火の鳥 全13巻セット (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784871187916

感想・レビュー・書評

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  • その生き血を飲めば、不老不死になれるとされる不死鳥をめぐる物語、火の鳥、全巻を読んだ。

    手塚治虫が漫画の神様と言われるのもわかる。
    こんなにも壮大な漫画がすでに1950年代から作られ始めていたのだから、現代日本の漫画が文化と形容される程に発展しているのも納得がいく。

    読み終わって最初に思った事は、何でこんな物を一人の人間が描けたの!?ってことだった。

    生命、宇宙、過去、未来、宗教、国家..。
    この漫画を通して、そんな壮大なテーマを初めて感じだ子供も昔は多かったのかもしれない。今読んでも全く色褪せないストーリーは、今の子供達にもお勧めしたい。放射能に汚染された未来の世界が出てくる場面なんかは今読んだ方が恐ろしいだろう。


    時空を超えて展開されるストリーは、それぞれ○○編として別れている。自分が一番好きなのは鳳凰編。
    仏師、我王と茜丸の人生がジェットコースターの様に上下しながら突き進み交錯していく様は圧巻で、のめり込むように読んだ

    どうして、一人の人間がこんなものを描けたのか?
    手塚治虫という人物について、もっと知りたいと思った。

  • 小学生の頃、学校の図書館におかれた唯一の漫画でした。私はこのシリーズで、人間のおろかさとはかなさと命の大切さを学びました。宇宙編が個人的にはとても印象に残っています。人間に必ず訪れる死・・・、人間が死ななくなったら一体どうなるんだろう?火の鳥から得られるという永遠の命をもとめて人間たちが翻弄させられる物語。名作です。

  • 映画『クラウド アトラス』観て、『火の鳥』に似ているとの意見があったので読んでみました。

    壮大な世界観に圧倒されて、ただただ打ちひしがれました。こんなに素晴らしい作品が存在していて出会えた事が、とても幸せに思えます。

    人間の愚かさと生きる意味。生命ってなんだんだろう、という問いを投げかけ続けてくる物語です。

    様々なタイプの物語が各年代にあり、少しづつ登場人物やエピソードが関連してくるので引き込まれるようにして読みました。

    20年くらい前に少し読んだ時は絵が苦手だったのですが、今になってみるとすごく魅力的な絵です。特に子供の絵などはとても可愛らしくて、見入ってしまほどでした。女性の絵もとてもフェミニンです。

  • 手塚治虫がこの作品を通じて訴えたかったことは何だったのだろう。
    これが私が読後に感じた疑問であった。

    太古から生存しており、永遠の命を持つといわれる火の鳥。その火の鳥の血を飲んだものは不老不死の力が手に入るという。この迷信、噂を信じて太古からはるか先の未来に至るまで、火の鳥をめぐる様々な物語が展開される。

    最初の読後の疑問に戻るが、描きたかったのは「人間は一度力を手に入れるとそれにしがみつこうとすること、その愚かさ」、「権力者による宗教の政治利用」、「輪廻転生」などいろいろあると思う。おそらく答えはない。いや、手塚治虫にはあるだろうが、その答えは読者一人一人が見つけ、行動するしかないのだろう。

    それにしても手塚治虫の発想力には頭が下がる。時代背景からしてこのような漫画が描けるなど、本当に日本が誇る人物だったのだろうとひしひしと感じる。

    ぜひ子供に読ませたい作品だ。

  • 小学生の頃は難しくて理解できなかったが、大人になってから読むと圧倒的に面白い!

  • これは自分にとってホント衝撃的な漫画。
    小さい時に見た鳳凰編 我王のアニメも一生忘れないと思います。
    震えたぜハートッ!

  •  手塚治虫って人が凄いマンガ家だってことはみんな知ってると思うんだけど、俺ぐらいの世代の人はほとんど読んでないと思うんだよね。でも、そんな中でちょっとは気になるって人がいたら俺は全力で勧めます。ってのは、もちろんマンガだからサクサクといけるんだけど、読んだ後に残る感じは古典や哲学書の感じと似てて、ずしっと体重が乗っかかってくるんだよね。ただでは済まんぞみたいな。でも読んでる間はほとんどそんなこと感じさせないで、エンターテインメントで通ってる。やっぱり凄いよ。
     で、『火の鳥』だけど、「○○編」という形で短編形式になってます。だけど、たしかにその一編一編は個別に存在してるんだけど、全巻を通して不老不死である「火の鳥」を介して、人間の興亡、もっと的確に言えば盛者必衰の物語を描くわけです。さらに凄いのは、時にはそれを歴史の事実の中に潜り込ませ、時には全く新しく創造した世界の中に組み込むという具合で、手塚治虫の手に掛かれば変幻自在です。「マンガの神様」って言われる所以が分かりますよ。「行く川の流れは絶えずして」の方丈記をマンガで書いちゃったと言ってもいいと思います。
     手塚治虫の作品は、教師をやっている身としては子供たちにもぜひ読んでもらいたいです。その中で一つだけ教室に置くことができると言われたら、今のところ『ブッダ』かなーと思いますが、その他の作品も事あるごとに(時機良く)紹介し、促していきたいと思います。手塚作品一発目のレビューなのでこういう感じになりました。

  • 「相手に勝って、自分の正しいと思うことを実現すること」が、えらいのではなく「相手の考えを理解して、一緒にうまくやっていく方法」を考えれば、それで済むような気がします。

    でも、人類史上そんなかんたんなことができていない訳です。

    http://life--design.com/book/2012/01/post-177.html

  • 実は手塚治虫は未来からやって来たんじゃないか?と思うほど、未来の事を予測している。だけでなく過去についてもまさに、自分が行って来たように描かれている。コミカルにしかし、胸を打つ。愛、友情、使い古された割には何より重要なものは、時代を超えてもより大切に思える。もう一度読み直してください。まだ読んでいない人は運がいい。こんな素晴らしい世界をこれから体験できるのだから。そして悲観しないで欲しい。未来は自分の力で悲惨にも素晴らしくもなるのだから。

  • 手塚先生の後世まで語り継ぐべき不朽の名作。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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