国家と戦争―徹底討議

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  • 飛鳥新社 (1999年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870313712

国家と戦争―徹底討議の感想・レビュー・書評

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  • また読み返そうと思う

  • 戦後の日本では、「戦前の日本の軍国主義から民主主義に変えたのだ」と教えられてきた。つまりアメリカ式になったと思いこまされてきた。しかしこれは反対。アメリカは日本をアメリカと反対の国にしようとした言う占領政策をした。愛国心とか、国の伝統への尊敬というアメリカ人の価値を日本人から抜こうとした。そしてさらにアメリカでは絶対不可能な財閥解体や農地解放などやらせた。日本に対するアメリカの占領政策は、日本をアメリカのような国にすることでなく、アメリカと反対の国にしようとする政策だったことにみんな気づくべき。


    それにしても今の日本は、「自分の国を守る」という意識が希薄すぎる。もちろんアメリカのように人工的な理念のもとに建国した国と、能動的意識を必要としないまま長い年月をかけて自然に国が形成された日本とでは与件が異なるから、一概には言えない面もある。
    それを可能にしたのは日本を囲む海洋の存在だが、近代以降は兵器の発達で、それはほとんど作用しなくなっている。ということは、国家としての基本的な構えとして、時と場合によっては戦うという気概を持つことがやはり必要。


    靖国神社を政治問題として論じるのはちょっとずれると思う。毎年明治神宮には東京の氏神様ということで350万人とか膨大な数の人がお参りにいく。世界中のいかなる教会でも、そんなに人が参拝に来るところはない。
    天照大神もずっと皇室の氏神ということで、一般人にはあまり関係がなかった。伊勢神宮に一般の民が参拝できるようになったのは応仁の乱以降。応仁の乱で朝廷が伊勢神宮を支えきれなくなったものだから、伊勢神宮のほうも「どなたでもどうぞ」ということにした。そこから一般人にとっても氏神さまのような存在として受け止められるようになった。


    近代以降の皇室のあり方というのは、皇室の伝統からすると異様。
    承久の乱で鎌倉幕府が後鳥羽上皇と戦争して、後鳥羽院が負けた。ここで普通の「国」なら天皇家は滅ぼされる。それが滅ぼされないで、天皇家は権威と文化の中心として残り、現世の権力は武士たちが握るという二重構造が出て来て、これが皇室がずっと継続してきた理由にもなるし、文化・権威と、現世的なものを分離するという日本的な発想の実態も備わった。


    今の皇室のあり方というのは、丸裸。イギリスの王室ならば、まずイギリス国教会がついている。国王は国教会の長だから宗教を握っている。それから、名目的だけれども、陸海軍の統帥件がある。それから莫大な領地を持っている。ロンドンの中心地は全部イギリス王室の土地。しかも貴族制度が残っている。そういう二重三重の権限があって、なおかつ、あの体たらくである。


    日本の皇室というものは、神社を奪われてしまった、軍隊の統帥件はない、貴族もいない、何もない。これをそれなりの形にもう一回政治的にやりますかと言うと、これはかなりしんどいこと。もう一回、白馬にまたがって自衛隊を陛下に簡閲していただくというのもいいが……
     

  • 小林よしのりと他三人が国家と戦争について語るかと思いきやそれぞれが知識披露して終わりのような…。でも注釈がいっぱいで政治思想史に詳しくなれる。

  • とりあえず、公について思うところを書く。
    「公」⇔「私」、「集」⇔「個」なのかと。「自分」という人間の中には少なからず公共心とか公共性といったものがあり、大江健三郎の言うように「私」から出発して「公」になるのは無理だと西部さんは言っている。それは勿論そう思う。加えて、「公」から出発しても「私」は導けないのではないかと。公と私は相反するものではなく、両者とも(強いて言えば集と個も)自分という人間の中に内在的に共存しているものだと思う。
    自己を形成する上で「公」と「私」のバランスというか、どちらも自分が成り立っている上でかかせないものだということを知らなければならない。・・・・よくわからんが。

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