人間物語 (とぴか)

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著者 : 長新太
制作 : トムズボックス 
  • 芸術新聞社 (2010年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875861966

人間物語 (とぴか)の感想・レビュー・書評

  • とにかくぶっ飛んだ内容。著者は執筆当時は60~70歳代だったと思うが、その年でこの内容のマンガを描けるのが凄い。絵のシンプルさと内容の乖離が面白い。

  • 長新太さんの、見開き二ページ16コママンガ。どの話も深遠な人間文明批判に、なってないようでなってるようで、やっぱりなってないくらいのデタラメさで、オチもそんなにつかない。ナンセンスを堪能できる最高の一冊です。

  • 見開き(2ページ)で1話完結の15コマ漫画。全33話。作者は長新太さん。
    1話で1冊ずつシリーズ化して絵本が作れちゃいそうなレベルのお話だが、今回は漫画という体裁だからか有り難いことに1冊の中にすべてがギュッと凝縮してまとめられている。つまり、33冊の絵本をいっぺんに読むようなお得感がこの本にある、ということが言いたいのである。

    紐のような線で描かれた人間のオジサンがとりあえずこの漫画の主人公らしい。垂れた大きな鼻が特徴的で、いつも帽子を被っている。表情はよく見えないが、なかなかユーモラスな性格のようだ。この人間の特殊能力には聖徳太子(『日出処の天子』を参照)もビックリだろう。例えば、首をハサミで切っても死なない(第2話)。骨盤が体から出てしまってもなんとか歩ける(第12話)。アイスクリームに舐められ頭がなくなっても喋れる(第25話)。旅する脱腸と会話ができる(第33話)。

    長さんからのメッセージが冒頭に据えられているので、一部引用する。

    「この漫画は、
    思いあがった人間が、
    生きものや、自然からチクチクと毎回
    しっぺ返しをうける物語です。」

    まさにそのとおりで、人間はさまざまなしっぺ返しをうけている。第1話「ゾウをダンゴにしてはイカンの巻」を例に見てみよう。この話では、人間がゾウを転がしてダンゴにしていたらいつの間にか人間もそのダンゴの中に巻き込まれてしまう。人間はそのまま寝てしまうが眠りから覚めても出るに出られず、ライオンに吼えられたり、大蛇に舐められたり、蠍の尻尾のトゲに刺されそうになったり、お化けに恨まれたり、大雪で死にそうになったりし、やがてトホホとうなだれてしまう。最終的にはダンゴにされた優しいゾウに助け出されて1日が終わるのだ。
    全体的によくわからないが、よくわからなければよくわからないなりに色々と考えさせられるし、しっぺ返しのバリエーションも豊富で、作者の発想力に圧倒される。突拍子もない設定に驚いたり、地球規模の大胆なオチにクスリと笑ったり、生きものたちとの交流にほんのり温かく切ない気持ちにさせられたり、しみじみと感じいったり…先が読めない展開に何度となく振り回されるが、次第にそれがクセになっていくので面白い。

    私の好きなお話を少し紹介する。
    ☆第3話「暗黒世界の巻」…腹黒い人間が吐き出す黒い液体がだんだん世界を黒く染めていく。そこに墨を吐くイカやタコも参加し、人間イカタコ大戦争が勃発する。墨を吐くときに出るビューッという音が爽快。そこら中でビューッビューッやっている姿には笑えるが、最後の真っ黒な世界にはなんとなく唖然としてしまう。現代人の末路を見せられたような気がして恐ろしくもなる。このままいったら本当に世界は黒く染まってしまうのではないか?という気がする。

    ☆第7話「脳テン博士の巻」…主人公の頭がボンヤリして困っていると、脳の中味を教えてくれる脳テン博士が登場する。どうやら近頃人間の脳ミソに異変が起きているらしく、主人公の脳は半分タコヤキになっているという。ある人は脳ミソの代わりにクリームあんみつがつまっており、ある人には毛虫が、またある人にはゆでタマゴが、タヌキのしっぽが、毒薬が、辛子明太子がつまっているのだという。少し前に流行っていた脳の中味を漢字で表現する脳内メーカーを思い出す。脳テン博士自身には童話やマンガの本がいっぱいつまっているそうだ。もしかしたら、この脳テン博士は長さん自身なんじゃないかしらと思う。私の脳も見て欲しいけれど、変なものがつまっていたら嫌だなあ。

    ☆第11話「空の彼方への巻」…ある男がいた。この男は「ああイヤダイヤダつくづく人間がいやになった」といつも思っていた。すると、ある日突然、手がタコになり、足がゾウになり、背中はラクダに、おなかはカバに... 続きを読む

  • いつも大好きな長さんの世界。

    ナンセンスでどこに行くの?ってわくわくしながら読んでいる。

    今回はちょっぴり大人な苦い要素も加わっていて、それはそれで
    物凄く楽しめた。

    私は膀胱のくだりがとってもかわゆくて好き。
    一緒にてをつないで歩きたい。

  • 長さんの漫画。
    なんじゃそりゃ?がイッパイだけど、ワクワクする。

  • 『人間物語』は、しばらく前に本屋でみかけて、チョーさんの本や~と手にとった。中を見ると、チョーさん漫画。これが『やわらかい頭』風なのだった。買ってしまうかとしばし迷ったが、『やわらかい頭』とかなり似てるナーと思って、そっちをもう一度読んでからにしようと棚に戻して帰った。

    私は『やわらかい頭』が好きで、好きで、好きで、そのむかし古本屋で手に入れたチョーさんの『怪人通信』(これも笑える本で、とくに「ええっ、何だって?」という、おかしな人生相談風のQ&Aが私は好きなのだった)とともに、にやにやとしながらよく読んでいた。貸出の旅にもよく出ていたせいか、あるとき見あたらなくなってしまい、無くしたかと探しまわって悲しんでいたが(版元のリブロポートはもうない会社なのである)、大事にしまい込んでいたものが先日発見された。

    Weフォーラムから帰ってきて、図書館をぶらついてみると、『人間物語』があったので、いそいそ借りて帰る。『人間物語』と『やわらかい頭』は、似ているけれど(脱腸がうろうろしていたり、チェーンソーがなんでもかんでも切りまくっていたり)、別の漫画だった。

    巻頭に、チョーさんの字が刷ってある。

    前略 この漫画は、
    思いあがった人間が、
    生きものや、自然からチクチクと毎回
    しっぺ返しをうける物語です。

    そうか、チクチクとしっぺ返しか、と思いながらぴらぴらと読むチョーさん漫画の楽しさ。

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人間物語 (とぴか)の作品紹介

思いあがった人間が、生きものや、自然からチクチクと毎回しっぺ返しをうける物語。長新太の15コマ漫画。

人間物語 (とぴか)はこんな本です

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