- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870319042
作品紹介・あらすじ
主人公(吉田武昭)はいつももやもや、人生含み損を抱えるサラリーマン。そんな武昭の目の前に、ある日突然、大哲学者ニーチェが高校時代の同級生・三木の身体を借りて降臨する。「今の歪んだ世界を正すため、お前を殺す!」と息巻くニーチェ先生。よくよく聞けば武昭は、世界に未曾有の危機をもたらしている元凶、プラトン・カントといった哲人の末裔らしい。ニーチェ曰く、「この馬鹿どもが間違ったキリスト教の世界観を広めてしまった為に現代がメチャクチャになりかけている。よってお前の代で、この負の連鎖を断ち切るっ」かくして武昭は世界を救うために「改心」すべく、ニーチェ先生にありがたいプライベートレッスンを授かるわけで…。ニーチェがわかって面白い、新感覚哲学小説。
感想・レビュー・書評
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2014年10月15日読了。
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著者の理解するニーチェの思想をライトノベル形式で展開する異色作。シチュエーションに無理があるだろと突っ込みそうになるが、何故か読めてしまうところが不思議。
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なかなかサクッと読めて、面白かった。
哲学書の入門書の入り口として
高校生や、中学生に読んでほしいな。 -
ある時思い立って恐山を訪れた武昭は、そこで問題を起こしたのをきっかけに、高校時代の同級生で超能力者の三木(ミッキー)と、ミッキーがイタコの原理で降ろす哲学者・ニーチェに「洗脳」を解くための指導を受けることになる。
なんでも武昭はプラトン一派の生まれ変わりであり、「お前の先祖たちのせいで近代はダメになったのだから、その責任をとれ。世界が壊れる前に、負の連鎖を断ち切れ」ということらしい。
ミッキーとニーチェ先生に振り回されながらも自らと向かい合う武昭だったが、「洗脳」の根は深く・・・。
武昭というキャラクターを通して、読み手である私達に問いかけ、諭しているんですね、この話は。
神の国は存在しない!
真の世界は存在しない!
普遍的心理は存在しない!
最後の審判はやってこない!
イデオロギーにおぼれるな!
理想によって現実を測るな!
言葉と概念を疑え!
対立と犠牲を恐れるな!
からだを蔑視するな!
人間の《生》を汚すな!
健康な肉体で己の真理を捏造せよ!
難しい部分もあったけど、自分の持つ「概念」について考えさせられました。 -
ニーチェの書いた本は難しくて読めませんが此れは面白い。読みながら 民主主義について 宗教について 考えさせられました。
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めちゃくちゃ面白かった!!
現代を洗脳しているプラトニズム、キリスト教に対して洗脳を解くために現代によみがえったニーチェ先生が分かりやすくムッツリ顔でレッスン。
「真理」とか、それを考えている私たちの「論理」について改めて向き合わされざるを得ませんでした。
何よりも「宗教」「神」について。
ずっとそこらへんのことについて考えている私がおります。
ニーチェというのはとても危険な思想家だと思うのだが、そこらへんから牙を取った感じの易しい本でした。 -
借本 設定は面白いんだけれど、主人公を好きになれなかった。
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フィクションの形式をとらないと内容的にはヤバイ感じw
そこらへんに著者の意図を感じた。
民主主義、憲法、民族などについての記述が良かった。
デタラメな社会から目を覚ますという体験が出来る良書。
ま、フィクションだけどねw -
哲学小説というジャンルらしい。これでニーチェがわかったとは言えないかもしれないが、哲学というものを全く知らなかったので読んで良かった。
「しっかり考えないといけない内容を小説を読むスピードで読む」のは頭をフル回転させないといけないが、それが逆に快感だった。 -
普遍的真理は存在しない理由をシンプルに述べていてわかりやすかった.やはり自分にとっての真理は自分で考えて獲得しないといけないのだ.
物語の部分が面白いのだけど、もう少し哲学の比重が大きい方が小人的には良かったかな. -
途中まで読んで間が空いたので読み直した。
普遍的真理は存在しない。まさに。
事実は一つでも真実は一つではない。
世界は自分が捉えた自分の世界、ただそれだけ。
なるほど。
途中途中よく理解できないところがあったので、まだ自分もプラトン一派の支配から脱却できていないのかも。 -
わかりやすい、簡単に読める、かもしれないけど、咀嚼までいかなかったなぁ。たぶん土台がまだないんだと思います。
まあニーチェはトラウマなんで(笑) -
主人公がひきこもりって設定に無理が…
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普通の小説部分とニーチェの思想がどうつながるのかよくわからなかった。
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軽妙に記されたニーチェ論。成る程、と思わされます。普遍的?絶対的?そんな人に決めてもらった言葉に頼るな甘えるな!自分で考えろ!と一喝された気分。爽快です。
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わかりやすい…のかな。ニーチェの思想は解りやすく書いてあったのだと思うけど、私にはぼんやりとしかわからなかった。ごめんよ、ニーチェ。
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ニーチェが流行ってるって事なので読んでみた。
とりあえず読みやすそうな本書。
哲学小説という分類になるようだけど、、
面白かったし、ニーチェの思想には★5つの部分も
あるんだけど、小説としてはもうちょっとかな。。
★4とまよったけど★3。
神は単純ではない。は妙に納得。。 -
おもしろかった。とてもニーチェについて分かりやすく教えてくれている。
楽しく、分かりやすく、読み心地もいいので初心者にはうってつけだと思う。 -
ニーチェ入門のつもりで手にしたが・・・・・。
「キリスト教は邪教である」 とか 「哲学は妄想に過ぎない」 などと断言調が続くので痛快で面白く読めるが、それがかえって本書を何の疑いも持たずに読み進める危険性を孕んでいる。「言葉と概念を疑え!」 とニーチェに言わせているにもかかわらず、だ。
だけど、ニーチェに1センチメートルでも近づけたような気がして、吉。 -
いたこによるニーチェ降臨のアイデア小説かと思ったら、そのうちいたこもいらなくなって、結局小説としては何か面白いわけではない。ニーチェ思想のやさしい解説プラス人生指南?。短い会話を中心に、一行一文で、漫画風、もしくは戯曲風。読んでないけど、キリスト教は邪教です、が下敷きかな。人の基準で自分を測るな。体を鍛えよ。同感だ。