- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870316386
感想・レビュー・書評
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自殺者はざっくり分けて2種類いる。
生きたくないから死ぬ人と、死にたいから死ぬ人、だ。
著者の妻、早紀さんと、ねこぢるは後者、そして青山正明氏は前者と、著者はそのように考えたようだった。
本書には遺された者の苦しみが書かれている。友人の死ももちろん応えるがやはり愛する人の死というのはそれ以上だろう。
感情的になりすぎていて、文章はあまり上手いとは言えない。だからこそ必死さが伝わってくる。早紀さんの死の場面では不覚にも涙してしまった。
「私は死ねるのよ」そう言って早紀さんは本当に死んでしまった。世の中には死ぬべくして生まれたような人が稀にいる。自殺する人とそうでない人は予め決まっているんじゃないかとさえ思う。そういう人に死ぬなと忠告することがどれだけ無駄なことか。生きていてほしいだなんてただの他者のエゴだ。だけど、わかっているけど、やっぱり大切な人が死んでしまったら哀しい。
「心の中に氷河のようなものがあり、それは安楽死を求めている」(中略)「その冷たさは、どんなことがあっても消えない」
早紀さんの気持ちはよくわかる。本当に死にたい人が、この本を読んで思い留まるとは考え難い。だけど、死んでしまったあなたに向けて、生きていてほしかったと思う人がこの世に絶対いる。それだけは確かなのだ。
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筆者の意図通り感情的であるがゆえにとても生々しく、読み進めるのが辛い。けど、筆者が「死ねる人」と表現したふたりは、本当にプライドが高かったのか (あるいは単に傲慢なのか) は個人的に疑問が残る。ナイフの切っ先のように先鋭的で、かつガラスキャピラリーのように脆かったのだろうとは思うけど。一方で山野さんという方がとてもスマートに思えた。
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ねこぢるがアボカド吐いた話で泣いた。
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友人、盟友、そして最愛の妻。
大切な人々を次々に自殺で失った著者が、逝ってしまった者達への想いと、悲しみのどん底に落ちた日々を振り返る。
癒えることの無い喪失感。
カレンダーに書き込まれた慟哭の叫び…
そして、
終章 最後の言葉が胸に迫る。
愛してる。
死んでも、愛してる。
P.S.
本書レビューを閲覧して、評価が二分していると気付いた。読者に何らかの喪失体験があるか、生への絶望や虚無感の体験があるか。その有無で、受け止め方が大きく違って来るのではないか。
僕は本書をけなす気にはなれない。
妻を大切にしようと思った。 -
時代がひり出したウンコちゃんたちの末路はひどかったな~。青山さんはシャブづけで死んで、ごみ漁りの村﨑百朗とかもいたよね。殺されたっけ。こいつは生きてんのか?死んで当然のようなゴミみたいな毒をまき散らしたので天に唾吐いて結果全員頭おかしくなって。死んだ。この時代ってオウムとか色々なエリート生がちの暴走があったね。社会背景も関係あったのかな。平和過ぎたからこいつらみたいなんだ繁殖したんだろうね。もう面白くて大好きだったけどね。
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背表紙のねこじるさんのイラストでつい手にとって読んでしまった。この頃のサブカル本をちらっと読んでたので、ああこんな人が書いてたのかと。読後は映画『監督失格』に似て、ある意味恋愛モノっぽくもあり…でも生きるために書いたんだというのは伝わった。最後の方に『完全自殺マニュアル』にも言及していてそれはそれで興味をひいた。出版バブルかぁ…。
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281
親しい人が三人も自殺してしまう -
サブカルチャーが好きな人なら
名前を聞いたことがある
ねこぢる
や
青山正明
と
親交があった著者が綴る
遺されたものの気持ち -
読み返しては泣きの繰り返しだった。
今思うとそれってどうなんだろう?と思ってしまうけれど。
ねこぢるはやはりどこか達観しているように感じた。
鶴見済に触れるきっかけにもなった一冊
早紀さんへの愛にただただ感動した。
愛し合うってそういうことなんだろうと強く感じた。 -
2011/10/23