大泥棒紳士館

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  • 工作舎 (2000年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875021438

大泥棒紳士館の感想・レビュー・書評

  • 野尻抱影は、今から125年前の1885年11月15日に横浜で生まれた随筆家もしくは星好きで星に詳しい人、みたいに長らく私は思っていたのですが、実は天文民俗学者であり、2006年に太陽系の惑星からはずされたあのスイ・キン・チ・カ・モク・ド・テン・カイ・メイと覚えた冥王星の名付け親でした。

    私が初めて読んだのが、『日本の星』や『星三百六十五夜』や『新星座巡礼』などの数ある星に関する本よりも何よりも、本書だったことはとても幸運で愉快なことだと今では思っています。

    松岡正剛が中心になって、1971年から82年まで発行していた雑誌・オブジェマガジン「遊」を中学生のころに知って、とても素敵だなと思い強く惹かれました。

    こうなるともうダメです。愛する対象を徹底的に愛することが私の愛ですから、「遊」のバックナンバーを集めて読み、工作舎の刊行した本を軒並み集めて読破しないと気が済みません。

    古本屋・図書館・本好きの友人知人の本棚を、涼しい顔をして血眼になって漁るハンターと化して蒐集し、出来ないものは貪り読みその結果、ライアル・ワトソンの『生命潮流・・来るべきものの予感』やフランセス・イエイツの『薔薇十字の覚醒・・隠されたヨーロッパ精神史』とかフリッチョフ・カペラの『タオ自然学・・現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる』など、今まで読んだことのない分野のあらゆる本に出会いました。

    そのときの一冊がこの本です。

    帯に「ロンドン怪盗伝」とあり,その通りロンドンを駆け巡った5人の大泥棒が登場してくるのですが、みんながみんな悪い奴というより、いわゆる義賊というやつです。

    すごいハンサムで、大金持ちから盗んで貧しい人たちに全部あげてしまう女性に大モテのクロード・デューバル、愛馬の黒い馬にまたがって伝説の逃走劇をやってのけた騎士=ディック・ターピン、そして何回も脱獄を繰り返してロンドン中の子供たちのヒーローになるジャック・シェパード、それからそのジャックの敵で五人の中でももっとも凶悪犯のオスカー・ワイルド、最後に超セレブなのに何故か盗みを働くジェームス・マクリーン。

    これがフィクションではなく、すべて18世紀の本当に実在した大泥棒の話なので、これだけでもびっくりすることこの上ないのですが、もっとすごいのは、このころのロンドンの暗黒社会の様子を活写した部分で、お酒=ジンを老若男女が愛飲していて、老いも若きも酔っぱらいだらけで、赤ちゃんにジンを飲ませて泣きやませていたり、道端には泥酔死したとか酔っぱらい同士が争って亡くなった死体がごろごろしているとか、信じられない光景が描かれています。

    私にとっては、まだまだ知らないことが山ほどあるということがわかった本でもあります。

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大泥棒紳士館はこんな本です

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