悩む人も減るのかもしれない。

    エロールのトーマスへの言葉が本当にすてき。
    その人が好きってことは、その人の性別には拠らないんだ。
    同じく、国籍や人種や肌の色や出自にも拠らないのだろう。
    個性を認めるって、本当に大切なことで、でも本当に難しいことでもあるのだと思う。
    人は、自分と違う人を無意識で排除してしまうから…。

    トーマスとエロールの友人の女の子は、女の子だけどロボットを作るのが趣味。
    リボンは動くのに邪魔だから取ってしまおうと、サバサバした女の子だ。
    「女の子なのに、ロボットを作るのが趣味。」
    これって、女の子への偏見?
    ジェンダーが性格や好みに及ぼす影響も確かにあって、女性はこういう仕事が得意とか、男性はこういったことが苦手とか、確かにそういった傾向はあるので、なんでも差別!偏見!という必要もないとは思うけれど、マイノリティーの人は、マジョリティーが思う以上に、そういった決めつけの言葉や思想に傷つけられているのかもしれないなぁと思いました。自分でも気づかぬうちにそういった発言をしていることが多々あるので、これからのご時世特に、時代に取り残されていかないよう、自分自身が気をつけなければいけないなぁと思ったのです。
    というのも、すべてを個性、自由という風潮で育ってきてはいないので、やはりふとした時にそういった前時代的なものが出てしまうと感じたから。


    ちなみに、3年生に読み聞かせをしたのですが、「クマなのに性別…?」と戸惑っていた模様。
    その戸惑いはなんとなく理解できた…。
    が、作品として、トーマスがクマとして描かれているのもなんとなくわかるし…。

  • エロールと くまの トーマスは
    まいにち いっしょに あそぶ ともだち。

    ある てんきの よいひ。

    エロールは トーマスを こうえんに さそいますが、
    トーマスは げんきが ありません。

    「どうしたのさ、トーマス
     はなして ごらんよ」

    「はなしたら
     きみとは もう ともだちじゃ
     なくなって しまうかも しれないよ」

    「トーマス、ぼくは いつだって きみの ともだちだよ!」

    トーマスは、じぶんが おんなのこの くまだって いいました。

    「わたしは じぶんらしく いたいの」

      ・

      ・

      ・

    トランスジェンダーの子の悩みと、そんな友だちとどうつきあったらよいか、やさしく、あたたかく教えてくれる絵本

    筆者のウォルトンはトランスジェンダーの父を持つバイセクシャル
    彼女が新しく迎えた18か月の息子エロールに家族の多様なあり方を伝える絵本が欲しいと、自ら創作し、クラウドファンディングで資金を集めて出版した作品

    原題は“Introducing TEDDY”
    2026年5月刊、アメリカの絵本

    邦訳は2016年12月刊
    「ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし」という副題がついて

    トーマスのカミングアウトを聞いたエロールのことばがいい

    「ぼくは きに しないよ。
     きみが おんなのこでも おとこのこでも。
     だいじなのは きみが ぼくの ともだちってことさ」

    そんな社会を実現するために、おさない子とその親に読んでほしい一冊

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/683324

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00287118

  • 子供への読み聞かせ用に購入。この本はどちらかと言うと当事者用ではなく、当事者が近くにいるお友達用の絵本な印象。最初と最後が良い。当事者の望むものって結局そうゆう事。3歳になる娘はどこまで理解しているのかわからないけど、何か思う所があるのか、5回連続で読んでと言われた事も。

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→
    https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11367008

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00608333

    女の子になりたいとずっと悩んでいたテディベアのトーマス。
    それを打ち明けたら、大好きなエロールはもう友だちじゃなくなってしまうだろうか…。
    本当の自分を打ち明ける勇気を持ったテディベアと、
    そしてそれを知らされた親友のエロールの返事は……。

    「大事なのはきみがぼくの友だちだってことさ」

    ジェンダーと友情についてのやさしいお話。

    作者のジェシカ・ウォルトンの父は男性から女性に性別移行したトランスジェンダーだった。ジェシカは、自分の息子エロールに読んで聞かせるトランスジェンダーをテーマにした絵本を作りたいと思ったことがきっかけで、自分でこの絵本を制作した。

    本文は、すべてひらがなとカタカナ。幼い読者がひとりでも読める絵本です。(出版社HPより)

  • 多様性の現代。いい時代になったな
    この絵本を読む世代が大人になるころ、環境が柔軟になっているといいなと思います。

    ペンギンのほうも欲しいんだけど中古で探すしかないっぽいな、、

  • エロールとくま(ぬいぐるみ)のトーマスは毎日いっしょに遊ぶ友達。でもある日、トーマスの元気がないのに気がついたエロールはトーマスに訳を聞きます。
    トーマスは言い渋ったけれど、心のうちを話します。
    実は自分は男の子じゃなくて、女の子のくまだと。名前もティリーがいい。
    エロールはトーマスの告白を聞いても、トーマスが男の子でも女の子でもいい。大事なのは君が友達だということさと言う。
    トーマスはティリーとなり、蝶ネクタイをリボンにかえて、好きなようにするのがいいと気がつく。

    LGBTの絵本。

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著者プロフィール

ジェシカ・ウォルトンは妻と息子と猫たちと、オーストラリアのメルボルンに住んでいます。
ジェシカの父は、男性に生まれ、その後女性に性別移行しました。
そのことがきっかけで、ジェシカはこの絵本を作ることを思い立ちました。
自分の小さな息子に読んで聞かせる、
トランスジェンダー(身体的な性別と性自認が一致しない人)をテーマにした絵本が
ほしかったのです。
ジェシカは元教師で、趣味は文学、ボードゲーム、ウクレレ演奏、
そして自分の義足を飾り立てること(いまは緑竜の鱗が描かれている)。
この絵本は彼女の第一作です。
子どもたちと「gender identity(ジェンダー・アイデンティティ/性自認)」について話すときには、以下のサイトをごらんください。
www.jessicawalton.com.au

「2016年 『くまのトーマスはおんなのこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジェシカ・ウォルトンの作品

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