スペイン巡礼の旅: パリからサンティアゴ・デ・コンポステーラへ (気球の本)

著者 :
  • エヌティティ出版
2.80
  • (0)
  • (0)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 19
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784871886321

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本から一番アクセスしやすいのはパリ起点ルート。1日40-50km歩いたとして40-50日、2-3000kmってこと…だったかな。

  • 私は1995年に書いた修士論文で,写真家田沼武能(たぬまたけよし)を研究対象にした。その一部が,1997年に『人文地理』に,2001年に『地理学評論』に論文として掲載された。その他にも,実証以外の部分に関してはちょこちょこ論文の一部として発表してきたが,長大な修士論文にはまだ活字化されていない部分がけっこう残っている。というか,田沼武能氏のテーマがけっこう多岐にわたっているのです。
    そんなことで性懲りもなく,最近その一部をまた論文化しようとたくらんでいる。世界中を飛び回っている田沼氏が,比較的腰を落ち着けて撮影している地域が2つある。一つは南米アンデスの山間に暮らす人々の地域だ。国でいうとペルーやホンデュラス。もう一つはスペインのカタルニア地方。それぞれ主要な大判の写真集が1冊ずつ岩波書店から出版されている。また同時にこれら2つの地域については,多数の写真を用いた旅行記の類も書いているのが特徴。本書はそんな,カタルニア地方と関係の深い巡礼の旅を記した旅行記である。といっても,行政地域でいうところのカタルニア地方はこのサンティアゴ巡礼の道筋にはほとんど含まれない。カタルニア地方には古いキリスト教の寺院や修道院が多く残されており,田沼氏はそれらに深い感銘を受けていたのだが,このサンティアゴ巡礼も非常に古い歴史を有した巡礼であり,それと同時にその経路にはカタルニアと同様のロマネスク的風景や人情を残している。よって,彼が求めるものは特定の地理的範域に限定されたものではない。
    実は,この巡礼路を辿る旅は田沼氏と矢野純一というフリー・ライターによって1980年代に行なわれている。その成果は1988年に田沼氏の単著『ヨーロッパ巡礼物語』(グラフィック社)として出版されている。それが今回は矢野純一氏の文章に田沼氏の写真を添える形で出版された。田沼氏の1988年の文章はきちんと読んでいないが,同じ写真も多く掲載されており,明らかに10年前の旅行記を用いたものである。まあ,本書はNTT出版の「気球の本」という新書サイズのシリーズだからよしとするか。
    そういえば,この巡礼路,どこかで見た記憶があると思ったら,2年前に日本でも公開されたフランス映画『サンジャックへの道』だった。サンティアゴはフランス語ではサンジャック。なんだ,もっと真面目に歩くシーンを観ておけばよかった。ともかく優等生的な旅行記。特に私のような読者にとっては面白みに欠ける。といっても,きちんと体験記あり,調べものによる地誌的・歴史的知識ありのコンパクトな旅行記です。

  • サントドミンゴデラカルサーダには、白い鶏がいる。
    一人の青年が冤罪のため絞首刑になるところを、聖ドミンゴの奇蹟によって救われる。その物語の主役に白い雄鶏と雌鳥が登場する。
    スペインでも、あまり日本人が行かないようなところが紹介されている。

全3件中 1 - 3件を表示

矢野純一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×