観光コースでない台湾: 歩いて見る歴史と風土

著者 :
  • 高文研
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874983430

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    ●終戦を迎え、国民党政府は日本人が台湾に留まることを許可しなかったが、沖縄県民については希望者にこれを認めている。終戦後、台湾に残った沖縄県民は三万人あまりいたという。中華民国の立場としては、沖縄(琉球)はもともと中国政府に帰属するという考えを持っており、これを自らのコントロール下に置きたいという意図があった。日本人引き揚げ者は「日僑」、沖縄県民は「琉僑」と言い分けたりもした。もちろん、沖縄県出身者が台湾で築いた資産は日本人と同様に没収され、困窮を味わうことになったが、一部の人々は基隆の社寮島(現・和平島)に集まり、沖縄の中華民国帰属や独立を目指す動きを画策したこともあったという。現在、台湾と沖縄との間には、さまざまな形で交流がある。このところ、台湾から沖縄へは年間10万人から12万人の観光客が訪れている。一方、沖縄にとっても台湾は近くて大きなマーケットだ。また、台湾で中国語を学ぶ沖縄の留学生は多く、沖縄県民だけが利用できる奨学金も用意されている。
    →「台湾鉄路と日本人」にも、鉄道関係者も台湾滞留を認められたとの記述があった。
    →かわぐちかいじの漫画「太陽の黙示録」では、日本で発生した巨大地震後により日本の統治機能が崩壊したため、日本国籍を放棄して駐在地の中国籍?台湾籍になる政府関係者が登場した。
    ●高粱酒はこれまで金門産のものが知られてきたが、最近は馬祖の生産量が増えている。馬祖に酒工場が設けられたのは1956年のこと。(中略)そこでぜひ訪れてみたいのは「八八坑道」と呼ばれる工場だ。ここは全長210メートルの地下要塞で、かつては弾薬庫として使用されていた。夏に涼しく、冬は温かい。さらに湿度が安定していることから、軍の撤収後、酒の工場として再利用されるようになった。
    →その名も「八八坑道」というお酒を台湾土産でもらって飲んだ記憶がある。

著者プロフィール

1969年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。台湾を学ぶ会(臺灣研究倶楽部)代表。台湾に残る日本統治時代の遺構を探し歩き、記録。講演活動も行なっている。妻である真理氏との共著『台湾探見 ちょっぴりディープに台湾体験』『台湾旅人地図帳』も好評。

「2023年 『増補版 台北・歴史建築探訪 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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