- Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870258587
感想・レビュー・書評
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初版1996年、Amazonでは1万5千円の値がついている。もう25年も前の本なのだが、開発秘話ストーリーは今もって新鮮だ!
著者は「ポケモン、ゲームボーイ版」を初めて世に送り出した人。TVゲーム(アーケードやゲームボーイのような専用機を含む)の「面白さ」を言語化する試みが本書のテーマ。
言及されるゲームをプレイしたことのない人には、体感的な納得感は薄れるだろうが、ゲーム開発の背後にある、創意工夫様々は、某「プロジェクトなんちゃら」番組に勝るとも劣らぬ内容。
以下、ツボにハマった箇所を幾つか。
(スーパーファミコンの)カートリッジにスーパーFXチップが搭載される以前…★当時は知らなかったけどハードの性能不足を補うためにソフト、といってもカートリッジだからソフト入りハードなわけだが、にチップを積むって発想、今聞いても斬新だな!
ファミコンでもグラフィックは52色しか出なくて…★いちおう平成の話だよ!w
テレビゲームを作るには、時間がかかるので(…)僕自身、『クインティ』で3年、『ポケットモンスター』で6年かかっています。その間、鬼のように作りまくっていたわけでもなく、やっぱりムラがあって、あまり手につかない時も、がむしゃらにやってる時期もあって、どうにか完成します。★6年!小学校入った子が中学やね
(なつかしのスペースインベーダーで最後に残った動きの早いやつは)画面の右から左に移動する時よりも、左から右に移動するときのほうが速い…★こと自体をしらなかったが、それがハードウェア性能の制約によるものだったとは!
★テトリスのブロックはなぜ4つなのか? 3個でも5個でも、偏り度合いが増えすぎ、プレイヤーの戦略選択の余地が小さくなる。4個が、最もプレイヤーの技量により左右する割合が大きくなる。
「#新ゲームデザイン」(エニックス、田尻智著)
Day187
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1996年刊。ゲーム界でポリゴンがヒットした数年後に書かれた本。誠実な本。
【引用メモ】
人がアクションをしようと思った時に、そこの最短ルートをどのように引いてあげようかという気配りのプロセスがインターフェースデザインの肝です。そして、その時のキーワードは、慣習と、効率です。(p.48)
面白いゲームは再挑戦性が高いですが、再挑戦性とは、1度失敗したところを失敗しないと思えるかどうかです。ゲームの法則が理屈に沿っていれば、例えミスをしても、1度踏んだわだちを2度と踏まないと思えるはずなのです。(p.43) -
すばらしい本。ゲームの話だけどユーザに向けてモノを作る人に響く内容だと思う。
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ポケモンを創った男、田尻智さんのゲームに対する考え方が前面に出た一冊。
ゲームを体系的に整理しており、これは経験と知識の賜物だと感じました。
「作品の背景を考える」のはぜひ実践していきたいところ。 -
Mr.ポケモンが書いたことだけに説得力はある。一方、本当に元ライターかと疑わしく思うほど文章は読みづらい。一応章ごとにテーマもあるが脱線も多く、ゲームデザインの教科書と呼ぶには整理が足りない感じ。
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ポケットモンスターをこの世に生み出した、天才ゲームデザイナー:田尻智さんの著書。ゲームの本質的な面白さについて、深い洞察に基づいて書かれている。ゲームについての本だが、ゲーム以外にも役立つ視点が満載。名著です。また読み直してみよう。
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9月23日読了。96年の本だが、古いもののほうが帰って物事の本質を突いているということはよくあること。ポケモンのゲームデザイナーとして有名な著者は「ヨッシーのたまご」「マリオとワリオ」などの、ゲーム的な手触り(?)のあるゲームも手がけていたのだね。「何となく、面白いな」と感じたことを何故?と突き詰めなければ、結局のところ何も新しいものを生み出すことはできないのだろう。それができることは才能、も大きいのだろうけれど日常における不断の努力がそれを可能にするものなのだろうな。