- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870257122
感想・レビュー・書評
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ノベライズ作品は大抵クオリティの低い子供騙しであるという偏見を私は持っています。幼いころにそういった粗製品に連続してあたってしまったからです。けれどもこの作品は違う。「ノベライズ」としても「小説」としても十分成立しています。
はじまりの船が錨を下ろしたビスタの港からサンタローズ村、ビアンカの暮らすアルパカとその北方に位置するレヌール城……そういった原作ゲームのマップでは比較的限られた範囲に記号的に配された景色とそれらを潜り抜けていく冒険のすじみちが、きちんと小説のならわし通りに「翻訳」されて、確かな立体感、距離感、におい、触り心地を自然にもたらしてくれます。
中でもリュカの2歳年上の少女ビアンカの描写は(まるで後に追加された新キャラ・デボラみたいだ……)と思うぐらいグイグイ来るものでしたが、不自然さや違和感を感じるどころか、彼女の母親のありようを含めて深く納得させられてしまいます。そこには確かに王道的なボーイミーツガールがあり、確かにドラゴンクエストVだという実感がある。この章を通じて、リュカは彼女と甘酸っぱい時間を過ごすにとどまらず、それどころか、彼女の逞しさと勇気とやさしさを、子どもながらの切実な挑戦を共にする間に身に焼きつけていたのだと改めて思えたし味わえました。これはもしかすると、ゲームをクリアして大人にもなってしまった今、原作をプレイし直したとしても得られなかった味わいだったかもしれません。その意味で、大変価値のある読書体験でした。
ドラゴンクエストVの冒険を、世界を、より愛おしく大切に感じられるようになる作品だと思います。既にファン必読の誉れ高さは「リュカ」という名の定着に見られる通りあちこちで知られていますが、私からもおすすめします。子どもの頃、あなたがこの冒険に打ち込んでいた時、本当は何を感じていたのかを思い出せるかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて買ったドラクエ小説。5からドラクエに入った私は、かなり感銘を受けた。主人公らのエピソードはもとより、魔物たちの生い立ち、特にスラリンやスミス、ピエールの過去話などは、その後のゲームプレイ時、感情移入を増すのに十分なものだった。読了後かなり経つが、時間があればまた読み直したい作品。
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はじめて読んだドラクエ小説。久美沙織先生の世界観のとりこになった一作。いのまたむつみさんの可愛らしいキャラクターの挿絵にもほれぼれしました。
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正直、あんまり覚えていない。
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なんでハードカバー版処分しちゃったんだろおおおお(ハードカバー挿絵・いのまたむつみさん)手元には新書版しかない
いのまたさんの描いたポワンさま、未だに覚えてる…あれは美しかった…
ゲームのノベライズでこれ以上のものはないのでは -
全3巻。久美ワールド、大好きです。
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ドラクエ5