人文学への接近法 ―西洋史を学ぶ

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制作 : 服部 良久  南川 高志  小山 哲  金澤 周作 
  • 京都大学学術出版会 (2010年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784876989485

人文学への接近法 ―西洋史を学ぶの感想・レビュー・書評

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  • こんな本学生時代に欲しかった!歴史学を志す人、興味がある人にはぜひとも読んでいただきたいと思います。
    歴史学をなぜ学ぶのか、日本で西洋史学を学ぶ意義とは、など素朴な疑問にもしっかりと答えてくれます。歴史学、とりわけ西洋史学がどのような歴史を経て、今日の姿になったのかも概説的に教えてくれます。

    西洋史学を志した頃のわくわく感を取り戻させてくれた本書。卒業してしばらく経つけど久しぶりに勉強したい!と思いました。

  • この本は、西洋史を大学で学び始めようとする学生のための「西洋史の学び方」の本であって、西洋史概説ではありません。目次を開きますと、
    第1部 西洋史を学ぶということ
    ・第1章 教養科目としての西洋史
    ・第2章 西洋史を専攻する
    ・第3章 日本で西洋史を学ぶ
    第2部 学んだことをどう生かすか
    ・第4章 留学・学会・研究会
    ・第5章 西洋史学のキャリアパス
    第3部 学ぶためのツール
    ・第6章 コンピュータの活用
    ・第7章 西洋史研究のために―文献案内―
    となっていることからも、これは西洋史を学ぶ意義や方法論を説いて新たに西洋史の世界に飛び込もうとする初学者を対象とした本であるというのは一目瞭然です。しかし、私のような東洋史出身で、高校で世界史を教える立場となっている人間にも面白く読めましたし(単に歴史マニアというだけかもしれませんが)、参考となるところも多々ありました。グローバル化やインターネットの普及が人々を均質化する、といった意見をよく聞きますが、地域ごとの歴史はさまざまであり、さまざまな制度や価値観は多様であり続けています(45ページ参考)。であるならば、個人もさまざまな生い立ちや経験を経て今があるとすれば、いくら情報を共有しようが、同じような格好をしようが均質化するということはないと思います。もっというならば、人間は社会的な生き物ですから、ある程度制度や思考を均質化しなければならないのは当然です。その時代、社会に応じて構成員を枠にはめなければなりません。しかしその上にあるものは決して均質化されることはありません。学校の生徒が同じ制服を着てもいろんな性格や思考・趣味・特技があることがそれを物語っています。
    あと歴史に携わる者として心にとどめておかなければならない言葉として「僕のやっている研究で何か大きなことを言えるわけじゃない。でも、少なくとも自分が昔の人たちのことを書くうえで、いいかげんなやり方で適当なことを書くわけにはいかない。だってその人たちはもう何を書かれても文句も言えないんだから。」(111ページ)という一文がありました。目からウロコです。

  • 西洋史を大学で学ぼうとする人には格好の入門書。西洋史でなくても、歴史学全般を学ぼうとする人の参考になると思う。文献案内が秀逸。

  • 戦後日本ではリベラルアーツ教育が十分に行われてこなかった。
    探究心を持って意欲的に学ぶことことこそリベラルアーツの基本。
    歴史学は経済、社会、文化人類学、心理学などに比べると古いが、文学、鉄学に比べると大学で教えられる学問となったのは比較的新しく、ドイツの大学で18世紀、フランスの大学で19世紀のこと。
    文学部はリベラルアーツからなる学部である。大事なのは知識の遼であはなく、それをどう組み合わせていくかだ。大学の良さはディシプリンがあり、自分の力でカリキュラムにある程度自由に作っていくことができる。

    正しい歴史を奪うことは、人格の一部を奪うのと同じことあんだ。それは犯罪だ。

    歴史学を学ぶことによって身に付くスキル。
    ・説得力
    ・文章力
    ・分析力
    ・判断力
    ・情報処理力
    ・相対化する力
    ・語学力
    ・忍耐力

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