- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875745969
作品紹介・あらすじ
ランドル・マクマーフィ、黒い帽子、古い茶色のジャケット、長いもみあげにたたきつぶされた顔、悪魔的な笑顔、最初舞台では、カーク・ダグラスが、映画ではジャック・ニコルソンが演じた。彼は現代アメリカが生んだ最も強烈なキャラクターである。精神病院という場所での自由と尊厳を賭けた命がけの闘い、彼は闘うことをやめ、逃げ出し、保護され管理されることに甘んじている男たちに、人間が人間であるために何をすべきか激しく問いつめる。
感想・レビュー・書評
-
今年の7月にこの「カッコーの巣の上で」が、小栗旬さんの舞台で公開され、見に行きました。
精神病院を舞台とし、強烈なキャラクターであるマクマーフィが、拘束もされていないのに、保護され管理され続けている精神病院患者に、どうすべきか問いかけます。
自由奔放な感じで、ちょっと型破りな性格の持ち主ですが、どこか魅力を感じさせるマクマーフィ。彼は、規律に任せ、自ら考え生きることをやめた彼らに、様々な規律を破ることをします。また、チーフとマクマーフィのやりとりが、とても良かったです。
でも、最後の終わり方が少しショックでした。
舞台を見てから読んだので、とてもよくわかりやすかったです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一言で言ってしまえば、規律(ルール)の下で生気を失った精神病患者たちを、主人公であるマクマーフィが変えてゆくお話……なのですが、そうとも言い切れない難しいラストが待ち構えています。
患者たちは病院の”治療”を恐れ、ただただ規律に身を任せ、自分で考えて行動しようとはしていませんでした。ところが、マクマーフィという型破りな人物と行動を共にするうちに、病院側の押し付ける規律に対抗するようになります。
ところが、こうした動きを主導するマクマーフィは、病院にとっては目障り以外の何物でもありません。そこで病院側(主任)は……
精神の病を”治す”とは何なのか。人格を失ったその人は”その人”なのか。人格を失ったその人が望まないであろう”生”は善なのか。
様々な問題を投げかけつつ、この物語は幕を閉じます……。 -
こんなに胸が痛くなった作品はめったにない!!
腹ただしく、悲しく、やりきれない。
それほど感情を動かされるお話。
全体的に明るく話は進む、コメディみたいに。
名作です。超おすすめ。 -
あお…ロボトミー手術くそくらえ。ロボトミーってどういう意味?ロボットに近い感じが恐い。ロボットに近づかせているみたい。チャペックの「ロボット」を読んだばかりだからそう思うのかもしれないけど、だとしても、ロボット以下にしてしまうなんて。映画を見よう。
-
戯曲版。再読。
やっぱり好きな作品。
マクマーフィー、破天荒で自己中でどうしようもないけどなぜか魅力的なんです。カリスマ。だから、まるでキリストの衣に触れたいと思うように、チーフはマクマーフィーに触れたいと思う。
かつてマクマーフィーが持ち上げられなかった「箱」の役割が憎い。
ラストでたたずむ彼にスポットライトというト書き。
「それでも俺はやってみたんだ」と、彼が言う声が聞こえるような気がする。
舞台で、また映画も見たことないから見てみたい。
-
鹿賀さんがパトリック・マクマーフィ、滝田さんがチーフ・ブロムデン役で出演した舞台の戯曲。ただし2人が出演した訳本とは違います。