- Amazon.co.jp ・マンガ (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872579734
作品紹介・あらすじ
航空郵便の黎明期、南米路線を運営するリヴィエールの指揮の下、飛行士たちは己の命を懸け、前人未到の危険な夜間飛行に挑んでいた。事業の確立のため、あえて冷徹に部下と接するリヴィエールだが、ある夜、勇敢な飛行士・ファビアンの機体が遭難してしまう…。自らも飛行士としての経歴をもつ作家・サン=テグジュペリのベストセラーを漫画化。
感想・レビュー・書評
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もう一度原作を読み直したいと思った。
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サン・テグジュペリといえば、「星の王子さま」の作者としてだけしか記憶がないお粗末な読者だったが、その原点となるこの「夜間飛行」は、フランス人のパイロットで小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる代表的な小説なのであった。
このシリーズはその企画の宿命でもあろうが、端折ったり、まったく別の構成にしてみたり、或いは一解釈の押し付けだったりするわけだが、本作は原作の完成度が高いからであろうが、とても臨場感があり、漫画としても読み甲斐があり、成功しているのではないかと思う。
自身の経験を活かしたリアリティあふれる空の旅は、ロマンチックな題名での勝手な想像とは裏腹に、危険きわまりない夜間飛行だった。
事業、仕事、男のロマンと勇気、内に秘めた確執が、アンデスの嵐、パラグアイの星座、パタゴニアの暴風を織り交ぜながら、悲しい上昇へと向かってゆく力作であった。 -
この人をこんなにしてまで
橋を架けねばならんのかね? -
理想のために、あらゆる幸福を犠牲にして、進み続ける孤高のリーダー像が描かれています。,ビジネス本としても引用されることが少なくない本書ですが、やはり「星の王子さま」との落差が印象的です。「夜間飛行」的生き方に、疲れ果てた末に「星の王子様」の諦念とともに死がを匂わせる雰囲気がただよう世界観に行き着いたとみると分りやすいのですが、そんなに単純なものなのでしょうか?
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まんがで読破を読破しようシリーズ。
「星の王子様」で有名なサン・テグジュペリの「夜間飛行」
航空郵便事業の黎明期。船便や鉄道便との優位性を確立するため行われた夜間飛行。命を懸けるほどの仕事はあるのか。リスクとトレードオフとなる事業拡大。昔も今も変わらない課題。
マンガのタッチが途中雑になったような気がする。 -
[墨田区図書館]
実は、サン=テグジュペリの名前はもちろん知っているが、とりたてて読んだ記憶はない。代表作である「モモ」も、題名やあらすじ、あの表紙絵や厚さも含め本そのものを知ってはいるが読んだことはなく、この本に至っては題名すら、その存在自体を知らなかったので、今回良い機会になった。
星の王子様同様?、夢のあるような題名の割にはシビアな現実社会のお話。ただそこには、横暴さでの厳しさではなく夢と信念を持った人が描かれ、しかも物語とはいえ、ノンフィクション的に現実の史実に沿った生きた描写がなされているため、読みごたえがある。どうだろう?少しは何かを感じ取ってくれたかな? -
解釈は人によって変わる?
リヴィエールは厳しさによって、開拓しようとしたし、ファビアンが弱くならないよう、強く言った。それこそが仕事が全てスムーズなると、思っていた。相手の気持ちを組んだ上で、そういう決断をしたリヴィエール。本当は優しくしたいが、管理者として、仕事として、もどかしいがそれは出来ない。