作家の値うち

著者 :
  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 258
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870313958

感想・レビュー・書評

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  • 本書の目的と「ブクログで誰かをフォローする目的」は重なる。外食店選びの「Retty(レッティ)」と同じだ。(高級レストランを探すわけじゃないので「ミシュランブックガイド」ではないし、みんなの評価を確認したいわけじゃないので「食べログ」とも異なる)

    胃袋と予算、大事な人と過ごす時間などの制約がレストラン産業にあるように、読書においても何より時間の制約は大きい。

    「評価」という風雪に20年以上耐えて「傑作」ポジションに辿り着いた作品ほど図書館に集まるのである。現代小説はこれらの日々増え続ける傑作たちと忙しい現代人の可処分時間を取り合う代替財なのだ。

    だから、センスが評価されている人が、自分への評価を賭けて、あえて文化的作品に点数をつけるという蛮行を冒してくれている水先案内人はありがたい。

    僕は小説に限らず、経営、哲学、歴史、経済学、心理学、社会学、数学、プログラミングなど、ブクログで「タグ」管理しているあらゆる概念において「○○の教科書」「○○図鑑」「○○事典」の類を最初に通る。

    そのフィールドの広さを上空から眺めてから、実生活にその考え方の導入を試みようと着陸するのだ。実際の経営に踏み出したり、相手の言動を哲学や心理学の文脈から、あるいは社会現象を歴史や社会学のフィルターを通して読み解こうとする。

    現代小説も同様に著者の世界観や文体に触発され、背中を押されるように自分の生活を見渡して自分の感受性のセンサーの解像度をあげようとしている。

  • ずいぶん昔に買ったんだけど、たまに再読。なので新しめの作家はいないよ。
    エンタメ、純文学に分けて、作家を論評。
    えー、この作家好きなのにー

  • 辛口。

  • 「悪の・・・」シリーズの作者ということでこの本を見つけました。ここまで赤裸々に(得点までつけて)文学作品を批評した本を私は他には知りません。なのである意味とても貴重な本だと思います。個人的に好きな作家だった池澤夏樹や島田雅彦を批判されたのは少し納得がいきませんが(^_^;)

    2000年発行の本ですので最近の本についても批評したものが読みたいです。

    読んでみたいと思った本

    小島信夫「うるわしき日々」
    山口雅也 「生ける屍の死」
    佐伯一麦 「ア・ルース・ボーイ」「木の一族」
    矢作俊作 「あ・じゃ・ぱん」
    町田康 「くっすん大黒」「夫婦茶碗」
    有栖川有栖 「46番目の密室」
    北杜夫 「楡家の人びと」
    吉行淳之介 「暗室」

  • 賛否両論あるようだけど、乱暴であっても「点数」という1軸でぶった切って優劣をつけるという、普段本を読まない人にもわかりやすい評価方法に敢えて挑んだことは評価したい。

  • 現代日本の作家を100人選び、その作品群についてそれぞれ100点満点で福田和也が評価する。

    私はブックレヴューとして活用しています。本を買う時の参考にしたり、作家のバックボーンを調べるのにとても役立つと思います。

    この本については賛否両論ありますが、私は賛成です。
    ただ、ちょっと内容が古いのでこの10年で伸びてきた作家や発行された作品をカバーできていません。

    わざわざ新しいのを買う必要はないが、古本屋で見つけたらぜひ買ってほしい本です。損はない。

  • 悪趣味だ。
    しかし、何度も繰り返し頁を繰った。
    役に立ちます。

  • いきなり読むと筆者の好みもあるのでブックガイドとして頼るとその後の読書傾向に影響が出そう ただし筆致は冷静だし単純に読み物として面白い 悪趣味といえば悪趣味だがこういうことも重要 

  • 発行当時の出版事情を知る上での良い資料。
    発行当時に健在である主要作家を、エンターテイメントと純文学にわけて代表作と共に紹介。
    評論家の著者の、褒めるだけではなく、時には厳しく辛辣な評価を、点数付で読める。
    その評価に賛同するか否かは別として、本選びの手引きともし得る一冊。

  • ミシュランガイドのように判りやすく、身も蓋もなく、現代エンターテイメント作家と現代文学作家100人の作品を点数付けをし、発売された当時話題を呼んだ本です。<BR>
    一人の作家につき平均六作品ずつ批評してあるので、まさに本を選ぶときのガイドになります。<BR>
    では中でももっとも私の心に残った一文を抜粋しますと・・・<BR><BR>六本木で雨の中で酔いつぶれている男に、「あんた、ハッピーじゃないじゃない」などという言葉使いでオートバイに乗った娘が声をカかける・・・こうした光景に耐えられるのなら、あなたは藤原伊織の作品に近づくことができる・・・<BR><BR>
    で、できない・・・<BR>
    ちなみに各作品は点数付けがされていて、90点代の作品は世界文学の水準で読みえる作品。30点以下は人前で読むと恥ずかしい、もしも読んでいたら秘密にしたほうがいい作品。などと細かく面白く分類されてます。<BR>もちろん上記の人の作品は・・・

著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。批評家。慶應義塾大学名誉教授。『日本の家郷』で三島賞、『甘美な人生』で平林たい子賞、『地ひらく――石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2023年 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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