M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究
- エスクアイア マガジン ジャパン (2008年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (776ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872951141
感想・レビュー・書評
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横文字を連発しながら、断言しまくり飛躍と的を突いてるのか突いてないのかわからないけど、幻惑されながらも惹かれてしまうのが、マイルスなんだというとても素敵な講義でした。
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【メモ】
・講義録にあれこれ盛り込んでレンガ本に。
・刊行当時のPR・ニュースなど、
〈https://natalie.mu/music/news/5938〉
・その後、版元は消滅。
※2011年に文庫化された(2分冊)。
【書誌情報】
著者:菊地 成孔
著者:大谷 能生
装幀:千原 航
出版社:Esquire Magazine Japan[エスクァイア マガジン ジャパン]
ISBN:9784872951141
判型:B6 ハードカバー
頁数:776
定価:4700円(本体)
発行年月:2008年03月
【簡易目次】
目次 [002-004]
プロローグ(2008年2月7日/追記 2008年2月22日 菊地成孔 [005-013]
凡例 [014]
第1章 マイルス・デューイ・デイヴィス3世誕生(1926‐1944) 015
|1| マイルス・デイヴィスの20世紀 016
|2| イースト・セントルイスのセンチメント 045
Skeches of Miles: 01 : マイルス、ティーンエージャー時代のポップス10選 大谷能生 066
Skeches of Miles: 02 : 「どの10年を使うつもりだ?」 菊地成孔 074
第2章 ニューヨークの速度とビ・バップ(1945‐1955) 077
|1| 都市/速度/スウィーツ 078
|2| パリのリュクスと青春の高揚/失望 109
Skeches of Miles: 03 : ヴァーノンの女前[高村是州×菊地成孔×大谷能生 マイルスファッション鼎談]前半 178
第3章 メジャー・デビュー、帝王の完成(1956‐1965) 171
|1| メジャー・デビューとオリジナル・クインテット 172
|2| アンビヴァレント・アメリカの1950年代 205
Skeches of Miles: 04 : 神々のモーダリティ 244
|3| “都市音楽”から“汎都市音楽”へ 258
|4| レヴォリューション/モードチェンジ 305
Skeches of Miles: 05 : 「純ジャズ理論史」は「マイルス理論史」たりえるか? 菊地成孔 354
Skeches of Miles: 06 :楽曲分析:《ソーラー》 360
リディアン・クロマティック・コンセプトによる《Solar》のアナライズ 布施明仁
チャーリー・パーカーの語法とマイルス 濱瀬元彦
第4章 電化、磁化、神格化(1966‐1976) 381
|1| アコースティックからエレクトリックへ 382
|2| さらなる電化/磁化への道程 424
Skeches of Miles: 07 : ベルギー王立音楽院のビッチェズ・ブリュー 菊地成孔 460
Skeches of Miles: 08 : テオ・マセロの鋏の角度 469
|3| エレクトリック・マイルスの構造分析 476
|4| 『オン・ザ・コーナー』から引退まで 512
Skeches of Miles: 09 : すべては「本当の帝王の服」に向けて [高村是州×菊地成孔×大谷能生 マイルスファッション鼎談]後半 560
第5章 帝王の帰還(復帰‐1991) 593
|1| 帝王のいない6年 594
Skeches of Miles: 10 : 悪童の深き友情 620
Skeches of Miles: 11 : ファーゼル・マイルス・デイヴィス : ケイ赤城インタビュー 1 622
|2| 80年代の感傷的な速度 636
Skeches of Miles: 12 : 多調性のブルース : ケイ赤城インタビュー 2 670
Skeches of Miles: 13 :楽曲分析:《デコイ》 690
リディアン・クロマティック・コンセプトによる《Decoy》のアナライズ 布施明仁
後期マイルスの半音階的充満 濱瀬元彦
|3| 帝王の退場、20世紀の終わり 708
エピローグ(2008年2月29日 大谷能生) [757-758]
スタッフ・クレジット [759]
人名索引 [760-774]
フォト・クレジット [775]
著者紹介/奥付 [776] -
ビートルズにしてもそうだがそのジャンルの殆ど総てを築いてしまった人というのは前衛的な方向に進む。
おそらくその出自も関係あるだろうが、媚びるような要素を全く持ち得なかったが、Miles Davisは20世紀後半の音楽総てに影響を与えた。
黒人のモノと言う枠に固められがちなジャズの中で、誰よりも輝いたMilesがヨーロッパ伝統の(つまり極めて白人的な)クラシックの要素を予め持っていたことは大変重要な要素だ。
ジュリアード音楽院でのマイルスの発言が総てを語っている。
<blockquote>「俺は金に苦労したことがなく、恵めれていますが、ブルースを奏でます」</blockquote> -
東大で行われたマイルスのゼミを書籍化したもの。
物量の多さにうんざりで、中身の濃さにさらにうんざり。 -
文庫が出たのでそちらで読むことにします。こちらは永遠に積読になります。
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『東京大学のアルバート・アイラー』(青アイラー、赤アイラー)に続く、菊地成孔&大谷能生による東大教養学部での人気講義の単行本化。今回のテーマは「マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」。
マイルス関連本は数あれど、マイルスの服装(モード)の変遷やつぎはぎだらけでサイボーグ化していく肉体をここまで彼の音楽と結びつけて論じた本はない。まさに異色のマイルス論である。
総文字数57万字、総ページ数776ページの大著でありながら、1ページも飽きさせることなく、最後の最後まで読む者をひきつけるその語り口はさらに進化している気がした。
とにかくある現象を言語化する能力に秀でている。表現が的確すぎて思わず笑ってしまうとか、「なるほど」とひざをうつとか、その頻度が尋常でない。
講義はもちろん、途中に挿入されるコラム、写真や音源(マイルスのCDはたいてい持っているので、それを流しながら読んだ)についての正鵠を射たコメント、欄外の脚注やアルバム紹介にいたるまで、すべて読まさずにはおかないという過剰なばかりの自意識と、徹底したエンタテイメントぶりが、この二人の真骨頂。
細部にまで気を配ったデザインも含めて、本を読むという行為を隅から隅まで堪能できる好著である。
帝王マイルスの新たな見方を手に入れるために、ぜひ。マイルスの代表作のCDを10枚以上持っている人は、もっと楽しめます。 -
中山本を読んで、再読。
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お二人からサインいただきました!