ジェノサイドの丘 上: ルワンダ虐殺の隠された真実

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872901580

感想・レビュー・書評

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  • 二年前のルワンダ初出張以来の再読。
    翻訳された日本語が分かりにくいですが、勉強になりました。
    果たして同じような状況が他国で将来起こった時に、一市民として、また国際支援機関で働いている者として、これを教訓に適切な対応が出来るのだろうか。考えさせられます。
    こういう仕事をしていると、どうしても鈍ってしまう。。。
    例えば、現在のソマリアの無政府状態での市民生活の困窮などに、何が出来るんだろう。。。

    (整理すると)
    ・94年のジェノサイドが起ってしまう前の60年代から始まるフツ族によるツチ族への圧力
    ・その前にさかのぼって宗主国ベルギーによる、「優良民族」ツチ族を利用した植民地支配
    ・ジェノサイドのフツ族支援におけるフランスの役割(フツ族を使ってフランス語圏を守るため武器や兵士を支援)
    ・ジェノサイド期間の国連など国際社会の無力・無関心
    ・ウガンダから反ジェノサイド勢力軍が盛り返して新政権を樹立した後、ジェノサイド首謀者を含むフツ族がコンゴなど隣国に逃げて、「難民」キャンプを作った際の難民支援団体など国際社会の厚遇
    ・ジェノサイド後のコンゴ/中央アフリカ情勢への波及

  • 「傍観者」による「傍観者」のための歴史。いかにも映画化を求めたような内容。ちょっと残念。

  • 1994年にアフリカの小国ルワンダで起こった、多数派フツ族による少数派ツチ族の大量虐殺。ゲリラや兵士でなく隣人同士での殺戮、機能しない国連・・・日本ではほとんど報道されていなかった事実が次々に明らかになります。胸が痛みます。

  • 19P ほぼ中央
    ”ほぼ3年にわたりルワンダ各地を~”の記述があるが、すぐ直前の軍曹との会話は、ルワンダでの虐殺から1年後にニャルブイェを訪問した際の会話であり、時系列に無理がある。原文がこうなのか?和訳時にこうなったのか?
    まぁ細かい話だけどね。

  • アフリカ・ルワンダでおきた、100日間で80万人が殺されたジェノサイド

    普通の隣人が殺人者になる

    あまりに普通の人々が殺しすぎたため、国際裁判が全く機能しない

    国連は知っていたのに、止めなかった

    「Shooting Dogs」はルワンダ大虐殺を描いた映画で
    いろんな意味で衝撃を受けた映画でした

  •  ルワンダ――この国名は、もはや私にとって他人事では済まされない。骨髄に刻まれた感がある。人間の狂気と寛容とを兼ね備え、殺した人々と殺された人々の家族が共に住む大地。その重みに耐えかねて、アフリカ大陸は窪んでしまっていることと想像する。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081012/p2" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081012/p2</a>

  • ノンフィクション。

  • ある日新聞を読んでいると「ルワンダで虐殺・数十万人死亡か」の小さなベタ記事。その後の続報もほとんどなし。「なぜこれがベタなの?」という思いがずっと頭に残っていた。アフリカは日本からも世界からも遠いらしい。

  • "この本の最初に「おそらくあなたはよりはっきり見たいと願ってこの本を読んでいるのだろうし、そして同時に好奇心を抱いてしまうことを落ち着かなく感じているだろう。あるいはこの極限状態から何らかの理解、何らかの内政、何らかの自己認識のかけらー道徳あるいは教訓、この世界でいかにふるまうべきかという手がかりといったなにがしかの情報ーが得られると思っているかもしれない。可能性がないとは言わない。だがことジェノサイドに関してなら、善悪などとっくにわかっているはずだ。ルワンダの物語をじっくり見ようと思うのは、無視するのが、その存在そのもの、そして自分のそれとの関係以上に恐ろしく思われるからである。」とある。そのとおりなのだと思う。13年も無視し続けてきたこと、それは自分の無関心からとはいえ、こんな悲惨なことが起きているのに何故何も知らなかったのかという反省からだったと思う。しかし読み終わった今、何が残っただろう。恐怖か、反省か、平和を願う気持ちか、何が残っただろう。とてもすべてを読んで理解できたとは思わない。ルワンダのことではなく、この本中かれたルワンダの状況。ジェノサイドは1994年が最初ではない。それは過去にも何度も繰り返されていた。しかし、その時点で何の方策も打たれず、ツチ族はフツ族と共存していた。多分近々そういった大規模のジェノサイドが起きることは公然とラジオを通してフツ族をあおり続けていたことから察することが出来たにもかかわらず起きている。ツチ族の中でその以前にルワンダを脱出した人もいたのかもしれないが、ほとんどの人たちはそこに住み続け隣人や友人に襲われることになる。読んでも読んでもそのあたりがわからない。この本を書いた人はそのあとにいっているのでそれ以前の事を聞いたツチ族の人たちは諦めきっていて多くを語らなかった性かもしれない。数で圧倒的にフツ族が多くても自己防衛のために武力で対抗する準備とかしなかったのだろうか。ルワンダに武力を持ったツチ族が他の国から帰ってきたとき、難民となって国を逃れたのはフツ至上主義者たちとジェノサイドを行ったフツ族と、今度はツチ族に殺されると思ったフツ族と、生き残ったツチ族だった。難民キャンプのなかで国連や人道支援団体に保護されたなかでもツチ族に対するジェノサイドは繰り返され、武力を取り上げられる事のなかった殺人者たちはキャンプを抜け出し周辺のツチ族に対しジェノサイドを繰り返していたらしい。

  • バットと鉈(!)を持って親戚同士殺し合う話。これが、つい最近の話だから、おそろしい。★ルワンダ中央銀行総裁日記に出てくるのどかな国とは隔世の感あり。

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