- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872116434
感想・レビュー・書評
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米国の外科研修医の実経験をとおし、医療現場で医師が何を考えどう判断しどう行動するのか、その実態を克明に描いた書籍。
不完全、不可解、不確定という目次の文字通りの状況が医療現場の実態であり、医療(という科学)に対する自身の考えが大きく変わった。
医療現場とは論理思考とは異なる直感・経験に基づくアプローチが行われる場であり、それを支える極めて重要な要素が日々の個々人のPDCAであることが分かる。(組織としては…?)
判断を誤れば人を殺してしまう、あるいは人生を左右する影響を与えてしまう。その意味で究極の現場で働く個人としての成長の要素が学べる良書である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現役医師である著者による、医療現場における様々な状況・葛藤・考察を忌憚なく述べた名著。
実際の医療現場で起こっている状況について、過去の科学的調査に基づく知見を説明しつつ、人間的な判断が迫られる医療現場の現実を描き出している。
第三部3章の「体はだれのものだろう?」は、自身の健康維持管理が求められる30代以上の人間には参考になる。
そして、圧巻は第三部3章の「赤い足の症例」。
人喰いバクテリアに侵された患者の治療に伴う、医者の直観と理論的判断の葛藤、確率的にはほぼありえない症状に見舞われた患者とその家族の困惑を迫力ある形で描き出している。そしてラストを飾る患者自身へのインタビューが美しい。
この作者のその後の著作を読みたいと思わせる名著。 -
2004年11月7日の新聞で知りました。病院の内部のことが分かるということで、興味を持ちました。