絵の中のぼくの村

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著者 : 田島征三
  • くもん出版 (1992年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875767312

絵の中のぼくの村の感想・レビュー・書評

  • 故あって20年ぶりの再読。以前と同じくとても面白く読んだけれど、当然のことながら印象がまったく違う。田島さんのこの自伝の舞台は高知、自分が育ったのは愛媛。同じ四国とはいえ、違うのはあたりまえだけれども、ついつい自分の小さい住んだ集落と重ねてしまう。

    初版時に読んだときは、こっちが過去を追想するには早かったのだろうけれど、おっさん度が増した今は追想度もあがるのか。この場所はすでに「絵の中」にしかないと諦観する田島の寂寥がきつい。

    いくども読み返すべき、すばらしい本だと思う。

  • 田島征三著・絵、「絵の中のぼくの村」を読む:
    小諸の大浦にある茶房、「読書の森」から、本をお借りしてきて、読むことになった。
    少年の日々は、いつだって、生傷だらけだったと、著者は云う。肉体的な傷だけでなく、そのまだ、成熟していなかった少年の精神は、この一卵性双生児の兄弟の弟である著者にとっては、自分自身の内的世界そのものか、丁度、反面鏡を見ているようなもので、もう一人の自分であったと、、、、、。喧嘩をしても、禁断の悪戯をしても、川で、溺れかけても、魚釣りをしても、野鳥捕りをしても、友達から虐められたり、或いは、自分よりも弱者を虐めたりしても、更には、母から教えられた性教育ですら、それらは、全て、少年の時の「今から想えば」、成長の為に、必要だった時間と経験だったのかも知れない。高知の、未だ、手つかずのままに残されていた当時の自然と、現実的な戦後間もない厳しい生活環境、親族・家庭環境の中でも、そこには、被差別部落の問題もあり、その限られた友達の中にも、決して、無縁な世界ではなかったし、或いは、今ならば、考えられないような教師による虐めや鉄拳制裁や、病気や怪我や、他人に、傷つけられたり、逆に、悪意がある訳でもないのに、知らないうちに、他人を傷つけ、その結果、自分も傷ついてしまう。あらゆる経験が、時間の経過というフィルターの中で、懐かしい想い出となる中で、歳を経ても、それらは、決して、消えることはない。しかしながら、それらの村は、或いは、そうした出来事や自然も、動物たちや物の怪も、もう、自分の描く絵の中にしかない、、、、、、、、、、と。傷つけやすく、自身も又、傷つきやすい少年の日々は、今も、心の中に、宿っている、、、、。
    原作が、映画化されて、第46回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞をしたというので、今度は、映画をDVDで、観ることにしよう。
    PS) どうらくオルガンちちんぷいぷい、「鉢集落と田島征三、絵本と木の実の美術館」:
    http://www12.ocn.ne.jp/~ehon2009/
    新潟県十日町市にある「鉢集落と田島征三、絵本と木の実の美術館」

  • 昔、東中野で映画を観ました。双子の男の子がよく泣いてたのと、あたたかな太陽の光とまぶしい緑にあふれていたことしかおぼえてませんが・・・。もう10年くらい前のことになるんだなぁ、とちょっとしんみりしました。田島さん兄弟の絵の原点がここにあります。[2005.04.16]

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絵の中のぼくの村はこんな本です

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