新世代の言語学―社会・文化・人をつなぐもの

  • 28人登録
  • 3.24評価
    • (0)
    • (4)
    • (13)
    • (0)
    • (0)
  • 5レビュー
  • くろしお出版 (2003年4月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874242742

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

新世代の言語学―社会・文化・人をつなぐものの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 社会言語学の概説書。
    単元の設定が細かいが、各5,6ページとなるので浅く広い。

    あまり専門用語が使われてない&図表が少ないので、
    本書単独で教材とするには不向き。

  • 人間楽なほうへ楽なほうへと何事も物事を運ぶもの。言葉だって使いやすいほうへと変化していく。私たちは平安時代の言葉は勉強しないと分からない。それほど言葉は変化してきたということ。だから私たちが今使っていること言葉も変化しないということはありえないはず。でも現代は教育が行き届いたために言葉の変化は以前より遅くなっているという。あんまり乱れ乱れと騒ぐべきではないと思う。「全然+肯定形」の使い方だって乱れだとか言われているけど夏目漱石だって使ってた。批判よりもなぜこのように変化したのかを考えることも必要なはず。

  • 真面目に勉強しようかなと思っていた頃にまとめていた引用。
    今見直すと、こうやって語彙を知ろうとしていたのかとびっくり。



    普遍文法(universal grammar)
    「世界の言語の基本的デザインはみな同じで、個性のようにみえるものの大半、あらかじめ定められた型の大枠や寸法の範囲内である程度融通がきくようになっている部分」

    ソシュール→パース<アメリカ>の流れ
    パースは「記号」を三分類化。
    アイコン(道路標識のように絵で示す、記号の形がその指示対象に似ているもの)、インデクス(髑髏の絵で毒を示す、形の類似はないにしても指示対象との間に何らかの関係を有している記号)、シンボル([inu]という言語記号、指示対象との間の関係が恣意的であり、社会の慣習で定まっているにすぎない記号)の3つ。

    BICS(ビクス、Basic Interpersonal Communicative Skills)
    「生活言語能力」
    しかし、現代はこの能力だけでは生きていけない。
    CALP(カルプ、Cognitive Academic Language Proficiency)
    「学習言語能力」、知的活動のための言語が必要になる。
    つまり、「民主主義」を知るには「民主主義」という言葉を知っている(BICS)だけではなく、「主権」を知りそして「王政」、「代表権」(CALP)を知らなければならない。

    サピア・ウォーフの仮説
    サピア(Sapir 1884-1939)とウォーフ(Whorf 1897-1941)によって提唱。
    言語がそれぞれ独自の語彙構造・文法構造を持っているので、その言語を使用するものは、その言語に特有の概念・語彙にもとづいた視点で世界を理解するため、言語が話者の思考や認知に影響を及ぼす、と考えた。
    例えば、イヌイットはたくさんの雪の種類の名を持っているし、英語に「Freedom」と「Liberty」の、日本語で訳すならばどちらも「自由」になってしまうようなものが存在するのは、その言語に特有の概念があると言える。虹や太陽がどう見えるのか、それを言葉に表すときに差が生まれるのも同様だ。しかし、日本語の「わび・さび」が、そのような言語を持たない話者に理解されないとは限らないし、そもそも「思考」を定義づけられていない。このため、仮説は今も仮説のまま残っている。外界を近くしてそれを表すための「ことば」なのか、それとも初めにことばありきで、「ことば」が我々の認識の仕方を規定するのか。卵が先か、鶏が先か。問いの答えはわからない。

    アコモデーション理論
    相手によって自分の話し方を調整する現象。
    例 赤ん坊に向かって、「ごはんでちゅよー」「ねんねする?」
    集中・収斂(convergence)と逸脱・分岐(divergence)に分けられる。また、話し手と聞き手に社会的地位の違いがある場合は、どちらにも上向き(upward)と、下向き(downward)の考え方が付随する。
    convergence→年配の上司が、若い部下に向かって若者ことばをつかう
    divergence→東京でも京都弁を使う
    upward convergence→自分の話し方よりも社会的に地位が高いとされる話し方に合わせる
    down divergence→自分の話し方よりも社会的に地位が低いとされる話し方に合わせる
    ただし、何がupwardなのか、その判断はかなり流動的であるし、個人差があるので一概に定義できないこともある。
    また、京都弁を使う女性に向かって関西ノンネイティブが関西弁を話して受け入れられないというような報われないアコモデーションも生まれることになる。

    ≒フォーリナー・トーク(foreigner talk)
    母語話者の非母語話者に対するものの言い方。 外国人(非日本語母語話者)のためにゆっくり話したり簡単なことばを使ったり、彼らが分かりやすいように話す話し方。
    ≒コード・スイッチング
     一つの会話の中での言語バラエティーの交互作用
    家族と話していてもずうっと、同じ話し方をするわけではない。話の内容や目的によってことばの使い方を変えている。

    ピジン(pidgin)
    お互いに言語が異なる人々の間で共通のことばとして発生してきたもの。
    植民地の支配者(ヨーロッパ言語)と植民地労働者との間のコミュニケーションをとるためにできた言語形態など。発音は母語の影響を受け、語彙、文法も簡略化される。
    例 ハワイのハワイアン・ピジン

    クレオール(creole)
    ピジンが言語システムとして定着し、母語としてその言語を話し、世代間に受け継がれたもの。ピジンに比べ語彙、文法面でも日常生活を営む上で使用するため複雑化する。ピジンからクレオールに発達してゆくことを、クレオール化とも呼ぶ。

  •  著書の授業の教科書として購入。具体例から、社会言語学が何を問題としているのか、どんなことを考えているのか、を考える教科書。タッチや構成が有斐閣に似ている(笑)
     内容は、ただ知識を得てもらう形式ではなく、読者にトピックを考えさせようとする姿勢が見てとれる。が、個人的には不満足。というのも、普段数学とか物理とかその類の論文を読んでいる自分にとって、厳密なる定義やら何やらが少なすぎた。入門書の入門といった印象。そのため、3つ星に。

全5件中 1 - 5件を表示

新世代の言語学―社会・文化・人をつなぐものはこんな本です

ツイートする