ティッピング・ポイント: いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

  • 飛鳥新社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870313941

作品紹介・あらすじ

なぜ、ニューヨーク市の犯罪率は急激にダウンしたのか?なぜ、地味な靴「ハッシュパピー」は爆発的に売れ出したのか?なぜ、『セサミ・ストリート』は人気長寿番組に成り得たのか?なぜ、無名作家の小説は一躍ベストセラーになったのか?あらゆる流行の感染には原因がある。思考の転換を促す世界各国で話題の書。

感想・レビュー・書評

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  • 「新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く」を読んで面白かったので、複雑系ネットワーク的な考えを、マーケティングとか、組織変革とか、ビジネス「実務」に応用できないかな、という観点で読んでみた。

    複雑系においては、初期値のちょっとした違いが大きな違いを生んだり、臨界点近くのほんの些細な出来事が大事件に発展したりするといわれるわけだけど、この本は、その辺のメカニズムを、どういう種類の人たちが、どういう状況でかかわっているのか、といったことを、かなり具体的なレベルで説明してくれるので、相当の説得力がある。

    が、仮にこの本に書かれている事が、本当だとしても、やっぱり、意図して小さな変化で大きな変化を生み出すのは至難のわざだという気がする。なかなか実務的な実用のレベルにはならないかなー。ヒントとか、気をつけるポイントは発見はいろいろあるけどね。

  • 今まで市場で存在感もなく細々としていた商品があるときと毅然、爆発的感染したように一気に市場を席巻する商品があるが、なぜそのようなことが起きるのかを解説した本。
    爆発的感染の理由を3つ
    少数者の法則
    粘りの要素
    背景の力

    個人的に「少数者の法則」の話で、コネクターの話が興味を持った。
    個人的にはコネクターの役割になれる人になった方が人生は楽しいだろうなと思った。

  • あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。

  • 星の数の基準です。
    ☆5:SNSや口コミを通じて、胸を張って人に勧めたい本。価値観や行動に大きく影響を与えた本。ずっと本棚に残しておきたい本。

    ☆4:積極的に人に勧めるほどではないが、価値観や行動を変化させた、読んで良かったという本。本棚に残す本。

    ☆3:そこそこ面白かったが、本棚に残すほどではない本。一応本棚に残しておいて、大掃除の時に売る本。

    ☆2: 一応最後まで読んだが、そこまで面白くなく得られることも少なかった本。すぐにブックオフに売る本。

    ☆1:読むに値しないと判断して途中で読むのをやめた本。この本に時間をかけるなら他のことをしたいと思える本。
    ********************

    流行の爆発(感染)がどのようにして起こるのかを様々な要因をもとに解説した本。2000年の本なので、記載されている研究が1980年代のものだったりしますが、それでも面白いです。


    以下が本書のキーワードかと思います。
    ①媒介人(コネクター):多数の人に情報伝達する人
    ②通人(メイヴン):情報通で、自分の知識を人に共有して役に立ちたいと思ってる人
    ③セールスマン:感情豊かに人を説得し、共感を呼び起こす人
    ④粘り:人々の心に深く情報を根付かせ、行動を呼び起こす力
    ⑤背景の力:人々の行動を無意識のうちに刺激し、後押しする力(例として割れ窓理論)
    ⑥150の法則:集団はおよそ150人までなら互いを認知し、合意形成や統率が取れること

    後半にかけて面白くなった印象。個人的にはNY地下鉄の話と神学生へのテスト、ミクロネシアの自殺の話が興味深かった。
    また、自分はわりとメイヴン寄りなのかもしれない…とも感じました。

    星4つなのは、やはり冗長に感じることと、図解などがあればもっと読みやすかった。

  • 社会を変えたいと願う全ての人が読むべきだと思う本。背景を読み、変化の端緒になるターゲットを絞り込み、そこからの変化の展開をイメージすることの大切さを教えてくれる。復刻版が出ることを望む。

  • 出版が2000年と古いことと著者が専門家ではなくライターであることから、今では疑問視される学説も引用されているのが残念。
    あと、「ティッピング・ポイント」というワードで括るには内容を広げすぎていて何が言いたいのかわからないこともあった。
    内容について詳しく知るには参考にしている学者の著書を直接読む方が良さそうだ。

  • *夜のプロトコルにて、いしたにまさあき氏がtumblrの伝播の流れで紹介。

  • 評判の割にはたいしたことがなかった。恐らくすでに、ほかのhttps://booklog.jp/users/nsugiura?tag=%E8%A4%87%E9%9B%91%E7%B3%BB/複雑系の本を読んでいたためだろう。もう一つの原因は、日本人に馴染みの少ないたとえが多いからかもしれない。ニューヨークの地下鉄をきれいにしたら犯罪が減ったという例は分かりやすいが、アメリカ独立戦争のエピソードやセサミーストリートのエピソードは、馴染みがなく、よく分からない。

    3つの原則のうち、2つ目の粘りの要素がよく分からない。爆発的に感染するそのものに粘りが必要なのは、しごく当然のことではないだろうか?

    マーケティング界隈では人気の書だが、果たして本書がマーケティングに有効か、はなはだ疑問である。どちらかというと、社会に影響を与えたいと考えている政治家・官僚・NPO・教師にはお薦めである。


    はじめに ティッピング・ポイントとは何か?
    第1章 爆発的感染、その3原則 ティッピング・ポイントへ至る指針
     原則1 少数者の法則
     原則2 粘りの要素
     原則3 背景の力

    第2章 「80対20の法則」から「少数者の法則」へ 感染をスタートさせる特別な人々
     コネクター 六次の隔たり、弱い絆の強さ
     メイヴン(通人)
     セールスマン

    第3章 粘りの要素 情報を記憶に残すための、単純かつ決定的な工夫
     繰り返し効果 同じ番組を週5回毎日放送することにより記憶に残る

    第4章 背景の力 人の性格に感染する背景
     割れた窓の理論
     根本的属性認識錯誤(Fundamental Attribution Error)
      根本的な性格特徴を過大評価し、状況や背景の重要性を過小評価する
      神学生の良心:たとえ良心のある神学生であろうと、急かせると、被害者を無視する。

    第5章 「150の法則」という背景 人の行動に感染する効果的な集団の規模
     人類学者ロビン・ダンバー
     回路容量(Channel Capacity)ー人間が一度に扱える情報量は限られている
     霊長類の新皮質率(=社会調整能力担う)から算出すると、人の集団規模は147.8人
     オーストラリア・ニューギニア・グリーンランドの狩猟・採取社会の村落の平均人口は148.4人
     150人以下であれば、規範なしでも同じ目標を達成することができる
     ゴア・アソシエイツ社の150人戦略
     交換記憶(Transactive Memory)

    第6章 商品はどのようにして感染するか? Case Study1 エアウォーク社の販売戦略から学ぶこと
    第7章 自殺と喫煙 Case Study2 ティーンエイジャーの感染的行動の謎を探る
    第8章 ティッピング・ポイントを押せば世界は傾く 焦点をしぼること、実験すること、そして信念を持つこと
     美容院から始まる乳癌予防

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    12月17日追記
    当初★★としたが、政治・教育で有用という点を考慮し、加算して★★★に変更した。

  • ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

  • 小さなきっかけが大きな変化を生む。いろいろ要因分析はしていたが、あまり理解出来なかった。

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著者プロフィール

1963年イギリス生まれ。
カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。
『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。

ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。

「2014年 『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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