人格障害論の虚像: ラベルを貼ること剥がすこと

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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784876721306

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  • 人格障害と言う概念は、社会全体の安心を目的として特定の個人を葬り去るために張り付けられるラベルでしかないのか?
    アメリカから輸入された人格障害の概念を、批判的に再構築し打ち立てた独自の人格障害論。


    心の障害・病に名前をつけることはとても難しいだろうと思う。明確に数値化することも出来ないだろうし、何より鑑定人によって判断が変わってしまうのがその証拠だろう。
    ただ、この著書に書かれている人格障害が私の認識しているものとは違うのかもしれない。結局よく理解できないままに終わってしまった。
    確かに精神に異常をきたすのだから、環境が大きく影響するものなんだろう。が、ここに書かれているものは家族主に親の責任のように感じられてどうなんだろうと考えてしまった。観念の上でとは言え、親殺しをしなかった為に実際に人を殺してしまったとい言われると、なんだか哀しいものがある。
    確かに差別や排除のためのラベルは良くないと思うが、一方で病名をつけることで救われる人もいるとは思う。その上でしっかりと対処していくことが必要なんだと思う。

著者プロフィール

1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長、岐阜大学医学部精神病理学分野准教授などを経て、現在、岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター。自閉症スペクトラムの臨床研究、少年事件の精神鑑定、不登校・引きこもりの臨床社会的研究などに取り組む。日本児童青年精神医学会理事。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員。主な著書に『発達障害は少年事件を引き起こさない』『精神鑑定とは何か』(ともに明石書店)、『やさしい発達障害論』(批評社)、『自閉症論の原点』(雲母書房)など多数。

「2019年 『いかにして抹殺の〈思想〉は引き寄せられたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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