ウシがゆく―植民地主義を探検し、私をさがす旅

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著者 : 知念ウシ
  • 沖縄タイムス社 (2010年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784871276429

ウシがゆく―植民地主義を探検し、私をさがす旅の感想・レビュー・書評

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/
    沖縄に生まれたラディカリズム
    「私は日本人ではありません。沖縄人です。私を日本人と呼ばないでください」

  • 知念ウシというウチナーンチュ(沖縄人)の記事をまとめた本。
    「日本ー沖縄」という関係性における支配と隷属の不条理をイチ個人の視点から告発している。
    薩摩の沖縄侵略、戦争における集団自決、米軍基地の7割以上は沖縄に集約されている...沖縄にとって、戦争はまだ続いているとウシは主張する。ウシは自らをウチナーンチュ、本土の人間をヤマトンチュと「脊負うものの違い」を区別するためにはっきり呼び分ける。ヤマトンチュは非難の対象ともなる。

    はっとさせられるところ、
    日米の人間関係に照らし合わせて共通点を感じるところ、
    著者の思考プロセスが全く好きになれないところ、の3つでした。

  • 私が沖縄の米軍基地問題について関心を持つきっかけになった本。

    「基地問題」が沖縄で普通に生活している人の目線から書かれてます。
    情報からではなく、まず感情や情景から入って行く所が、このテーマの本の中では結構珍しいかも。読みやすいです。

    「この人(著者=知念ウシさん)は怒ってる」って感じて、軽くショックを受けました。
    沖縄の人はいつもニコニコしてるっていうイメージはこっちの勝手な思い込みで、本当はずっと怒っていたのかもって。
    …かもじゃないか。

  • 1月に、金時鐘さんの講演会「私の日本語の由来」へ行ったとき、そのあと途中まで電車で一緒だった『We』読者のももんがぁさんに、いま読んでる本と見せてもらったのが、この『ウシがゆく』だった。どこかで聞いた名前と思ったら、『植民者へ』の本にも出てきた人だった。

    読み終わったら貸そうか~と言われ、こっちでも図書館でリクエストしてみますとすぐ後にリクエストしたのを、待って待って待って、やっと4月半ばに届いた本。ヨソからの相貸で、図書館で借りるとき「買いたかったんですが、買えなかったんです」と言われる。え、買えないの?まだ半年くらい前の本やけど…。

    返却をぎりぎりまで延長して読んだあと、この本は手元においてくりかえし読みたいと思った。沖縄語とか、わからへんとこもあるけど、そのわからへんのを何べんも読もうと思った。

    それで、本を探して本屋をハシゴした。(版元の在庫があるのかどうか、amazonではえらい値段のものしか出てこない。他のネット書店も「在庫僅少」。ということは、本屋に在庫があったら買えるなと思い…)

    梅田に新たにできた丸善&ジュンク堂にも、初めて行ってみた。「何でもあるよ~」と噂を聞いていたが、残念ながらこの本はなかった。棚も見にいったが、やはりなかった。ついでに「フェミックス」の本を検索してみたら『ひげのおばさん子育て日記』が1冊だけあった(残念なことに、一番新しい本『ベーシックインカムは希望の原理か』はなかったし、『We』や他の本も、検索結果としては出てくるが、ひたすら「在庫なし」)。ほかに、私が(あったら買おうかな)と思っていた本もいくつか検索してみたが「在庫なし」。図書館でのリクエストと同じで、私のツボが「売れ筋」をはずしているのか…。

    帰りに紀伊國屋でも在庫を探してもらうが、「注文の場合も、入るかどうかを含めて、かなり時間がかかります」と言われる。大きな本屋を二軒まわって、くたびれたので、とりあえず帰ってネット書店にトライ。実店舗にはなかったけど、丸善&ジュンク堂。関西の店舗には「在庫なし」だが、店頭在庫がある店も。そして、2日ほどして、本が届く。買えたよ!と図書館につい言いたくなる。

    帯には大きく
    【植民地主義とのたたかい】
    とある。

    怒りとどう折り合いをつけるか、ウシさんが、アメリカ・インディアンのプレシラさんとの話を書いた「あなたは怒っている、なぜならあなたは正しいから」に、ウシさんの怒りを読む。

    ▼日常生活を送っていくために、征服者に対する、己の身を滅ぼすほどの怒りとどう折り合いをつければいいのだろう。どのようにしたら怒りを「克服」できるのか。教えてほしいのはそれだった。プレシラさんは答えてくれた。
    「私は『克服』なんかしていない。こんな状況を毎日見せつけられるのだから、怒るのは当然。私が少し落ち着いて見えるとしたら、年齢のせいかも。二十年後はもっと『丸く』なっているかもしれないけれど、私はまだ怒っているはずよ」
    (p.198)

    『植民者へ』に収録されているアシス・ナンディ氏へのインタビューについて書いた文章も、印象深かった。

    ナンディさんに会いたくてインドへ行き、会えばツーカーで沖縄のことを話せるだろうと楽しみにしていたのに、植民地主義研究のマギー(権威)であるナンディさんは沖縄のことをあまり知らず、当初の会話は「シーン」となってばかり、ウシさんはがっかり。それでも、その後も交流をつづけ、ナンディさん、妻のウマさんと友だちになっていった。

    ▼ナンディさんは植民地主義の特徴の一つとして、被植民者が互いに学ぼうとせず、欧米など支配者のほうに憧れる、というのをあげた。だからこそ、私が沖縄からインドへナンディさんのもとへ植民地主義を教えてほしい、とインタビューに行った意味を、もうわかっていた。だから、英語がうまくいかなくて、私がしどろもどろになったり、とんちんかんな受け答えをしても、忍耐強く丁寧に親切にわかりやすく話してくれた。そこには植民地主義を克服するために、被植民者同士が学び合うための英語が実現されていたと思う。(p.153)

    「こんなこと感じている私はどこかおかしいのだろうか」と、長い間一人で思っていたウシさんは、ポストコロニアリズムに出会い、書くことで応えてくれる人たちに出会い、「カマドゥー小(ぐわー)たちの集い」の女性たちと出会い、そのなかでこの本になった文章を書いてきた。

    「私たちは反基地運動をしているのではない。沖縄でただ生活しているのよ」(p.286)
    時々カマドゥーの誰かがこう言うとウシさんは書いている。ただ生活しているなかにある植民地主義、"日本人の植民地主義"。自分のところで、自分の生活のなかで、私ができることはなんだろうと思う。

    届いた本をまた読んでいる。ももんがぁさんとも、読んだ話をゆっくりしたい。

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