朝日新聞の戦争責任: 東スポもびっくりの戦争記事を徹底検証

  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872332360

感想・レビュー・書評

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  • ざっくりというと、マスメディアの一つ朝日新聞には、権力監視の機能や、ジャーナリストとしての矜持などまるでなく、ただ、政府、有力者の顔色だけを伺い、国民を欺く事など何とも思ってない唾棄すべき存在だということ。

    自らの思想意見などは持ち合わせていないので、戦争が始まれば国や軍部の発表を大げさに、さらにはありもしない記事を捏造し、戦争遂行に大いに貢献する。

    そして、戦争が終われば、水に落ちた犬は叩かなければ気が済まないと叩きまくる。
    東に壊れた原発があれば怖がらなくてもいいといい、西に嘘つきの老婆がいれば一緒に金をふんだくろうと誘い、編集委員は関係先に転出しあぐらをかいて、自らの意に沿わないことがあれば言論弾圧だと騒ぎ立て、消費税は増税しなければ国は沈むと言いながら、自らは軽減税率の対象として欲しいとロビー活動を行う。
    そんな姿が、記事の現物とともに襲いかかってきて、読者を叩きのめす。
    まあ、悪いことは言わないから、マスコミの言うことは半値八掛け二割引で聞いた方が良いと再確認させてくれる。
    最終章で少し良心を持って戦った新聞が紹介されているので少しだけ気分が穏やかになるが、本文中は呆れるやら腹がたつやら。
    そんな風な新聞も、読者がゼロになれば淘汰されるはず。
    もう、やめませんか?新聞とるの。

  • 太平洋戦争中の朝日新聞記事を引用しながら検証。積極的に戦争を賛美し、自ら進んで戦争を推進した事実。戦時中の新聞が言論統制の被害者だったのか。朝日新聞の戦時下の紙面を見ることで、現代の新聞の問題も見えてくることを願う。

    挑発的なタイトルですが、朝日新聞だけの、というより、日本を代表する新聞であり、他の新聞の紙面とも大同小異だったから、ということだそうです。

  •  毎年、終戦記念日が近づくと読み直している一冊です。
     左寄りの新聞の最右翼(って、わかりにくいなぁw)である朝日新聞が、戦前どれだけ戦争を煽りまくっていたか。当時の記事を引くことで、その実態が浮き彫りになっています。その戦争礼賛報道たるや、戦時下の言論統制下にあったから仕方なく…なんてレベルではありません。ノリノリですw

     戦前のことだけを以て、現在の朝日新聞を断じるつもりはありません。
     しかし、本書を読んで「うわぁ…」と感じるのは、当時のひどさよりも、今もそのメンタリティが根本的な部分で全然変わっていないという事です。
     戦前は思いっきり体制に迎合した記事を書き、戦後はその真反対に振れただけ。特定の思想・価値観に基づいて偏向した報道をしている点では変わりありません。
     言ってることとやってることが全然整合しておらず、言論機関として説得力がないのもこの頃からの伝統です。
     戦争責任をやたら言い募る割に、自分たちが戦時中に国民を煽りに煽ったことの反省は、昭和20年11月7日朝刊一面下の囲みコラム一つでケリをつけています。
     本書は以前別の出版社から出ていたのですが、引用記事について朝日新聞が版元に対して著作権を主張し、絶版の憂き目に遭っています。確かに著作権は認められるべきでしょう。ただ、普段から国民の知る権利を担保するためと、取材の自由や報道の自由を高らかに謳い、社会の木鐸・公器として振る舞ってきた新聞社が、過去の戦争報道という極めて公共性の高い批判的検証について、著作権という私権を盾にその出版を差止めさせるというのはどうなんでしょうか? 個人的にはどの面下げて政治家に説明責任を求めるんだろう、と思うところです。

     言論機関の言論内容ではなく、言論行為や言論態度、言論者としてのモラルを考える上で、非常に参考になる本です。

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