完全版 ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~

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著者 : 佐々木常夫
  • WAVE出版 (2012年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872905496

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完全版 ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~の感想・レビュー・書評

  • 自閉症の長男の下に年子の男の子と女の子の3人の子供がいて、妻が肝炎を中心に43回の入退院を繰り返したうえにうつ病を併発し、何度か自殺未遂を図る。その間に、本人は東京と大阪の間の転勤を6回繰り返す。仕事は手を抜かず、優秀でもあったのだろう、東レという大きな会社で、事務系同期の中では、トップで取締役に就任する。
    一読、「自分にはこの生活は無理」と感じる。よくも、本人がつぶれずに、こういうことを続けられたものだと思う。素直に尊敬する。

    が、読みながら微妙な違和感があったのも確か。感情移入できないのだ。
    ところが、見事だな、と思ったのは筆者自身が「あの頃の自分は悲劇のヒーロー気取りだった。仕事をするのと同じような完璧さを求め、たった一人で家族を全て支えている気になっていた」、というような自己分析している点で、これで自分の違和感の正体も分かったような気がした。
    取締役就任から2年後、筆者は東レの関係会社であるシンクタンクの社長に就任する。サラリーマンであれば分かると思うけれども、これは明らかな左遷だ。ところが、この頃から筆者の妻のうつ病が好転し始め、今では普通の人に近いところまで回復している。筆者の忙しさが減り、肩の力が抜けて、それが妻に対する態度に変化をもたらし、それがひいては妻の病気に好影響を与えた、というようなことなのだろう。
    悲劇のヒーローのつもりで肩を怒らせながら、出世も家族の世話も必死でやっていた時よりも良い結果をもたらした、というのは、やや皮肉な気もするけれども、そんなものかもしれないな、とも思う。

  • 三人の子供に恵まれたものの長男は自閉症、妻は肝硬変と鬱病を併発し数度の自殺未遂、末の娘も自殺未遂。家族を支えながらも東レの取締役まで出世した人の実話。

    家族を諦めない姿に脱帽


    自分の家庭のマネジメントを放棄している男性が、会社の中だけで女性のマネジメントをしようと思っても、土台、無理な話である。

  • できる夫,父,職業人としての役割を責任もって果たしている.確かにやることはやって何の文句があるんだという感じながら,一緒にいるのは疲れるなぁと思った.

  • やっぱり肝は徹底的な効率化と計画、ってことか。しかし…半端ないな。
    他の本も読んで見たい

  • 佐々木常夫氏の講演を聴く機会があり、この著書を購入。著者の生き方の全てに共感する分けではないが、この本は私にとっては読む価値は十分にあったと感じた。何を優先と考え生きていくか、改めて考えるきっかけとなった。

    家庭の事情は壮絶としか言いようのない状況であったが、効率重視の仕事術を徹底し、会社の中でも成功しつつも、精力的に家族の支えとなる行動をしてこられた姿は、並大抵な覚悟では真似はできないものと思われる。少なくとも気力はあっても私自身は実践するだけの体力は自信がない。

    仕事のスタンスについては非常に共感する部分があり、目標にしたいと思っているが、残念ながら家族に対するスタンスは、著者の方法がベストだとは思えなかった。子どもへの対応は素晴らしいものではあったものの、奥様に対しては少し疑問を感じる。奥様が最終的に一命を取り止めてはいるものの、その結果は運によるものであり、著者も鬱についての正しい理解をしていたとは思えない。もし理解していたとするなら、奥様のことはあきらめていたものと考えられる。人が自殺を試みる心境はやはり尋常ではなく、決して放置して良いものではない。奥様の命と仕事を天秤にかけて仕事をとっていたことは否定できないだろう。最終的に著者は奥様の回復により、より多くのことを学ばれ、結果本書を執筆されているとは思う。

  • この人凄いなぁ。でも誰でも真似できることでは無いと思うが、理路整然とした考えの持ち主なんだろうなと思う。運命を受け入れる生き方は真似したいと思う

  • 「実践 7つの習慣」を読了し、佐々木常夫さんご自身の人生についてとても興味が湧き、購入。
    大企業東レで出世街道を驀進しながら、ご家庭で起こる数々の困難について赤裸々に著されている。
    格好付けた自叙伝でも、成功体験の過程の苦労話でもなく、起きたことをありのままに書かれているという印象。
    この本に著されている内容そのものだけでなく、そのエピソード1つ1つの、決して順風満帆ではないであろうバックグラウンドを更に想像させられる。
    良くも悪くも、数十年の間に起きたとても濃い内容を、僅か230ページ少々の本にエッセンス的に並べられているような印象を受けた。
    この本の内容ありきで、佐々木さんのビジネス系統の御著書を読むと深みが出るのだろうな・・・ということも思う。

    家族とは何なのか、家庭とは何なのか、運命とは何なのか、人生とは何なのか。
    波乱に満ちた佐々木さんの半生を垣間見て、良く考えさせられた。

  • 会社人間が美徳とされてきた日本社会。
    結果、戦後の日本の繁栄を見れば結果的には素晴らしい発展を遂げてきたことはわかる。
    しかしながら、その裏で「声をあげてこれなかった」人々が多くいたいたのではないだろうか?
    筆者が自分の家庭事情を世間に発表した後の、反応を見れば今まで陰に隠れていた日本社会が見えてきた気がする。
    自分ももう一度家庭とは・家族とはどういったものがいいのか考えてみよう

  • 自閉症の子とうつ病の妻を抱えて仕事をやり遂げた著者の壮絶な記録であると同時にワークライフバランスを唱えた啓発本でもある。著者の努力もさることながら、それを支える次男、長女の姿は間に挿入される彼らの随筆により家族とは何かということをしみじみと感じさせてくれる。そういう温かい子どもを育てたという点でも著者の生き方はすばらしい。

  • 第11章 もっと深みのある社会を

  • 人は皆平等に時間を与えられていて、肝心なのは自分の中での優先順位をしっかり持ちながら、時間の使い方を考えること。

  • それぞれの家族のメンバーの立場から、著者をどのように見て、家族の歴史とどのように向き合ってきたのかという点が大変興味深かった。大変な日々を乗り越えての今の家族の絆なんだろうなあ…。

  • 家庭崩壊しなかったのが、不思議なくらいの壮絶さでした。

  • 逆境にめげず、家族も、仕事も、諦めないスーパーサラリーマンの話だと思っていました。読むまでは。
    もっと大切なことが綴られていました

  • 自閉症の息子さんやうつ病の奥さんを支えながら仕事でも出世したという元・東レの偉いおじさんの自伝本。本書はその後のエピソードや所感が加筆された「完全版」。

    11章立てで、1〜8章は自身の家族にどんなことが起こってその時自分はどんなことを思いながらどんな行動をして、という年表的な内容。
    9〜11章は加筆部分で、「ビッグツリー」を出版してからどんな変化があってどんなことを思ったかなどが綴られている。

    1〜8章の内容には正直あまり共感できなかった。大変な毎日を頑張って耐えぬいて今では家族に幸せが戻った、という話だが、個人的にはこの人は仕事での自己実現を家族より大事にしているようにしか見えない。
    もちろん想像を絶する苦労をしてきただろうとは思うし、今では家族みんな健康で幸せに暮らせているみたいだから本人にしてみれば美談なのかもしれないが、奥さんにもお子さんにも何度も自殺未遂をさせてしまっている時点で、もう完全にアウト。命があったのは結果論でしかなくて、もしその自殺で家族を亡くしてたら今頃とてつもない後悔に襲われてるはず。

    9〜11章の中で、当時の自分が「悲劇のヒーローを気取っていた」、「病気の家族を抱えながらも出世街道をひた走る自分に酔っていた」と反省している節がある。これには共感した。多分、自分も同じ状況になったら、自分の心が折れないようにむしろそういう風に思い込もうとすると思う。
    ただ、それが家族のための時間が取れない方向に働くなら、やっぱり戦略ミスとしか言えない。

    ともあれ、もし自分が同じような状況になったらどうするか、と深く考えさせられたという点で非常に勉強になる一冊だった。

    あと本筋ではないがなるほどと思った点をメモ。
    ・ダイバーシティは組織を強くする。均質な組織は、意志の統一を図るのは簡単だが、倒れるときはいっぺんに倒れる。
    ・「家庭の事情を仕事に持ち込むな」などと言う人は、家庭のことを全て奥さんに押し付けているだけ。

  • 日本で一番大切にしたい会社

  • ワークライフバランスでも、引っ張りだこの佐々木さん。その原点をしる貴重な本。

    完璧症の奥さまが肝硬変を機に家族のケアができなくなってから、家族の助けを得ながらも、佐々木さんが文句も言わずに仕事も家事も育児もこなした。

    でも、家族の面倒をみてやってるという姿勢が、奥さまの

  • もう、佐々木常夫さんの本、何冊買ったかわからない。
    この本は、妻の病気、長男の自閉症、長女の自殺、、、佐々木さんの人生がどれほどまでに壮絶であったか、しかしそれでも僕の人生は幸せだ言い切ります。
    佐々木さんの家族の話はもうすっかり有名だが、何度読んでも家族に対してあふれてくる愛が何度も優しい気持ちにしてくれる。私は家族に何かしてあげているのでもないし、してやっているしているものではない。家族はいつも対等なのだ、という言葉が大好きです。
     

  • 会社で佐々木さんの講演を聴く機会があって、その場で本を3冊購入したが、一か月ほど経過してから本書を読んだ。
    改めて本当にすごい人だなぁと思った。 それとともに、自分が生きている環境に関しては不平に思うことなんて恐れ多く、甚だ反省・猛省です。 

    本書内の以下三点に関しては、大変共感です。
    ◆1.「私には、確かに『してやってる』という気持ちがどこかにあった。もっと言えば『家族のことはみんなオレがやっているんだ。見たか、お前ら』という相当傲慢な気持ちもあった。」
    ⇒「しかし、家族とは本来対等な存在なのだ。そして、家族の誰かが苦しんでいたら、サポートをするのが当たり前のことなのだ。決して、してやったり、面倒を見てあげるのではいのだ。肩を寄せ合って生きている家族の一員が苦しんでいたら、手を差し伸べるのは当たり前のことなのだ。

    ◆2.自閉症・アスペルガー障害120万人、身体障害者350万人~(中略)~シングルマザー50万人 単純に足し合わせれば、これだけで1400万人、そのご家族も含めればゆうに3000万人を超える人々が、身体障害や精神疾患に苦しみ、あるいはそうした家族のケアのために精神的・経済的に大きな負担を強いられて生きているのが現実なのだ。

    ◆3.しかし、いくら制度を変えたり、施設を整備したところで、根本的な解決にはならないと私は思っている。自分の家族のマネジメントを放棄している男性が、会社の中だけで女性のマネジメントをしようと思っても、土台、無理な話である。<中略>子どもの教育や家事の分担ということについても夫婦の間でじっくりと話し合い、適切な分担を考えていく必要があるはずだ。
    もっと言ってしまえば、女性の社会進出ひとつ支援できない日本社会は、身体障害者や精神疾患を抱える人を理解しサポートすることなど、到底できない、ひどく歪んだ社会なのではないかと、私は感じているのである。

    この本を読んで、佐々木さんが、「もっと深みのある社会を」と提言されているように、ぼくもせっかく生きて培った(自分なりのわずかな)経験をもって社会を少しでも変えられるように貢献していきたい・微力をつくしていきたい・そのために再出発したい、と改めて思った。(傲慢な気持ちに猛省:謙虚に貢献への歩みを)

  • 佐々木さんと佐々木さんの家族の手紙を読むところは、電車の中で読んでいて、涙が出そうになりました。健常者中心前提の世の中は変えたいですね。1人でも多くいろんなことを受容できるような少し余裕のある世の中にしたいです。

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完全版 ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~の作品紹介

妻の入院43回、6度の転勤、激務・家事・看護、自殺未遂、そして…。働きながら家族再生を果たした感動の物語。大幅加筆の決定版。

完全版 ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~はこんな本です

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