沖縄の自己決定権

  • 20人登録
  • 4.00評価
    • (0)
    • (3)
    • (0)
    • (0)
    • (0)
  • 1レビュー
  • 高文研 (2015年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874985694

沖縄の自己決定権の感想・レビュー・書評

  •  沖縄が<琉球国>であった頃を踏まえ、新しく日本より独立する気概を中心に据えた快著。

     ▶新垣 毅 (著者)

     琉球新報で東京報道部長をしています新垣毅と申します。今日は私が書いた本を紹介させていただけるとのことで、とても感謝しています。

     私が書いたこの本には『沖縄の自己決定権 その歴史的根拠と近未来の展望』というタイトルをつけております。とても壮大に聞こえるかもしれません。これは2014年5月から2015年2月まで、琉球新報の誌面で連載した記事のうち約8割を、本に載せるような文章でリニューアルして書きました。

     「どうしてこの連載をやらなければならなかったか?」というところが大事だと考えています。沖縄の現状については、みなさんもニュースなどで見られているかもしれませんが、実は沖縄には参議院、衆議院の国会議員の選挙区は6つありますが、6人とも安倍政権とは反対側の人たちが当選しています。名護市辺野古の新しい基地を建設することに反対する勢力、あるいは今、東村高江というところで新しいヘリパッドがつくられようとしていますが、それに反対する勢力、そうした人々が沖縄の国会の代表となっています。すべての選挙区でです。さらに、県知事、地元名護市の市長も基地に反対する首長が誕生しています。ここまで民意を示しているんですね。
     しかし政府は一顧だにせずに、逆に基地建設を強行したり、あるいは、裁判で沖縄県を提訴したり、という状態が続いております。果たしてこれが民主主義国家としてのあるべき姿なのか。こういった変則的な状況を、沖縄からどうにかして打開しないといけない。そういう問題意識から出てきたのが、この「沖縄の自己決定権」というキーワードを使った連載です。

     この連載でどういったことを書こうとしているのか。これまでの沖縄の歴史を振り返ってみますと、1972年まで沖縄は米軍の統治下でした。そのときに日本に復帰しようという運動が沖縄にはありました。憲法で保障されている平和主義や人権について、沖縄もきちんと恩恵を受けたい、だから日本国憲法に復帰しよう、ということばで運動がたたかわれました。最終的には全面基地撤去という運動の目標も掲げられましたが、結果的には沖縄の基地はほとんど残るという状態になってしまいました。この運動をした人たちは非常に裏切られた気持ちを抱いたわけです。沖縄は復帰はしましたけれども、その後、果たして日本国憲法が適用され、沖縄の人たちの命や人権、平和が保障されている時代があったでしょうか。

     1995年には、小学校の女の子が米兵に輪姦されたり、あるいは、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落したり、最近では5月に米軍属のアメリカ人が沖縄の女性を暴行して殺害するという痛ましい事件も起きました。こういうことがずっと繰り返されているのが沖縄です。こういった現状をどうにか改善していきたい、そういう問題意識から出てきているのが、国際人権法に訴え、国際世論を起こしていこう、という動きです。新たに沖縄でこうした動きが起きているわけです。

     昨年9月、翁長知事は国連人権理事会に行きまして、「沖縄の自己決定権と人権が蔑ろにされている」と訴えました。沖縄の歴代知事で初めて、国際社会、国連に沖縄の現状を、国際人権法に照らして訴えたわけです。いま、沖縄が非常に追い詰められているからこそ、国際社会に訴えざるを得ない状況というがあるわけです。その翁長知事も口にした、沖縄の自己決定権というのはどういうものなのか。歴史的にひもとき、あるいは、国際社会と比べてみて、沖縄というところはどう位置付けられるのか、そういう関心で書いたのがこの本です。

     まずは沖縄の歴史を掘り起こそう、という問題意識を縦糸としますと、国際社会、海外の事例に目を向けて取材した... 続きを読む

全1件中 1 - 1件を表示

沖縄の自己決定権の作品紹介

琉球はかつて、独自にアメリカやフランス、オランダと修好条約を結んだ。独立国だったからだ。沖縄が自己決定権の確立をめざす歴史的根拠を検証し、識者の意見をもとに、「自立」への展望をさぐる!

沖縄の自己決定権はこんな本です

ツイートする