方舟

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  • 太田出版 (2000年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872335545

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方舟の感想・レビュー・書評

  • 現実に在る終局というものはアルマゲドンの隕石みたいに分かり易い形ではなくて、多くの場合この漫画の中でサーーっと降り続ける雨のようにただ淡々と忍び寄ってくるものだろう。

    群像劇的な手法で様々な人間が描かれるが、僕がこの漫画で一番恐ろしかったのは明らかに目の前にまで致死的な危険が迫っていても、フワフワしたままなんとかなると他人事のように考えていて死ぬまで自分のことを当事者として本気で考えることのできない人々の存在だった。

  • 何を伝えたかったんだ?最後までわからなかった。でも、引き込まれた。

  • 地球最後の日ってこんな感じか。

  • ハリウッドは世界は一気に破滅すると唱えるが、この本のようにジワリジワリと破滅することもありうる。
    そしてジワリジワリと破滅する時にはヒーローは現れない。
    世界だけではない、国も、企業も、家庭も、個人も、ジワリジワリとくる破滅には逆らえない。
    怖い。怖すぎる。
    トラウマになる。

  • 戦慄…

    やまない雨はないなんて、幻想なのかもしれない

  • まさしくサブカル的、といえばいいのかな。氏の描きたい世界観が一冊かけてだらだらと、しかしながら確かな鋭さを持って伝わってくる。注目すべきはその表現力だろう。ノアの箱舟の神話になぞらえ、世紀末の時世にあった場末感を表現する。突然降りやまぬ豪雨に見舞われ、水没しゆく都市。その災害を発端に脆くも崩れゆく人の精神のうねり、絶望感をコミカルに、ふわふわと滑稽に描く。この作品にどことなく漂う軽さが、この作者の特徴であり、作品一番の見どころだと思う。

  • まさに今、沢山の人にこの漫画を読んでほしいと思う。

    私達はやまない雨の中で生きている。
    雨のやむ気配はない。
    濡れ続けながら…自分の終わりに向かって進んでいく事を始めよう。
    いつの日かこの雨がやむのを願いながら。
    読み終わってそう思った。

    この漫画に光を見出す想像力を私は持っている。

  • 延々と降り続く雨がもたらす緩慢な滅び。ノアの方舟を題材に世界の崩壊を描いていく。

    2000年に出版された作品で、先の見えない平成不況への不安か、単純に世紀末への不安か、当時何を意図して描かれたかはわからない。しかし、いまこの2013年という時に読むなら、そこで描かれるのは明らかに3・11後の世界であり、雨は原発の放射能そのものである。多くがその可能性を否定しつつ、しかし皆が僅かながらにでももしかしたらと思ったであろう核の惨禍。大丈夫、大丈夫と言い聞かせながら、じわじわとそして着実にせまる終末。終わりはある日突然カタストロフとしてやってくるわけではなく、日常と地続きにゆるやかに実現する。事後的にみればその予兆も対処の時間もあったはずだが、誰もが目をそらし続け、気づいた時にはとっくに手遅れとなっている。

    そしてなにより、そこには希望が入り込む余地はない。戦災にしろバブル崩壊にしろ宇宙人の侵略にしろ、物語に描かれる崩壊には焼け跡からの再生という希望、あるいは一発逆転的な希望が常に含意されている。しかし、しりあがり寿はそのような生易しい希望には与しない。緩慢な衰退ののちやがてすべてが死に絶えるという確信、カタストロフよりもはるかに冷酷な死のビジョンだけがそこにはある。
    しりあがり寿には、3・11を直接に描いた傑作である「あの日からのマンガ」がある。これは原発事故と現在進行形で向き合った結果であるが、10年も前にその想像力だけでものされた本作もまた3・11を考えるうえで外すことのできない作品と言える。

  • 読みながら、止まない雨はないってことわざが頭をチラチラ。日本人にとって身近な雨で、人間の日常に溶け込んでいる水が、こんなにも簡単に終末をもたらす。止まない雨と、方舟というキーワードだけで、夢見ることをやめてただひたすら笑っているだけの私たちを諭す。
    しりあがり寿マジすげーってなった。この画でしか描けない狂気があるよね。最後のカップルの女の子の死体が巡る、水に沈んだ東京と対象的な全てを呑み込んだ水面が太陽でキラキラしていて綺麗だった。あと表紙の方舟の字体がとてもいい。

  • 「輝ける未来の代わりに、美しい終末を描きたい」と書いてある。

    想像力を発揮できるのは、前向きな未来ではなく、十分美しいこの世界がどう終わっていくか、にあるという。

    このほうが、生が浮き彫りになっていく。

    ひねくれてはいるが、すごく前向きに一生懸命な人なんだろうなと思う。

    坂口安吾みたいな。

  • あの絵でこんなシリアスなストーリーって……と絶句。
    1999~2000年にかけて、つまり20世紀末に連載された、予言の書。
    あの絵なので(しつこいよ☆)怖さが減殺されるかというと、
    そんなことはなく、意外に人の死にっぷりが生々しくリアル。
    自然災害が多い日本においては、現実味があり過ぎてゾッとする。
    過疎の村に、出て行った若い人たちが帰ってくるという第8話は、
    最早「別次元」の話=待っている側が見た束の間の夢なのかと
    想像すると切ない。
    それにしても、目ぇキラキラさせてた高校生カップルが悲しいなぁ。
    とんだ名作です。

  • 嫁さんは読後に「何これ救いないじゃん!」と激怒してたけど僕は絶望的な状況の中でも愛し合い、夢を信じる人達の姿に感動しました。
    ダンサー・イン・ザ・ダークを観終えた時の感覚に近いかな。

  • 混乱と恐怖と絶望と死を生々しく感じられる作品。落ち込んだ気分から抜け出せない。

  • この期に及んで救いだと?ってな感じの一冊

  • 絶望を味わう本。

  • しりあがり寿ってほんと絶望するほど生々しい人間らしさをかける人だねぇ・・・

  • 「夢が見られない、未来を想えない、
    そんな世界はそれ自体で間違っている」
    ということばが脳裏に浮かんできた(『ブギーポップは笑わない』)

    21世紀になってもこの世界は何も変わっていない。
    ならばこの想像力が欠如した世界で、わたしたちには
    何ができるのだろうか。

    とびきり美しい終末を思い描くことだろうか。
    それとも、無力だと思いながらひたすらに戦うことなのだろうか。

  • 最後がとても好き。

  • 個人的には「ジャカランダ」とならんでしりあがりマンガ傑作の一つだと思います。現代人の「死」に対する見つめ方をしりあがりさんなりによく表現していると思います。

  • 「終末」って言葉から連想してしまう(してしまった)残酷も暴力も甘い美しさもない。期待以上のしりあがり寿。この人のマンガは誰にも真似できないんじゃないの?

  • 建築家の乾久美子さんの推薦図書になっていたので読みました。絵は正直、しりあがり節なので評価しづらいのですが、その絵で、これほどまでに人間の死を前にした色々な感情、ドロドロ感を出せるのはすごい。読むべし!

  • しりあがりさんの中で一番好きです。

  • 「私が選ぶ漫画ランキング」などの企画に必ず上位につけるので読んでみました。

    漫画って力を持っているんだと思い出させてくれました。
    このおじさん。やります。

  • 世界の終わり。
    壮絶だ。壮絶なのだけれど、誇張などないような。世界の終わりを迎える私たちは、ここに書かれた登場人物のだれかになるのだろうと思った。リヤルの果て。

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