なぜあの商品は急に売れ出したのか: 口コミ感染の法則

  • 飛鳥新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870314696

感想・レビュー・書評

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  • 外部環境が変化を与える。

  • ●本書はどんな内容?

    ・誰しもが時間の着実な経過に沿って物事が進むと思いがちだが、実際は感染の臨界点(ティッピングポイント)を超えると爆発的に拡大する。ティッピングポイントを超えることは、キャズムを超えることと同義と考えて良いのでは無いか。

    この原理を少数の影響者、すなわち、媒介者(コネクター)、情報通(メイヴン)、説得者(セールスマン)の人々の紹介を通して説明するのが本書。
    言い換えれば、口コミ感染の仕組みを理論立てて説明しているのが本書。

    ・感染の臨界点の3法則は、少数者の法則、粘りの要素、背景の力。

    ●少数者の法則

    ・媒介者(コネクター)は、通常では考えられないほど「弱い絆」をたくさん持つ人々。彼らは人との良い結びつきを重要視して、新しい情報を掴んではいつも多数にそれを発信する。

    ・情報通(メイヴン)は、媒介者に新鮮で質の高い情報を伝える。

    ・情報通はデータバンク、媒介者は社会的にかわの役割となるが、人々が情報に納得しない時に説得する人が必要。これが第3の少数者、説得者(セールスマン)
    説得者は同調のプロ。(無意識に)共感を与えるで賛同者を生み出す。

    ●粘りの要素

    ・少数者の法則は「情報の送り手」に注目したもの。情報自体も価値のある内容である必要がある。これを説明するのが「粘りの要素」

    ・セサミストリートでパペットと人間が現実世界に同居するようになったのは試行錯誤の末に粘りをもたせるためにたどり着いた結論

    ・「粘り」の章は具体例ばかりで一貫したメッセージが分かりづらいが、個人的には、要は、ターゲットに響く内容を定量的、定性的な観点から考えに考え抜け、ということだと理解した。

    ●背景の力

    ・NYの地下鉄の落書きと無賃乗車の撲滅
     =割れた窓理論に基づく。つまり、感染現象は、環境要因に些細な手を加えることで逆転が可能、ということ。

    ・看守と囚人に分けての監獄実験や、カンニング可能な環境でのカンニング率などが、この法則をサポートする。生育環境やその時の心理状態が重要でないわけではないが、背景も大きな影響を与えていて、これらが組み合わさった時に犯罪は起こるし、爆発的な感染拡大(商品が飛ぶように売れたり)も発生する。

    ・生育環境やその時の心理状態、さらに言えば遺伝子に、事象の原因を求めるのは受け身以外の何物でもない。

    ●150の法則
    150人を超えたコミュニティは機能低下する。どこに行けば一番良い助言が得られるか感覚で分かるサイズ。

    ●エアウォーク社の商品感染戦略
    これまで学んだことをすべて生かして、エアウォークの成功を紐解く。
    →導入者(イノベーター)の言葉を主流派にむけて翻訳して布教する。

  • なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則

  • "マルコム・グラッドウェルのThe Tipping pointの翻訳本。
    はやる、流行、という減少をアカデミックに見つめた本。文句なしに面白い本。"

  • 全力でおススメ

  • 295pages

  • 10年以上前に読んだ本だが、口コミを分析した本。
    当時も影響を受けたが、今読んでも十分に通用する。

  • 何かを流行させるには、何が必要かということを教えてくれる。
    流行させるには少数者(媒介者、コネクター、情報通、メイヴン、説得者、セールスマン)が必要であること、粘りの要素、行動を左右する背景を読み取ること、このようなことが必要になる。

  • 大学生の頃にゼミの発表のために購入したが
    ほとんど読んでいなくて今になって読み直してみました。

    内容が濃いためか読むのに苦労したけど、
    いくつもある例え話とかなるほどと思える話も多い。

    訳者あとがきの一番最後にある
    「不景気」というものに対する見解も印象的でした。

  • 一つの工場・部署の人数が150人を超えないというものだ。例えば、工場の従業員の駐車場は150台分(150人分)しか用意していなくて、それを越えると「そろそろ工場をもう一つ建てる時期だ」と思うのだそうだ。そして、駐車場を境界にするように既存の工場とは反対側に、もう一つ工場を建てる。
    なぜ150にこだわるか。150人を大幅に超えると、人々のコミュニケーションが取れなくなる。相手の事が分からないと、自分に対する期待値にも鈍感になり、期待に応えようと言う向上心が無くなり、結果的に良い商品がつくれなくなるのだそうだ。
    大企業病に陥っている会社には耳の痛い話では無いだろうか。

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著者プロフィール

1963年イギリス生まれ。
カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。
『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。

ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。

「2014年 『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マルコム・グラッドウェルの作品

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