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- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784871885072
作品紹介・あらすじ
歴史を読み解く愉しみ。シャープで大胆な発想、周到な史料検証の手際を公開しながら第一線歴史家がつぎつぎに覆す通説。時代・地域を越えた比較の手法は新しいなぞ(問題)を引き出す。
感想・レビュー・書評
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産業革命に関する本を読みました。非常に興味深い本でした。この本では、職場を熟練度、職業集団の自立度の2点を軸として、4つの類型に分けています。第1の類型は、熟練度が高く、そして、会社が労働者を直接管理する職場である。古きよき日本の大企業を想像してもらえればいいです。残念ながら、その伝統は、崩れつつあります。第2の類型は、熟練度が高く、そして、会社ではなく、親方が労働者を管理する職場である。従来、産業革命以前の典型的職場と考えられていました。僕は、大学教授と大学院生の関係を連想しました。第3の類型は、熟練度は低く、そして、会社が労働者を直接管理する職場である。従来、産業革命以後の典型的職場と考えられていました。第4の類型は、熟練度は低く、そして、労働者自身を直接管理する職場である。この類型は、あまり重要ではありません。産業革命は、第2の類型から第3の類型への変化と考えられてきました。しかし、この本によると、現実は、そう単純ではないようです。第3の類型は、産業革命により、ある程度増加しました。ただし、微々たる動きに過ぎませんでした。この分析を読むと、三井、住友等の江戸時代の日本の商家は、非常に興味深いです。日本の商家は、従業員の管理を親方ではなく、直接おこないます。また、熟練度が非常に高いです。つまり、第4の類型です。そう意味では、現在の日本企業の原型なんですね。再読の価値があります。
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