ティッピング・ポイント: いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

  • 飛鳥新社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870313941

感想・レビュー・書評

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  • 「新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く」を読んで面白かったので、複雑系ネットワーク的な考えを、マーケティングとか、組織変革とか、ビジネス「実務」に応用できないかな、という観点で読んでみた。

    複雑系においては、初期値のちょっとした違いが大きな違いを生んだり、臨界点近くのほんの些細な出来事が大事件に発展したりするといわれるわけだけど、この本は、その辺のメカニズムを、どういう種類の人たちが、どういう状況でかかわっているのか、といったことを、かなり具体的なレベルで説明してくれるので、相当の説得力がある。

    が、仮にこの本に書かれている事が、本当だとしても、やっぱり、意図して小さな変化で大きな変化を生み出すのは至難のわざだという気がする。なかなか実務的な実用のレベルにはならないかなー。ヒントとか、気をつけるポイントは発見はいろいろあるけどね。

  • 星の数の基準です。
    ☆5:SNSや口コミを通じて、胸を張って人に勧めたい本。価値観や行動に大きく影響を与えた本。ずっと本棚に残しておきたい本。

    ☆4:積極的に人に勧めるほどではないが、価値観や行動を変化させた、読んで良かったという本。本棚に残す本。

    ☆3:そこそこ面白かったが、本棚に残すほどではない本。一応本棚に残しておいて、大掃除の時に売る本。

    ☆2: 一応最後まで読んだが、そこまで面白くなく得られることも少なかった本。すぐにブックオフに売る本。

    ☆1:読むに値しないと判断して途中で読むのをやめた本。この本に時間をかけるなら他のことをしたいと思える本。
    ********************

    流行の爆発(感染)がどのようにして起こるのかを様々な要因をもとに解説した本。2000年の本なので、記載されている研究が1980年代のものだったりしますが、それでも面白いです。


    以下が本書のキーワードかと思います。
    ①媒介人(コネクター):多数の人に情報伝達する人
    ②通人(メイヴン):情報通で、自分の知識を人に共有して役に立ちたいと思ってる人
    ③セールスマン:感情豊かに人を説得し、共感を呼び起こす人
    ④粘り:人々の心に深く情報を根付かせ、行動を呼び起こす力
    ⑤背景の力:人々の行動を無意識のうちに刺激し、後押しする力(例として割れ窓理論)
    ⑥150の法則:集団はおよそ150人までなら互いを認知し、合意形成や統率が取れること

    後半にかけて面白くなった印象。個人的にはNY地下鉄の話と神学生へのテスト、ミクロネシアの自殺の話が興味深かった。
    また、自分はわりとメイヴン寄りなのかもしれない…とも感じました。

    星4つなのは、やはり冗長に感じることと、図解などがあればもっと読みやすかった。

  • 既に聞いた理論がいくつかあり、感動は他の作品ほどではなかったが面白かった。
    なぜこんなことになったのか、最近の疑問に一つの答えが得られた。
    また、知育と子供の環境の話は非常に共感させられた。
    しかし、分かったような分からないような。
    結局腐ったリンゴは本当らしい。

  • 物事が劇的に変化する「特異点」の存在について、そこに至るまでの過程を「人間の本質」まで念頭に置きながら、実際の過去に起こった様々なケースを元に解説している

    マーケティング戦略本として読み始めたのだが、いわゆる単純なマーケティング論を展開している訳ではなく、ある種の人間の潜在的な知覚行動まで言及して、その繋がりまでを意識することで初めて本質的な戦略を立てられるようになるという主張である

    単純なノウハウ本より1段も2段も深い見識に基づいているので、この本の内容を即座に応用することは難しいかもしれないが、物事を見定める視点を新たにするためのヒントはいたるところに散りばめられている

    何度も繰り返し読みたいと思う

  • 商品やサービスの『粘り』が、情報発信力のある人、トレンドセッターなどにウケて、爆発的に広がるという構図を解説した一冊。

    バイラルマーケティングの原点的な本。
    既に大流行したものを取り上げているので、どうしても後付論理の印象は拭えず、実践にどう落とすのかというのが難しいけれど、自分の顧客をこういう視点でウォッチし、チャンスの芽を見落とさない、という姿勢には役に立つなと感じた。

    たまにまどろっこしい部分はあるものの、解説も明瞭だし訳も読みやすい。
    10年以上前の本だけれどいまだに読み続けられる理由が分かる。
    ただその割りに新刊でてにはいらないんだけど。

  • 「爆発的なヒット」が起こる瞬間をティッピングポイント、と呼び、これが始動するには3つの法則がある、と著者は言っている。
    1.アイディアを伝搬させる人たちの存在(少数者の法則)
    口コミ伝染を仕掛ける人、マーケットに精通した人と説得の達人である人らがティッピングポイントの始動に不可欠である。また、著者は、大きな成果を生み出したいなら、これらに資源を投入すべきである、とも言っている。
    2.記憶に粘る(成功するアイディアの特徴)
    消費者を立ち止まらせ、広告を読ませ、覚えさせ、行動に移させる、消費者の記憶に残るメッセージを発信すること。
    3.背景の力
    ティッピングポイントが起こるには、時と場所の条件と状態に左右されること。
    また、ティッピングポイントを始動するには、始動させたい集団を多くても150人までで構成すべきだという。これ以上の人数だと、一つの声に同調し行動する構造が壊れてしまうらしい。

  • ルービックキューブ、たまごっち、ウォークマン、ツイッター、池上彰氏、iPhone...

    このような言葉を聞いて何を思い浮かべるだろうか?

    そう・・・これらは全て、いわゆる”ブレークしたもの”である。これらは、いったい何をきっかけに大きなブレークを果たしたのか? そこに共通性は見いだせないのだろうか?

    人気、売上、視聴率、学力、犯罪率、喫煙率・・・いわゆる”ブレークするタイミング”(本の言葉では”Tipping Point”「ティッピングポイント:転換点」と言っている)は、「どんなきっかけで起きるものなのか」・・・というテーマについて、様々な事実・データから考察をまとめた本がある。それがこの本だ。

    (続きは、こちら↓)
    http://ryosuke-katsumata.blogspot.com/2011/03/tipping-point.html

  • かなり昔に、何かのブックレビューに出ていたので飛びついた社会学の本。ハードカバーで買ったな・・・

    私のグラッドウェルデビュー作。今になって思えば洋書で買えばよかった。

  • いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか____




    全米でもっとも有名な著書の処女作だ


    口コミで広がる爆発的な変化はどうして起こるのか、どういう要因で「大きな変化」に達するのかを検証した本

    ちなみに本書では口コミの伝染に「感染」という言葉を使っている

    目次
    はじめに ティッピング・ポイントとは何か?
    1章 爆発的感染、その3原則(ティッピングポイントへ至る指針)
    2章 「80対20の法則」から「少数者の法則」へ(感染をスタートさせる特別な人々)
    3章 粘りの要素(情報を記憶に残すための、単純かつ決定的な工夫)
    4章 背景の力(人の性格に感染する背景)
    5章 「150の法則」という背景(人の行動に感染する効果的な集団の規模)
    6章 商品はどのようにして感染するか?(エアウォークの販売戦略から学ぶこと)
    7章 自殺と喫煙(ティーンエイジャーの感染的行動の謎を探る)
    8章 ティッピング・ポイントを押せば世界は傾く(焦点を絞ること、実験すること、そして信念を持つこと)



    「ティッピング・ポイント」とは本来「臨海点」という意味らしい



    世の中の多くのものは口コミの力を使ってもそこまで広まらずに終わる
    では爆発的感染力をもつものともたないものの違いは何か

    それがティッピング・ポイントに到達したかどうかという点が筆者の主張だ


    たとえばAKB48。2007年から活動しているこのグループをもはや知らない人はいないだろう
    ではなぜ他のグループを差し置いてこれほどまでに「感染」したのか

    他にもクロックスしかりiPhoneしかりけいおん!しかり


    数え上げればキリがないがそうした謎を一つ一つひもといていくのが本書だ

    著者は口コミを拡大させる決定的に重要な3種類の人間を唱えている

    「コネクター」、「メイヴン」、「セールスマン」

    簡単にいうと「コネクター」は一般の人とは比べものにならないくらいのつながりをもつもの
    サークルとかでも周りを見渡すととりあえずこいつに言っとけば周りに伝わるだろうといった人が必ずいるはずだ
    ネット社会だと小飼弾さんのような人だろう
    その人が「コネクター」となる

    では「コネクター」さえいればよいかというとそうではない
    「メイヴン」と呼ばれる,「コネクター」に発掘してきた情報をまわす人、が必要となる
    たとえばAKB48であれば、初期の頃に彼女らを発掘してきた人、iPhoneなどであればアップルを愛して止まない人物となる
    彼らは「コネクター」と同一となる可能性もあるが、非常に多くの情報に富んだ人物であることが必要である

    最後に「セールスマン」は他人の行動を変えるような資質をもった者だ
    一般的な人に対してその人を説得するのが(無意識的にも)一流の人物。そんな人が「セールスマン」となりうる


    この3つの段階を経て口コミはティッピング・ポイントに達する

    他にもみんながやってると自分もやりたくなるような「背景の力」(たとえば普段違法駐車しない人でも駅に大量の違法駐車がされていたらしてしまうような力)や感染させるのに1グループの最大人数である「150の法則」(よくK間さんが得意気に話す○○の法則というネタ元はほとんどこの人です)といったことが書かれており、純粋におもしろい

    この人ならベストセラー作家になるわな,と認めざるを得ないほど深い洞察力に富んでいます

    ただ例がアメリカのものが多く(まぁ当然ですが)なかなか親近感が持てないという点が唯一残念なところ(-0.8点ぐらい)ですがこの著者の本を読んだことがない人はぜひ読むのをおすすめします

  • ティッピング・ポイント(The Tipping Point):
    あるアイディアや流行もしくは社会的行動が,敷居を越えて一気に流れ出し,野火のように広がる劇的瞬間のこと

    本書に寄れば、ティッピングポイントの要因とは
    1.少数者の法則
    流行を拡げるのは少数者の影響が大きい。その影響を与
    える少数者には、1)コネクター 2)メイブン 3)
    セールスマンの役目があること

    2.粘りの要素
    同じように流行ってもすぐ廃れるものとなかなか廃れな
    いものの違い、そのような「粘り」の要素とは

    3.背景の要素
    流行が起きる場合、その背景(状況、条件など)の影響
    がある

    さらに、組織的に内部で影響を与えるには150人の壁が
    あるという「150の法則」

    自然発生的なものを紐解いていておもしろかったですね。

著者プロフィール

1963年イギリス生まれ。
カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。
『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。

ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。

「2014年 『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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