複雑系入門―知のフロンティアへの冒険

  • NTT出版
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784871885607

作品紹介・あらすじ

概念理解にとどまらずもう一歩踏み出して、自分なりに勉強してみようという人への好ガイド。慶応大学SFC「複雑系勉強会」の成果をもとに、複雑系の全体像をわかりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 複雑系の全体像と研究者の紹介があって、入門に最適。
    複雑系は30年以上前くらいに流行していたのに、近年研究成果がほとんどない領域。しかし、脳を始め、およそ集合体として創発を起こすシステムは複雑系という共通言語で語られるはず。
    神経回路モデルを研究するならば無視できない、むしろ、優先的に学ぶ領域に感じる。

  • フラクタルやカオスを足がかりにした『複雑系』というタームを軸に、還元主義を拒否した構成的・帰納的手法によって経済学・進化論・生態系・脳神経科学といった異分野が統合的に見直されて、経済や脳の全く新しいモデルや人工生命の可能性を示す。その根底に科学哲学やら排中律やら不完全性定理やらに通じるような話題も見え隠れする。気味が悪いくらいいろんな物が統合された領域である『複雑系』を紹介する本。

    ただ、この本に限っては妙な誤解も多い印象。特に科学哲学やそのベースにしてる不完全性定理に関して。「科学革命の構造」かぶれって感じ。通訳不可能性とかそれへの批判とか、ちゃんと分かって書いてるのかな。

    純粋に自然科学的な記述に限れば、概して興味深い話題が詳細な事例とともに紹介されていて非常に面白い。「その論理はちょっと無理があるんじゃない?」って気がするような研究も含め、複雑系を理解すべくいろんな研究者が知恵を絞っている様子を垣間見ることが出来て、その成果をちょっとつまみ食いできる。

    1998年発行ということで、この本から十数年たった今、複雑系はどうなっているのか、現状が知りたい。

  • システム全体の文脈によって、構成要素の機能やルールが変化
    する仕組みのことを「複雑系」というそうです。
    構成要素の機能が変化すると全体の文脈も変化し、それによって
    構成要素の機能も変わるというループをもつのが特徴。なので、
    個々の要素が相互作用しているので、分解して構成要素を理解
    しようとしても全体像がつかめない。こうしたダイナミックな
    特徴は、生命の仕組み、自然界や社会活動においても、たくさん
    見られますね。ずいぶん前に紹介した「動的平行」という概念も、
    この領域の考え方に近いと思います。

    秩序とカオスの間を、「カオスの縁」という表現で複雑系科学
    ではとらえています。じつはこうした「カオスの縁」が、各構成
    要素の機能変化をもたらし、個々の関係性に影響をあたえ、
    システム全体が新しい秩序を形成する。この状態を「創発」という
    のだそうです。

     対話を通じて新しいアイディアを思い付く、
     喧嘩を乗り越えて深い人間関係が築かれる、
     新しいルールや考え方を導入し組織の生産性が上がる、

    「創発」による成長を有むには、「カオスの縁」となるような
    刺激が必要なのですね。

    この本は、基本的な考え方から、人工生命、進化と遺伝、経済学
    への応用まで、ざまざまな領域での「複雑系」科学の取り組みが
    紹介されています。理学部数学科の学生にとっては入門かもしれま
    せんが、素人の私には難しい。でも、なんとなく新しい知的領域
    に触れただけで、私にとっては充分「カオスの縁」体験なのであり
    ました。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/680600

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  • 【由来】
    ・amazonで「複雑系」の関連本。レビューで評価が高いので。

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】

  • シミュレーションとは何かや、シミュレーションを用いる意義、シミュレーションによる「構成的理解」とはどういうことか等について、文献から学んでください。

    ・序文
    ・第1~3章

  • 広く浅く解説してある

  • 津田先生が出ています。知っている先生もたくさんいます。

  • 学生がこれをかいて、今なお教科書としての実用に耐えるという点で、素晴らしい。

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著者プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部教授。
専門分野:創造実践学、創造哲学、未来社会学。

「2023年 『総合政策学の方法論的展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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