- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784876721306
作品紹介・あらすじ
AD/HD、アスペルガー症候群、PTSD、境界性人格障害…社会を揺さぶる事件が起こるたび、耳慣れない「病名」がメディアを飛び交う。これら輸入精神医学が貼りつけるラベルをていねいに剥がし、人格の危機形成の考察から、独自の人格障害論を打ち立てた労作。
感想・レビュー・書評
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人格障害と言う概念は、社会全体の安心を目的として特定の個人を葬り去るために張り付けられるラベルでしかないのか?
アメリカから輸入された人格障害の概念を、批判的に再構築し打ち立てた独自の人格障害論。
心の障害・病に名前をつけることはとても難しいだろうと思う。明確に数値化することも出来ないだろうし、何より鑑定人によって判断が変わってしまうのがその証拠だろう。
ただ、この著書に書かれている人格障害が私の認識しているものとは違うのかもしれない。結局よく理解できないままに終わってしまった。
確かに精神に異常をきたすのだから、環境が大きく影響するものなんだろう。が、ここに書かれているものは家族主に親の責任のように感じられてどうなんだろうと考えてしまった。観念の上でとは言え、親殺しをしなかった為に実際に人を殺してしまったとい言われると、なんだか哀しいものがある。
確かに差別や排除のためのラベルは良くないと思うが、一方で病名をつけることで救われる人もいるとは思う。その上でしっかりと対処していくことが必要なんだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容を要約すると、
「人格障害というラベルをただ貼ることには問題がある」
ということなのでしょうが、ちょっと難しかった…。
実際に起きた事件などを題材に、「人格障害」として安易にラベリングすべきではない、ということが書かれていました。
でも「人格障害」ってすごい概念だよな、と思います。
社会から浮いてしまって面倒な人たちを「病気」と位置づけることで社会が何とかしようとしたんじゃないかと思ってしまう。
そして人には未来への予測因子がものすごくたくさんあって、だいたいの傾向でいくつかの人格障害にカテゴライズすることは大変危険なのでは、とこの本を読んで思いました。
人格障害に限らず、大事なことはやっぱりその人を見ること。
私もつい面倒な人を見ると「ADHDかな…」とか思ってしまうのですが、断定だけはしないようにしたいなーと思います。
難しいけど。 -
11/05/08。