イ-スト・リバ-の蟹

著者 :
  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 16
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870313217

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスマンの海外赴任などを題材にした小説を集めている。城山三郎にしてはいまいち盛り上がらなかった。

  • 城山三郎と云うと、有名人を描いた作品が好きです。
    苦節を乗り越え、大志を遂げる姿は読後に達成感と充実感があります。
    ところが本著の作品群は無名人なばかりか、誰も成功しません。

    社長の座を辞退する男。ガツガツしないのが彼の美学でした。
    しかし娘からも後輩からも”あなたは意思を強く出せない人”と批判されて終わります。

    銀行の責任を負い、これも仕事と割り切って海外逃亡する男。
    親友から”会社はお前が戻って来ないことを望んでいる”と気付かされ日本に戻ろうとしますが、香港まで戻るのが精一杯の会社人間。

    流石に小説らしい役柄ですが立志伝ではなく、
    テーマは成功できなかった男達の”愚痴”です。

    星新一は「常識を知らない人間に、非常識な作品は描けない」と言っています。

    城山三郎は、無名の男達の忍耐、惨めさ、意地を知っているから、有名人の立志伝を描けるのだろうと思いました。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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