魚喃キリコ短編集

著者 :
  • 飛鳥新社 (2003年2月21日発売)
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本棚登録 : 1043
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870315402

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに読んだら結構びっくりした。こんなの絵がうまくて、センスがよければ誰でもかけるんじゃないか。昔鳩よ!で、制作ノートのようなものが公開されていて幾分がっかりしたけど、今読んでみてその1000倍くらいがっかりした。漫画というより詩、一時期はやったキレイな写真にええ言葉書こうか、というようなものに見える。
    そう思うのは、状況をそのままきりとってだけいるけど、それが自分の範疇を超えていない。どのページを手繰っても、そこには魚喃キリコが存在していて、こうすればよかったんでしょ、こう書けばセンスいいでしょ、といっているような気がする。それ以外にも、めんどくさい女の話とか、書かなきゃいけないのはここからはみ出てる部分なんじゃっていう、何かいてんだって思わされる。
    そしてこの人にはこの先のなにもかけないんじゃ。blueってすばらしくきれいでかわいかったし、自分の中で大事な本になったけど、それの自意識過剰な感じは思春期と相まってうまく処理されていたように思う。思春期の、私の体を、女である私を、人間である私を、ひたすらに意識する部分とうっすらとした恋へのアピール力が、ないまぜになって、それはそれでそのままかかなくてはああいうイタさはでなかったんだろうけど、それだけに余白に頼る部分が多かった。それでよかったのでは。
    別に悪いことを悪い、ってあげつらいたかったわけじゃなくて、それでも大丈夫と思って読んでた昔があるから、書いとこう、とおもう。

  • 魚喃キリコさんの作品『魚喃キリコ短編集(2003)』を読んでみた。 絵と文字が良い感じに沁み込んでいく…

  • 彼女のことを、いっこだけ
    「処女って すっごく高いんだよ 藤田さん
    かちがあるんだよ あたし それ
    今になって わりと後悔してるけど」
    「自分の体を大切にされるためのセックスじゃなくて
    自分の体を汚すためのセックス」

    痛々しいラヴⅣ
    南瓜とマヨネーズのハギオ!
    ハギオは最低。クズ。カス。
    「きっとあたしはこれから一生
    2番目に好きな人を
    愛したままで暮らすんだ」
    痛々しくて、見てられない。

    水槽
    「繰り返し 繰り返し
    僕らは お互いがお互いを
    ここにいてくれたらいいと思う」

    まァ、これもいいかなってことで
    「人生は気が遠くなるほど長いけど
    その間にキレイなのは ほんの一瞬
    その一瞬をいろんなひとに見てもらわなくちゃ
    絶対いつか後悔すると思わない?」
    「ブスに女を感じるってのも
    にくったらしくていいぞ
    俺そっちのほうが燃える」
    わたしの価値観になっていた。
    ここから学んだのか。

    こんなふうな夜の中で
    「肉ジャガが おいしくて くやしく思ったのは
    ミナちゃんのその肉ジャガを
    食べれるりょうくんのへの気持ちじゃなくて
    りょうくんにおいしい肉ジャガを
    食べさせてあげれるミナちゃんへの気持ち」
    「こんな夜の中で
    あたしはミナちゃんになりたかった」
    ♪あの娘になりたい/YUKI

    君でよかった
    「それらがまだしんとしていて
    世界中で起きているのは
    僕だけのような気がして
    誰かから
    『ヒミツにしておきなよ』
    って言われているみたいだった」
    ♪眠り姫/世界の終わり



  •  「彼女のことを、いっこだけ」で好きな人、でも決して両想いにはならない人のために体をも汚す、その想いの重さにずっしりとした気分に。
     「痛々しいラヴ」シリーズで描かれる恋愛は本当に痛々しすぎて共感するのは難しいのだけど、そこまで人を愛せることに対しては憧れる。

  • きれい。そしてどうしよーもなく愛おしくて懐かしい感じ。

  • 自己チューでカッコ悪い、いたたまれなかった大昔の恋を少し思い出した。
    もーやだわ、あんな想いは。今となっては多分したくても出来ないんだろうけどもさ。2013/9/13

  • この作家さんは本当にタバコを吸う女性の姿をきれいに描くなあ。と思う。
    私はタバコを吸わないけれど、吸いたくなってしまう。

  • さわやかです。

  • ハギオとか。

  • 消えてなくなっても消えない。切ない。

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著者プロフィール

1993年『HOLE』(月刊漫画『ガロ』)でデビュー。主に『COMICアレ!』『DAISUKI』『CUTiE comic』『FEEL YOUNG』などで執筆、代表作に『blue』『南瓜とマヨネーズ』『strawberry shortcakes』がある。いずれも映画化され、話題を呼んだ。2007年に出版した『キャンディーの色は赤。』を最後に漫画作品の単行本は出版していない。

「2020年 『魚喃キリコ 未収録作品集 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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