ジェノサイドの丘 下: ルワンダ虐殺の隠された真実

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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872901597

感想・レビュー・書評

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  • 国連に加盟している主要国はそれぞれの利害に関係する理由からそれぞれの立場を守り結局は何もしていなかった。援助という莫大なお金の流れは誰のためのものだったのか。第2次世界大戦のあと、ユダヤ人に対するナチスのジェノサイドをあれほど非難し反省したはずの世界なのに。ここに書かれているその背景が私の頭には複雑でちっともわからないのだけれども。権力やお金持ちのジェノサイド実行者ジェノシダレはさっさと亡命し自分の罪に口をぬぐう。列強各国は彼らを犯罪者だと知りながら受け入れる。ルワンダ国内には悲惨な体験に心も体も傷ついたツチ族たちが残り多分次にもまた起こりそうな気配のジェノサイドを予感しながら希望もなく貧しい暮らしをしている。私は日本国憲法、特にその前文と憲法9条は素晴らしいものなのだと最初に教えられた。其の内容がどんなものだったのかは酷くあいまいでほとんど忘れてしまっているが、「恒久平和」と「武力放棄」だったと思う。私はその内容を正しく理解するよりも先に「それは素晴らしいもの」と教えられ受け入れた。それは私の祖父母が「天皇陛下のために戦争にいきお国のために死んでこい」とわが子を戦場に送り出したのと同じなのだと思う。そうインプットされたものが変えられない。難民キャンプのなかでフツ族の女たちはツチ族を抹殺するためのフツ族を産むように強制的に妊娠させられたとあった。そんな中で育った子どもたちは、其のこと事態の善悪を理解する以前にツチ族を殺すことをインプットされていく。1994年のジェノサイドはそうして育った人たちが手を下し、そして難民となった。中にはこの無意味さを、この状態の異常さを理解できるようになりながらも手を下した人もいるだろう。しかし本当に良くわかっている人たちはさっさと国を離れのうのうとしている。この国は13年たち、其の間も何回か小さなジェノサイドが繰り返されながら、ツチ族とフツ族が共存している。外務省のホームページから見ると今は平和が維持されているが渡航には充分注意または見合わせるようにとある。真実が見えない。私は結局ほとんどこの本の内容をわかっていないのかもしれない。作者の言うように「無視すること」を恐れただけかもしれない。ただ、どうしようもなく虚しい気がする。ルワンダという国にも、世界にも、自分自身にも。私は今まず身近な憲法問題を理解することからはじめようと思う。"

  • (後で書きます)

  • ざっくり言って、上巻はそれまでの流れと虐殺の発生まで、下巻はその後、という感じか。
    やっぱり翻訳が今一つだったけれど、上巻よりは、背景などややこしい部分が少なかったのでまだ読みやすかった。

    結局、ルワンダの人々の不幸は、国際社会から見捨てられた不幸なのだ。隣人同士が政府のプロパガンダによって殺し合い復讐し合い、誰からの助けもろくに得られないまま、またその隣人同士が同じ社会で生きていかなければならないという不幸。
    何故、こんな異常な事態が起きてしまったのか放置されているのか。
    本当にもう同じ過ちは繰り返されないのだろうか。
    虐殺は一応終わったことになっているけれど、彼らの苦しみが終わることは決してない。

  • 上巻にて。

  • 2008/11/20購入

  • バットと鉈を持って親戚同士殺し合う話。これが、つい最近の話だから、おそろしい。
    ルワンダ中央銀行総裁日記に出てくるのどかな国とは隔世の感あり。

  • 上巻と同じ。

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