愛と髑髏と

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著者 : 皆川博子
  • 光風社出版 (1984年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875194682

愛と髑髏との感想・レビュー・書評

  • 「庭」:全4ページの掌編。寝返りを打つ庭、ブルーノ・シュルツの八月を連想させる庭。
    「人それぞれに噴火獣」:赤黒く燃える夕焼けが美しい

  • 凄い世界が広がっていた。
    早く目覚めたい様な、いつまでも目覚めたくない様な幻想的な悪夢。
    どれもゾッとするが、「人それぞれに噴火獣」が特に秀逸。

  •  8編収録された短編集で、いずれも美しくも禍々しくてまさに“愛と髑髏と”のタイトルが、ぴったりくる物語ばかり。現実のこちらと虚構のあちらとを行き来する物語に幻惑される。極上の甘美な悪夢のような物語を美味しくいただいて、大満足。  8編のうちのお気に入りは、ページにしてわずか4ページの短さなのに、濃密で毒が滴る残酷なメルヘンの味わいさえある少女無残の物語「風」。ぜひ司修さんの版画をふんだんに挿絵に使い、この作品だけの絵本を作っていただきたい。  幻想的というよりはシュールで、皆川さんてこんな作品も描かれるのかと驚いた「猫の夜」。「時計犬」って何?と言いたくなるほど、まったく世界観についての説明がなく、読み進めていっても腑に落ちることなく放り出されたまま。まるで夢見た夢をまんま文章にして小説にしたかのような不整合さをはらんでヘンな話ではあるものの、なぜか静謐さに惹かれるのだった。  一番強烈だったのが、芸術家の両親を持つ少女の罪の物語「人それぞれに噴火獣」かな。妙に敏くて、子供社会になじめず上手く立ち回れなくて、そのことで母親に「可愛げがない」と疎まれていることを敏感に察している。子供ゆえの残酷さずる賢さや厭らしさがあり、子供なのにもう女でもあって 無垢を装い媚びることを知っている、そんな少女が主人公だ。とある一日の夕方の出来事を中心に描いているのだけども、冒頭から悲劇の予感があって、、、その瞬間がいつ来るかいつ来るかと身構えながら読んでいたような。そして!この作品、書かれていない部分が想像するだに恐ろしいんですが。吉岡さん、そして個展の準備をしている母親、、、、、、、、ぞわぞわ。  読み進めていくうちに殺人事件の真相が徐々に明らかになっていく「舟唄」も、無限に続く夢(悪夢?)の中にまどろむような「暁神」も印象的。沈んでいた夢から現実の方向に浮かび上がってきて、また夢に沈んでいくかのような、、、。 皆川ワールド全開で堪能しました。読み終えてからも幻惑の余韻を引き摺ってクラクラしそう。

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愛と髑髏とはこんな本です

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