秋葉原は今

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  • 芸術新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875861928

作品紹介・あらすじ

外国人観光客、家電メガストア、ゲーム、オタク、パーツ、パソコン、ITセンター、新線開通、フィギュア、中国資本、超高層ビル、萌え、アニメ…世界のAkibaが変わった。決定版アキバ戦後史。

感想・レビュー・書評

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  • 社会
    思索

  • 秋葉原の歴史や2000年代の再開発の話。作者はあまり再開発を肯定的には捉えていないよう。2010年発行の本だから8年後のいまではどのように考えているだろう。この方の最近の著書や論文を探してみたい。

  • 戦前からの秋葉原の成り立ちから近年の再開発まで。副題をつけるとしたら「如何にして再開発は失敗したのか」とするのは言いすぎだろうか。「ITセンター」という時代遅れの金科玉条しか掲げられない行政、リスクをとらずにフツーのオフィスビルしか作れないディベロッパー、高く売れればなんでも良かった国鉄、手前の利益に固執した結果消えてゆく地元量販店。結果できあがったのは中途半端なサイズで空きばかり目立つパブリックスペースと休日に人の気配がしないフードコートだけ。誰かが夢見た"デザイン"も"ミュージアム"も"文化"もない。唯一”らしい”のはたまの日曜日に"UDX前の広い歩道"で開催されるフリーマーケットぐらいだろう。そもそも秋葉原という街は、多数の小店舗が狭い空間にひしめき合い新陳代謝を繰り返すことで、時代に取り残されないプラットフォームとして成り立っている。この空間でデカイハコモノ達が如何に立ち振舞うことで街が変わるのか。期待して暮らしたい。

  • さくさくと読めた
    過去の歴史的な変遷については理解できたことでの価値は感じるものの、何か明確な示唆となるようなものはなかった感じ。

  • 秋葉原は今。名前だけ見るとアキバ系の話かという気がしますが、非常にまじめな本です。ラジオのまちとして始まり、電気街、オタクの聖地に至る歴史的分析から、駅前再開発事業の流れや人間関係、そして町全体のコンセプトを再考し、デザイン都市としてつなげようとした「D-秋葉原」構想まで、読み応え十分です。

    秋葉原や新宿のような、海外旅行客を含めて圧倒的な集客力を誇るエリアでは、都市のグランドデザインのような構想を打ち上げて、まちづくりが一体となって進んでいくようなことはなかなか難しいのかも知れませんが、この本には都市計画の専門知識をベースとして、さまざまな人がまちの成り立ちから現在の状況、そして今後の展開に至るまでどのようなかかわり方が出来るのか、いろいろな取っ掛かりのヒントを示してくれているように思います。

    ひとつのまちにかかわる人は想像以上に多種多様で、複雑で面白いことが客観的に再確認できただけでも読む価値がありました。具体的にこのように成功したというサクセスストーリーではないので、読むのに結構時間はかかると思いますが、この本を読んだあとは秋葉原が違って見えてくるかも知れませんよ。

    ちなみに、「萌える都市アキハバラ」という、もう少し建築デザイン側の話が展開している本とセットで読むと、さらに面白いと思います。

  • とても読み続けることができませんでした。

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著者プロフィール

1948年、東京に生まれる。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程を経てパリ・エコール・デ・ボザール卒業。工学博士。芝浦工業大学、リエージュ大学、慶應義塾大学、パリ国立工芸院で教鞭をとり、藤女子大学副学長を経て現在、東京理科大学客員教授。建築史、デザイン理論、遺産学を専攻。ポンピドーセンター、ヴィトラ・デザインミュージアムなどで多くの国際展の企画をおこなう。瀋陽市ユネスコ世界遺産登録の業績に対して瀋陽市栄誉市民、日仏学術交流の業績に対してフランス政府より学術教育功労勲章(オフィシエ等級)を授かる。

「2019年 『安藤忠雄 建築を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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