Lean UX 第2版 ―アジャイルなチームによるプロダクト開発 (THE LEAN SERIES)
- オライリージャパン (2017年7月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784873118055
作品紹介・あらすじ
好調な『Lean UX』の改訂版。初版出版から3年半を経てUXの役割の変化、コラボレーションなどの具体的な手法の変化を取り入れてアップデート!
2013年2月の原書初版発行以降のUX周辺の変化が取り込まれ、より実践的にした改訂です。第Ⅰ部の「原則」が大幅に加筆修正され、チーム構成や職種、Outcome(成果)をビジネスとユーザーで分けて考えるなど、「Lean UX」の原則がより明確になりました。また、旧版は概念の説明がメインだったため、事例が欲しいという要望がありましたが、今回の改訂で9章にPaypalでの事例が掲載されたことで、より具体的に検証できるようになりました。
感想・レビュー・書評
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価値探索とチームでの協働に重きをおいている、というのがよくわかる。それくらい、繰り返し仮説はあくまで仮説であること、様々な場面で全員同席が望ましいことに触れられている。
考え方や姿勢に重きをおいているからなのか、Whyについては伝えつつもHowとWhatについての解説が軽量で、どういうアクションなのかであるとかどのような効果がもたらされるのかがイメージしづらいケースがあった(デュアルトラックアジャイルなどは特にそう感じた)。
そこのプラクティスは現場で揉め、ということなのだろう。 -
しきりにチーム全員で、が強調されているように感じた。コラボレーティブデザイン
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- とにもかくにも共通理解。心理的安全性のような超基本レベルではなく、高い水準での非言語コミュニケーションが仲良さ問わず当たり前に生まれている状態、本当の意味での一心同体でなければ成り立たない、というメッセージを強く感じた。
- コミュニケーションも1つのツールとしたときに、これを使いこなせるかは超大事なスキルだ。
- ≒どんなタイプの人間ともわかりあって進められる力。発言やドキュメンテーションの精度なども含まれる。
- 不確実性を受け入れる、や、失敗や振り返りから発見と新しい取り組みを定める、など、VUCA時代の基礎スキル。しばらくPdMブームあったが、職種問わず、ビジネス基礎力としての、前に進める力としての本と捉えた方が良さそう。 -
コラボレーションに関する気づきを得ることができた。
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これからアジャイル開発やる人は読む
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【進藤さんオススメ:連休中に読みたい本】
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LEANとUXのお勉強。
■LeanUXのキーワード
コラボレーション、イテレーション、透明性の維持、必要最小限のドキュメンテーション、最小限の中間生成物、動くソフトウェア、マーケットからのフィードバックの重視
■ヒューマン・インターフェース・ガイドライン
Appleのオペレーティングシステムの全コンポーネントの説明、その使用規則の規定と適切な使用例を記述した包括的なドキュメント
Lean UXをアジャイル開発で機能させるためには、チーム全体がすべての活動(スタンドアップ、レトロスペクティブ、IPM、ブレインストーミング)に参加すべきです。これらのセッションを成功させるためには、全員の参加が不可欠です。部門横断的なメンバーの参加によって、特定の機能の複雑度をどう開発すべきかについてチーム内で交渉しやすくなるのに加え、デザイナーとエンジニアはバックログの優先順位をより効果的に付けられるようになります。
■knowsyでのケーススタディ
・チームは3~7人の小規模なもの
・プロジェクトは、アジャイルな枠組みで実施する(ユーザーへのフォーカス、継続的な取り組み、チームは同じ場所で作業する、必要最低限のドキュメント、チーム全体が決定権を持つ、スタンドアップやレトロスペクティブなどの共通の儀式を行う)
・チームは、様々な技能を持つ人材で構成する(フロント及びバックエンド開発、ユーザエクスペリエンス、情報アーキテクチャ、プロダクトマネジメント、マーケティング、グラフィックデザイン、コピーライティング)
・チームのメンバーは、基本的には自らの専門性や強みのあるエリアでパフォーマンスを発揮するが、他のスペシャリストをサポートし、新たな技能の習得にも意欲的である。
■プロセスを変える
・結果(アウトプット)から成果(アウトカム)へ
・完璧なデザインを事前に求めない
・スピードが第一、美しさはその次であること
・UXの負債を受け入れること
・ドキュメント化する基準を管理する
・日々の問題に対処する
私たちが取り扱っているのはソフトウェアであり、そのプロダクトやサービスは複雑で予測不可能なものです。しかし、ソフトウェアには最終形態はありません。デジタルなプロダクトやサービスのデザイン、開発、運用、最適化は、経済的な合理性がある限り継続できます。もっとも厄介なのは、ユーザーが私たちの想像もできない方法でデジタル・サービスを利用する可能性があることです。システムの主要機能はたいてい、人々がシステムを利用するにつれて明らかになっていきます(その典型例がTwitterのハッシュタグです。この機能はユーザーが使い方を発明した後に、Twitterが追加で実装したものです。)
■UXデザイナーの新たな技能
・デザイナーがデザイン・プロセスをリードする
個人ではなく、チーム全体がプロダクトデザインに責任を持ちます。デザイナーはパソコンに向かいっぱなしで仕事をするのではなく、チームをデザイン・プロセスに関与させ、インプットを求め、そこで得た知見をデザインに活用しなければなりません。これによって、サイロの壁が取り除かれ、部門横断的なコラボレーション戦術を活かし、創造的かつ実践的でなければなりません。つまりチームのニーズを満たし、コミュニケーションを促進し、チーム全体の能力とプロジェクトのタイムラインを現実的にとらえることのできる方法を、求めなければならないのです。
・デザイナーがチーム内でリーダーの役割を担う
チームのメンバーは、デザイナーが作成したデザインについて意見を述べることに慣れていますが、デザイナーと共にデザインを作成することには慣れていません。デザインスタジオのようなグループでのブレインストーミング活動においてデザイナーがリーダーとファシリテーターの役割を担うことで、チーム全体がプロダクトやサービスを概念化したり、デザインチーム全体が能力を示したりするための、安全な意見交換の場をつくることができます。 -
UX寄りの内容を期待していたが、冒頭のLean UXの原則として”チームや組織文化”に触れている通り、デザインのタスクをチームとしてどのようにリーンのプロセスに組み入れていくかがが話の中心。全体を通じて機能横断的、全員参加ということが繰り返し述べられている。
実践パートのデザイン・学習と開発(アジャイル開発)を並行で走らせていく進め方が参考になった。