ドイツは過去とどう向き合ってきたか

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著者 : 熊谷徹
  • 高文研 (2007年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874983782

ドイツは過去とどう向き合ってきたかの感想・レビュー・書評

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  • 2000年8月、ドイツの経済界は過去と対決する上で重要な一歩を踏み出した。約6400社のドイツ企業は連邦政府とともに、ナチス政権下で強制労働などの被害にあった市民のために、賠償基金「記憶・責任・未来」(Erinnerung, Verantwortung, Zukunft)をベルリンに創設した。この賠償基金は約100億マルク(約5000億円)で、政府が50%、企業が50%負担した 。1999年に基金の創設が決まった時、当時首相だったシュレーダーは以下のように述べた。「ドイツは20世紀に、世界に大きな災厄をもたらしました。この基金によって、被害者たちに物質的な援助だけでなく、何等かの満足も与えたいと思います。賠償金は、被害者の苦しみを完全に癒すことはできませんが、和らげることはできます」

  • 日本もまねるのではなく、学べるところがたくさんある。

  • ドイツでは首相や政府関係者が率先して、過去の罪を忘れてはならない、目を背けず向き合うべきだと、繰り返し主張している。

    章立てされている政治、教育、司法、民間の取り組み、
    そして今後の課題についても、良い悪いは置いといても
    日本とは全然違うなあと感じざるをえませんでした。
    ドイツに学ぶものは多そう。

    写真も多く掲載されていてわかりやすく、
    ページ数も120ページ程度でサクッと読めました。

  •  ドイツ在住のジャーナリストの著者が、戦後ドイツではナチス政権に対してどのように補償問題に取り組まれ、どのような歴史教育が行われてきたかということについて、政治、教育、司法、民間という4つのレベルで紹介されている。さらに、今後の課題ということで、勢いをつけている旧東ドイツの極右勢力についての懸念が語られている。
     ドイツがいかに過去と対決してきたか、ということが語られているが、特に個人的な興味としては教育の分野の話が印象的だった。暗記ではない、討論を中心とする社会科教育の実践例、という感じだった。アウシュヴィッツを否定することが法律違反、というのは知らなかった。「アウシュヴィッツに関しては思想の自由が認められていない」というのが興味深い。ただ、4章までと違って、5章の特に東ドイツの話は、本当に怖いなと思ってしまった。(13/08/23)

  • 「集団の価値観」よりも「個人の価値観」を優先するドイツでのユダヤ人大虐殺をめぐる国家・国民・政府・マスコミの対応を簡単にまとめている。組織・上司の命令といえど、非人道的な行為を犯せば個人が裁かれきた(司法以外)。多額の賠償金を払い、自分たちで検証・処罰を行い、今でも被害者個人への損害賠償を行う企業もある。一方、時が経ち、東ドイツではネオナチや国粋主義者が台頭、大虐殺の十字架に縛られ続けられるフリに飽き飽きする人々も現れてきた。日本と比較した際の良し悪しは簡単には語れない。けれど、ドイツ軍は多国籍軍に参加しても問題にならず、日本自衛隊が平和維持活動を超えて活動したり軍備拡充する際に他国から避難される可能性があるのは、自ら落とし前をつけたことを国際的に認知されているか否かの差であると思う。そして、それは軍に関することに止まらないのかも・・・

  • このテーマは何度も読んでいる。過去を克服した国、モデル国といったらドイツの上に出る者はないだろう。内容に新しい発見や驚きはなかった。
    ドイツを理想として、日本はそれを見習うべき。
    という著者の意見が最初から最後まで強調され続ける。
    あえて批判的に何か言おうとすれば、ドイツの優等生ぶりはそこまで完璧なのか、という点。
    例えばドイツの終身刑。
    過去に犯した罪は、それが非常な残虐さをもつものである場合は時効がない、という。しかし死刑も廃止され、終身刑は15年以上の服役としているが、15年経つと外に出る、というのがほぼ常識となっているのが現実と聞く。

    ドイツを理想に祭上げて、見えなくなってしまっている部分があるのではないか、という不安が残る。
    ドイツとイスラエル間は万事うまくいっている。
    しかしこれに中東を含めたら何かがおかしいはずだ。
    外交において満点を取るような国は残念だが存在しえないかと思う。

    旧東ドイツに蔓延るナチ支持者に触れている項は興味深い。
    しかしせっかく読むならこれだろう。
    『過去の克服―ヒトラー後のドイツ』
    白水社
    石田 勇治 著

  • 筆者の結論は「やはりそこへ行くか…」という印象。
    ドイツがポーランドに謝罪しているから日本も、なんてのは当てはまらないと思う(間違っている、と否定するわけではない)。過去の出来事は置いておいて、現在の関係性や今後の両国の方向性があまりにもが違う。
    改めてアジアの問題の難しさを考えさせられた。

  • 2008年6月

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ドイツは過去とどう向き合ってきたかの作品紹介

とてつもない「負の歴史」を背負ったドイツは、いかにして被害者や近隣諸国の信頼を取り戻そうとしてきたのか-。在独17年のジャーナリストが、政治・教育・司法・民間における取り組みの現場を訪ね、ドイツ人の「過去との対決」について報告する。

ドイツは過去とどう向き合ってきたかはこんな本です

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