中国文化大革命の大宣伝 下

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  • 芸術新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875861751

作品紹介・あらすじ

すべて宣伝と考えれば、中国の謎に合点がいく-著作権侵害/反日/食品問題…がわかる。

感想・レビュー・書評

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  • 598ページ。辞書のようにぶ厚い本。同じボリュームの上巻がある。
    文章は実に読みやすく分かりやすいのだけど、読むのは大変だった。
    上下巻合わせて1200ページも文革について読んだわけだけど、ますます分からない。
    時系列になっているわけでもなく、毛沢東とその周囲の大混乱について、いろいろな角度から、とくに広告宣伝というか、ビジュアル面について、ちょっとそれは危険なのではないかという分析を加えながら、繰り返し同じ主題が綴られる。嬲れるような読後感ではある。
    時系列も一つの物事の切り取り方であり、たぶんこういう「よく分からなさ」が本当ではないかというようにも思う。

    文革の間、社会がまともに機能していたように思えないのだけど、一応生産もしているし、どうなっているのだろうかと思う。例えば、これだけの大運動をするときの活動費はどうやっていたのだろうか。最終章の第一次天安門事件の花環で、少し金についての記述があるが、やはり分からない。

    おそらくあと何十年か経ったら、文革は神話になるのではないだろうか。
    三国志とか、幕末と同じような。
    おそらくそれは、文章による神話ではなくて、別のメディアによる作品になるかもしれない。ゲームとか。

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著者プロフィール

一九三八年北海道生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。七三年『江戸のデザイン』で毎日出版文化賞受賞。二〇〇八年三月、大量の蔵書を遺し逝去。著書に『ナンセンスの練習』、『円の冒険』『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ(全四巻)』『荷風の永代橋』『「明日の王」詩と評論』(共著)など多数。

「2018年 『本が崩れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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