明暗 (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
3.45
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本棚登録 : 166
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872579338

作品紹介・あらすじ

妻との贅沢な暮らしを断てず、親から経済的に自立できずにいる会社員・津田は、ある日かつての恋人・清子の居所を知らされる。家族、親戚、妻、旧友、過去の恋人…。優柔不断で利己的な男をとりまく人々の思惑が交錯する人間ドラマ。精密な心理描写で人間のエゴイズムを追い続けた文豪、夏目漱石の絶筆となった未完の長編を漫画化。

感想・レビュー・書評

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  • これから面白くなると言うところで終了。
    未完なのが残念。

  • 夏目漱石の突然の死により未完となってしまったこの作品。
    面白そうな展開になりそうな場面だっただけに続きが気になる。
    登場人物がどのように「明暗」を分けるのか...。
    想像で楽しむしかない。

  • 夏目漱石の遺作。夏目漱石の死により未完のまま終わる。

    優柔普段な主人公津田由雄。昔の恋人清子のことが忘れられない。その想いを妻には悟られまいとする。所帯を持ったにもかかわらず妻との贅沢な生活のため、親の援助を受けている。自らは決して妻を愛していないことを悟っている。痔の手術のため一週間入院する。しかし父からの仕送りが途絶え、お金の工面に苦労する。

    妻お延。お嬢様育ちで世間知らずなところがある。由雄を愛しさえすれば愛されると思っている。由雄の昔の恋人の存在に気づく。

    昔の彼女の清子もお延も由雄に引き合わせたのが吉川夫人。由雄の放漫な生活の原因が、清子への想いが断ち切れていないことにあると見破る。由雄の見舞いの際、なぜ清子が去っていったのか自分で確かめるよう由雄に促す。

    そして由雄は清子が療養中の湯河原の温泉へ。そこで再会を果たす。そして・・・(幕切れ)

    他の登場人物
    ・藤井家:由雄の叔父。由雄の父が仕事で不在がちだったため、たびたび藤井家に世話になっていた。
    ・小林:友達。貧乏。昔の由雄を知っている。由雄から外套をもらう約束をし、由雄が入院中津田家におしかけ、由雄に他に想い人がいることをお延にほのめかす。
    ・妹・お秀:倹約家。由雄の金遣いの荒さを快く思っていない。入院費の支援をしようと申し出るが、贅沢を改めようとしない由雄に憤慨する。
    ・岡本家:お延のおじ。由雄の入院費を工面する。

  • まんがで読破を読破しようシリーズ。
    夏目漱石は高校の時にたいてい読んだと思うけど、明暗はまだ読んだことがなかったんだと思う。
    明治のダメ男を描く漱石の典型的な話だと思うけど、未完のままこれが絶筆に。漱石はどんな結末に持っていきたかったのか。小説だとするならば、清子さんに走ってしまったんでしょうね。でも、漱石自身の話がベースだっていうから、そこまで突拍子もないことにもできなかったかもね。

  • [墨田区図書館]

    ふとみた図書館のティーンズ本コーナーで見つけた、「まんがで読破」シリーズ。知る人ぞ知るで有名なシリーズのようだったけれど、これまで知らなかった!のでとりあえず息子が読みそうな「昆虫記(ファーブル)」と「動物記(シートン)」、続いて「おくの細道(松尾芭蕉)」と「銀河鉄道の夜(宮沢賢治)」、更に「十五少年漂流記(ヴェルヌ)」と「緋色の研究(コナン・ドイル)」と読ませ、「黒死館殺人事件」と「クリスマスキャロル(ディケンズ)」まで何とか読破。

    そろそろ絵本チックなものも少なくなり、思想文学的なものが残ってきたので、「吾輩は猫である」と「こころ」「明暗」を始め、墨田区に5冊所蔵されている夏目漱石シリーズを読ませてみようと画策。上手くいけば次はヴェルヌものか、多少物語化されているならダンテの新曲などに転んでみようか。

    「明暗」は中学レベルの国語でよく「こころ」と並んで問題にされる話。やはり漱石のようなわかりやすい文体から人物の複雑な心情を読み取るのは、問題として使いやすいんだろうなぁ。ただ、この話も実際には読んだことがなかったので、未完の話だということを、今回初めて知った!そっか、まるっきりすねかじり状態の若夫婦はこの後どうなってしまうんだろう、そしてきっと夫の方は昔の女性を追いかけるんだろう、と思わせはするけれど、いずれにせよ漱石の筆は読めない話だからな、あくまで想像か仮想追筆でしかわからないよな。

  • 作者の夏目漱石が死んだので、未完で終わっている。男性が好きな人がいたのに、好きでもない人と結婚してという話だ。女性からのアプローチによって結婚することになった。女性は、好きな人と一緒だから、幸せだと言い聞かせているのが、痛々しかった。女性が好きでないから、もともと金持ちの家なので、贅沢を満たしてあげて、家計が苦しくなる。女性は本当にそれを望んでいるのだろうか。愛がないから、物で満たしてあげているみたいだ。

  • 湯河原、松山などを舞台とした作品です。

  • 漱石、未完の作品。

    ええええーーーーーー、すごいイイところで。。。
    続きが、「昔の女」が気になって気になってしゃーない。

  • これからって時に未完で終わるなんてあんまりだ、面白い展開にだけに非常に口惜しい。

    利己的で優柔不断な由雄を愛する妻お延、夫には何かしら秘密があるその鍵を握るお秀という女性の登場で幕をとじる、どうしてもドラマチックな展開を予想せずにはいられない、人物一人一人の作り見せかたが面白く、続きはきになるが未完でも楽しめる作品でした。

  • 3月15日読了

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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