インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

  • オライリージャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873115573

感想・レビュー・書評

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  • ★★★☆☆
    深層心理まで考える
    【内容】
    人々の心を捉えるにはどうすればよいのか?長年にわたりインタフェースデザインに携わってきた心理学者が「よりよいデザインに役立つポイント」を科学的な研究によって明らかにされた事実とともにウェブやアプリのデザインに応用できる形でわかりやすく解説。

    【感想】
    世の中的に、普通に行われていることが実は心理的に実証されているということが興味深かった。

    例えば、
    "「お金」や「所有」よりも「時間」や「体験」に心を動かされ親近感を持つ。親近感を持った時のほうが購買意欲が増す。"
    これって、AppleとかKindleやnexus7のCMで顕著だよなぁ。体験を印象付けるのか。

    "クリックするが増えても、考えることが減るなら問題ない"というのは目から鱗の落ちる提言だった。

    "インタフェースデザイン"と唄っているが、システムだけでなく、トータルのブランドとして読むと面白い。
    ただ、ちょっと散らかっているのでまとめるの大変。

    【引用】
    ・心理的資源の消耗が多い順に並べると、「認知」>「視覚」>「運動」となる。
     →クリック数が増えることは、考えることが減るのであれば何ら問題ない。
    ・クリックを増やすか、ユーザに考えさせるかで迷ったら、クルックを増やす方を優先しよう。

    ・周辺に配置する情報によって、そのページとサイトの狙いを明確に伝えられるように工夫しましょう。
    ・特定の部分に注目してもらいた時には、点滅するものや動画を周辺視野に置くな。
    ・人は本能的にパターンを探す。グループ化や空白でパターンを作る。
    ・重要な情報は、画面の上から1/3までの場所か画面中央に置くこと。
    ・意味のある表題や見出しをつける。
    ・フォントは大きく、読みやすいものを利用する、
    ・アイコンはシンプルな図形を組み合わせたものにする。標準的な視点から描かれたものを利用する。

    ・画面が変わったらユーザは情報を忘れる。記憶への不可は可能な限り減らす。忘れることを前提にデザインする。
    ・人間が1度に覚えられるのは4つだけ。
    ・覚えて欲しければ使わせる。
    ・具体的な言葉や絵(アイコン)を使う。記憶しやすいから。

    ・ハイパーリンクを使って、トピックからトピックへ素早く切り替えられるようにしよう。
    ・「現在位置」が分かる仕組みを用意する。

    ・確信が持てない時ほど、人は守りの体制に入り、より強く主張する。
    ・信念を変えさせようと時間を費やしてもムダ。やってみるように仕向ける。

    ・物語は人が情報を処理するのに適した形だ。記憶もしやすい。
    ・データではなく物語で感情に訴える。
    ・実例を示すのに、写真やスクリーンショットは有効

    ・進行状況を示すインジケータを表示して、時間を把握できるようにしよう。
    ・作業が短く感じられるように何ステップ化に分けて、ユーザが考える時間を短くする。
    (難しい作業は何段階かにわけましょう。)
    ・作業中の行動を本人にコントロールさせる。
    ・人間の注意力は7-10分が限界。
    ・マルチタスクはできない。マルチタスクを要求する場合はミスを覚悟で修正する方式にする。

    ・ショートカットを設定する。
    ・デフォルトを設定する。
    ・アプリデザインは、ユーザとのやり取りに配慮する。人間同士の交流のルールに従うこと。

    ・目標が近づけば近づくほど、目標を達成しようという気持ちが高くなります。
    ・前進の幻想(初期値で2個押されたスタンプカード)を与えるだけでも、達成への動機付け効果が得られる。
    ・目標が達せられるとヤル気は落ち込む。この直後が顧客が離れる可能性が高い時。

    ・人は物事を分類したがる。

    ・情報には中毒性がある。情報を求め続けるという行為をやめるのは、自分の決断に自信がもてるときだけ。
    ・人は情報を探索し続けようとします。
    ・情報を見つけやすくすればするほど、ユーザは情報探索にのめりやすくなります。
    ・情報を少しだけ与え、さらに情報を得る手段を提供すうと、情報探索行動が増します。

    ・人は何もしないでいることは嫌い。忙しいことは満足感につながる。
    ・人は、「価値ある作業」>何もしない>「時間つぶしの作業」 を選ぶ。
    ・待ち時間にやれることを用意する。
    ・ライバルが10人以上いるとこがわかると、競争意欲は低下する。

    ・選択肢が多すぎると思考が麻痺する。
    ・選択肢は3つか4つに絞る

    ・外的報酬(お金)ではなく、内的報酬が大切。
    ・人は自分が主体となって何かをしたいという強い気持ちがある。ユーザ自身でで着る範囲を広げていく。
    ・人は「自分の行動には影響力あり、自分は決定権を握っている」と思いたがるもの。

    ・親近感を持つのは、「お金」より「時間」だ。親近感を持った時のほうが購買意欲が増す。
    ・「お金」や「所有」よりも「時間」や「体験」に心を動かされ親近感を抱く。

  • いやぁおもろかった!

  • ウェブやアプリのデザインを設計する時にすごく参考になる。
    新たな視点が増える増える。
    人としてあたりまえな行動を元に綴られているので、「あーあるある!」という感情になれて楽しい。

  • あちこちで評判が流れていたのでせっかくだからと購入。

    まず、このタイトルは「インターフェースデザインの心理学」となっているけど、別にデザインに関するお話だけではない。心理学の中でもかなり広い領域から新しい文献や研究をピックアップして紹介して、それが具体的にどう活かせるかについて触れている。そして結構fMRIとか脳機能に関する言及も多い。
    もちろん古典的な研究(スキナーやフェスティンガーなども出ます)にも触れ、心理屋さんにはちょっと物足りないかもしれないけど、逆に一般の人には面白く読めるはず。

    個人的には同僚などに勧めてじっくり読んでもらっていろいろ役立ててほしい、そんな本だった。
    そしてぜひもうちょっといろんなことを考え直してh(ry

  • TTSのインターフェースデザインの参考になればと読み始め。

  • デザインは相手から反応を引き出すための大事な要素です。
    買ってほしい、読んでほしい、行動を取ってほしいなど、相手の反応を誘い出すためにデザインをします。
    人間の行動原理を理解していないデザインは相手を混乱させるだけで目的の結果を得ることができません。

    本書ではすべてのデザイナーが知るべき100の指針を実践例とともに紹介します。
    すべてが科学的な研究から導き出されたものです。
    これらの指針を理解してデザインすれば、人間の思考や行動、遊び方にマッチした直観的で人を引きつける製品
    ――印刷物、ウェブサイト、アプリケーション、ゲーム――を作れるようになります。


    様々な心理学の実験を元にウェブデザインの在り方を考えていく。
    実生活にも当てはまる様な内容だったので、インターフェースデザインの心理学と言ってもそれらに関わらない人でも、面白く読めると思う。

  • 行動経済学、認知心理学に基づいたテストプラン構築に非常に参考になる。
    テストに話を持ってくさいの裏付けおよびネタになるので良い。

  • これだけ読むと、誤解を与えそうな…

  • UI, UXの本
    当たり前のことをしっかり言語化していて、かつ新しい発見もある感じ、おもしろい

  • 「人はどう記憶するのか」「人はどう考えるのか」という心理学的なアプローチで「だからインターフェースはこうあるべきである」と結論付けていくデザインの本です。
    脳の構造やアメリカの実験をたくさん引用しているところは非常に良いのですが、作者がかなり好き放題で、途中デザインに関係ない話もたくさん出てきます。
    それはそれで「マルチタスクは可能か」「どうすればやる気が出るか」など勉強になる内容で、肥やしにはなったと思います。

    メンタルモデルなど、こういう根本的なところを押さえていれば「インターフェースはこうしましょう」みたいなハウツー本を読まなくても自分で考えられるようになります。
    どの分野にも言えること。
    デザインに疎い人でもこういうところから入ったら好きになれると思います。

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