鉄路100万キロ走行記

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著者 : 宇田賢吉
  • グランプリ出版 (2004年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784876872633

鉄路100万キロ走行記の感想・レビュー・書評

  •  蒸気機関車から始まって電気機関車・電車の運転士やその指導者として40年余りを過ごした著者の、回顧録というかエッセイ集。鉄オタなら垂涎の人生だろう。私は鉄オタではないけれど、わくわくしてくるエピソードが満載です。

     著者の主な勤務地が岡山を中心とした中国地方なので、私がよく知らない地名が多いのは残念ですが、たまに大阪の話が出てくると想像しやすくて楽しいものです。日頃乗っている電車の動きを見る目も変わってきます。

     同じ著者が最近出版した『電車の運転』を先に読んでからさかのぼるように本書を手にしましたが、蒸気から電気、国鉄からJRと多くの変遷を経験してきた著者の豊富な経験が満載です。鉄道に興味がない人はすぐ眠くなってしまうかもしれませんが。

     レール上を走る列車にはハンドルがなく、いわばアクセルとブレーキだけで運転します。だから自動車より簡単なんじゃ?と思っていましたが大間違い。鉄道の運転が難しい理由は、本書から私なりに理解したところでは以下の2点に集約されるでしょう。

    1.定時運行への要求が厳しい。
    2.車両性能に余裕がない。

     1は言うまでもなく、自動車なら道の混み具合などで多少の時間が前後するのは当然のことですが、鉄道はそういう言い訳ができないため非常に正確な運行が要求されます。まさに秒単位、メートル単位の精度です。

     2は、たとえば自動車ならアクセル全開で走行し続けることはまずありませんし、フルブレーキで停止するのは緊急時だけでしょう。しかし鉄道の場合、ほとんど限界に近い性能を常用しているため、わずかなズレでもそう簡単にリカバリーできないわけです。だから鉄道の運転士は自動車よりはるかに細かい「先読み運転」が必要となるようです。

     そういう話を知った所で私のこれからの人生には全然役に立たないと思いますが、電車に乗るのがちょっと楽しくなる1冊です。

  • 日本の鉄道はプロ集団である裏方に支えられて成り立っていたのがよく分かる。JR化後の問題の予兆も触れられていて興味深い。
    著者の実体験記でもあり車両運行の解説でもある本書は同時に鉄道近代史でもある。

  • 蒸気機関車の時代から運転する筆者の乗務歴を綴った本。職人魂が読み取れます。

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