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- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870313217
感想・レビュー・書評
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ビジネスマンの海外赴任などを題材にした小説を集めている。城山三郎にしてはいまいち盛り上がらなかった。
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城山三郎と云うと、有名人を描いた作品が好きです。
苦節を乗り越え、大志を遂げる姿は読後に達成感と充実感があります。
ところが本著の作品群は無名人なばかりか、誰も成功しません。
社長の座を辞退する男。ガツガツしないのが彼の美学でした。
しかし娘からも後輩からも”あなたは意思を強く出せない人”と批判されて終わります。
銀行の責任を負い、これも仕事と割り切って海外逃亡する男。
親友から”会社はお前が戻って来ないことを望んでいる”と気付かされ日本に戻ろうとしますが、香港まで戻るのが精一杯の会社人間。
流石に小説らしい役柄ですが立志伝ではなく、
テーマは成功できなかった男達の”愚痴”です。
星新一は「常識を知らない人間に、非常識な作品は描けない」と言っています。
城山三郎は、無名の男達の忍耐、惨めさ、意地を知っているから、有名人の立志伝を描けるのだろうと思いました。
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